一覧ページ

色のない灰色の世界～色彩を見つけた～

第2話 - 暖かい色

2022年12月06日

#文豪ストレイドッグス

#文スト

#恋愛系

#辛い過去

歌大好き

歌大好き(作者)

一話の続きからです。読んでいない方は先に読んだ方が分かりやすいです。

歌大好き(作者)

では、Let's 始め！

桜子

…れっつ、始め？

桜子

……

江戸川さんが言ったことを私は、直ぐに出来なかった。そんな私が嫌で、スカートの裾を掴む。

敦

乱歩さん…流石に急には…

桜子

構わない…話す。

鏡花

無理はしなくて良い、話したくないなら話さなくても…

桜子

皆さんも知った方が良い…けれど、

直ぐには信じられないと思う。

桜子

聞いたと思うけど、私は道端で発見された。それも、血まみれで。

治

誰かに襲われたのかい？

桜子

違う…撃たれた。

敦

どうして、撃たれたりなんか…

桜子

…多分だけれど私の世界と貴方達の世界は違う。だから、別世界。

鏡花

どうして、そう思うの？

私は窓を通して外を見た。とても、綺麗な世界。パレットのように色付いている。

桜子

私の世界は灰色だった。

ナオミ

灰色？

桜子

そう、色がない。空の青さも、雲の白さも、木の緑も…人間の色まで。

思い出すと気持ちが悪くて怖い。思い出すだけで、吐きそう。

桜子

世界で核戦争が起きて…私は、軍人として生きてた。生まれた時からずっと…

ナオミ

そんな…

敦

核戦争…君みたいな女の子が…

桜子

私より小さい子だっていた。

鏡花

貴方は生まれた時からそこで、育ったの？両親は？

桜子

両親は…いないよ。多分。

独歩

だが…国の重要な軍人を撃ちはしないだろう…何か、理由があったのか？

桜子

私達が軍の上層部を殺したから…逆らえば殺す。それが、彼処。

敦

どうして…

桜子

上層部がいなければ、他の人だって救える。それに…先に殺ったのはあっちだった。

頭にあの光景が浮かんで私は苦しくなった。出来るならば、記憶を消したい。

桜子

…恩人である先生が殺された。

治

先生？君達の上司かい？

桜子

違う…私達に生き方や名前をくれた。羽衣桜子も先生からもらった。

────君は片目が紅いんやな。そやな…羽衣色…桜…

────羽衣桜子。君の名前は今日から、羽衣桜子や。

桜子

上層部は私達を完璧な殺人兵器として作りたがってた…でも、先生が居たから出来なかった。

治

だから、殺された…という、訳だね。

桜子

…っ、先生は何も悪いことはしてない。

乱歩

桜子ちゃん、良いことを教えてあげようか？

桜子

なに？良いことって…

乱歩

直に君の仲間が来るよ。君も含めて六人の特殊隊、「風殺」だっけ？

桜子

本当に何でも知ってるんだ…

乱歩

まぁね！それで、桜子ちゃん、君はこれから…

桜子

お邪魔します。

治

ど、どうぞ…

乱歩

君にはこれから、太宰の部屋で暮らしてもらう。いい？

桜子

うん…私は。

治

え"、あの…乱歩さん？

乱歩

なに～？異論は認めないけど？

治

いくらなんでも私の部屋は…

独歩

そうです！乱歩さん！太宰なら、羽衣に手を出すかもしれません！

治

一寸、国木田くん？！

晶子

確かに太宰ならあり得る話しかも知れないねぇ。

治

与謝野先生？！

江戸川さんの話しに皆、異論があるようだった。私は別に誰でも良いが…

晶子

妾の部屋の方が良いんじゃないかい？

独歩

俺もそう思います、与謝野先生なら同じ女性だから話しもしやすいでしょう。

ナオミ

なんなら、ナオミはどうです？桜子さんともっと仲良くなりたいですわ！

潤一郎

え、ナオミ…僕の意見は…

ナオミ

兄様は嫌ですの？桜子さんと私が一緒にいるのは。

潤一郎

そういう訳じゃ…

鏡花

私も桜子と一緒がいい。

敦

きょ、鏡花ちゃん？！

鏡花

大丈夫、ちゃんとご飯を作る。

賢治

僕でも構いませんよ！

段々と話が山に乗り掛かったとき

乱歩

異論は認めない！僕が言ったらそうなの！それに、桜子ちゃんを助けたのは太宰だ。太宰が責任を持つことだな。

治

分かりました。自信はないですが…

乱歩

まぁ、お前なら何とかなるだろう？それに

この役目はお前が一番、適任だ。

治

ごめんね…大分、散らかっているから。

桜子

大丈夫、私は気にしないから。

太宰さんの部屋は色々とものが置かれてあった。例えば、日本酒の瓶や日本酒の瓶や日本酒の瓶。

桜子

…お酒とか好きなの？蟹も。

治

まぁ…好む方かな？

桜子

そうなんだ…晩御飯、何がいい？

治

え、桜子ちゃんが作るのかい？私が作ろうとしたのだけど…

桜子

お世話になるからご飯くらいは私が作る。それに、料理なら出来る。

治

へぇ、凄いね。習ったのかい？

桜子

違う、先生が渡してくれた調理本。興味があったから読んだ。

治

そうなのだね…桜子ちゃんはさ。

桜子

？なに？

台所に向かおうとすると太宰さんに名前を呼ばれた。

治

その先生という人って、どんな存在だったの？

桜子

…私にとっては灰色の世界で唯一、色がある人。私の光だった。

治

そう、分かった。教えてくれて、ありがとう。

桜子

うん。

治

それと因みに私は冷蔵庫にはお酒と蟹缶と卵しかないけど、作れそう？

桜子

……多分。

ちゃぷん

桜子

はぁ…温かい…

治

桜子ちゃん、大丈夫かい？暑いとか寒いとかない？

桜子

うん…ない。ありがとう

浴槽の使い方が分からなくて太宰さんにしてもらい、私は温かいお湯に浸かっている。

桜子

(…やっぱり、何処と無く先生に似てる気がする。だから…見る度に悲しい。)

治

桜子ちゃん着替えは外に置いておくよ。

桜子

分かった。

ああいう些細なところが、先生に似てるというか…

桜子

(けれど…太宰さんの色は何故か寂しそう)

○o。.○o。.ブクブク…

桜子

っ！けほっ、けほっ…！

治

桜子ちゃん？！大丈夫かい？！

桜子

う、う…ん、けほっ…！

ガタッ

治

って、な、何で出てくるの？！

桜子

え…もう良いし…

治

なら、せめてタオルを体に巻き給え！

桜子

動きにくい…嫌だ…

治

私が犯罪者になってしまうのだよ！！

桜子

？？

浴槽の水を抜いてそのまま、出ると太宰さんは慌ててタオルを渡した。

桜子

…私、悪いことしてないよ？

治

はぁ、君ね…

治

分かったかい？桜子ちゃんは私や他の男性の前では、あんな風に体を見せちゃ駄目だよ？

桜子

…なんで、裸じゃ駄目なの？

治

裸は本来、見せ合うものではないから。

桜子

でも…他の皆とは見せてた。

治

それは、同じ女性だろう？

着替えて頭を乾かしてもらってから、私は太宰さんに説教？というものを受けていた。

治

それに、例え異性に見せるとしても、その…好きな人同士で…

桜子

私、太宰さんは嫌いじゃない。だから、見せても良いと思います。

治

兎に角、駄目だよ。わかった？

桜子

…分かった。

治

ん、じゃあ寝ようか。おやすみ。

桜子

え、あ、おやすみ…

そう言って太宰さんが電気を消すと辺りが暗くなった。何故かそれが怖い。灰色の世界に戻ったような感覚だった。

桜子

…っ、あ、あね…だざ、さ…

治

どうしたんだい、桜子ちゃん。

桜子

一緒に、寝たい…怖い。

治

…良いよ、おいで。

太宰さんが自分の布団をポンポンと叩き私を誘導した。私はその中に入り、温もりに抱きつく。

治

桜子ちゃん、こんなこと他の人にはやっちゃ駄目だよ。

桜子

なんで？

治

男は皆、危ないから。勘違いされてしまうよ。

桜子

…分かった。

安心して目を瞑る。側にいる暖かい色がとても心地よかった。

歌大好き(作者)

少し、長くなりましたね。では、また次のお話でお会いしましょう！

桜子

バイバイ

歌大好き(作者)

バイバイ！

色のない灰色の世界～色彩を見つけた～

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

歌大好き

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

色のない灰色の世界～色彩を見つけた～

第2話 - 暖かい色

作者の他の作品すべて見る

#文豪ストレイドッグスの新着小説
一覧

関連するタグ

色のない灰色の世界～色彩を見つけた～

第2話 - 暖かい色

作者の他の作品すべて見る

#文豪ストレイドッグスの新着小説一覧

関連するタグ

#文豪ストレイドッグスの新着小説
一覧