TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

ATTENTION •死ネタ •青赫、微青桃 大分意味不です。 nmmnを知らない方はお引取り下さい。

もうほんとに… 熱の中書いた上に時間無さすぎてカットしまくってるので急展開ですごめんなさい🙏😭 なんでこういう胸糞しか書けないんだろう…

もうここまで進行したら、治す術が無い。

…自分の未来が絶たれるその言葉を、 どこか他人事の様に聞いていた。

…そう、ですか。

唯一の心残りは、君だろうか。

宣告の翌日。

窓際のベッド。 季節の移ろいがよく分かるこの場所に、 一体どのくらいいるのだろう。

…、はぁ。

「もって、2年。」 昨日の非現実的な言葉が、 頭の中でぐるぐると回る。

信じられないよねぇ、あんな宣告なんて。

2年、とか。

ちょっと入院するだけで治ります。 …そう言ったのは一体誰なんだよ。

ただの体調不良だと、思ってたのに。

なんでだよッッ……

信じられない。 信じたく無い。

…なんでだよ…ッッ"……‼︎

やり場のない怒りがぐるぐると疼き、 零れ落ちる。

…ふざけんな…っ…

普通より白い自分の手に、 透明な雫が一滴、落ちた。

夕方。

ガラ、と病室の扉が開き 恋人が顔を覗かせる。

りうらー、来たでー。

…まろ。

…ん…りうら、目腫れとるよ?

あー…

誤魔化せなかったか。 まぁ、ついさっきまで泣いていたのだから仕方ないだろう。

…ちょっと、ぶつけてさ、笑

口角を上げ、 元々考えていた台詞を言う。

ふぅ…ん、

…ってかさ、まろ聞いてよ!

疑わしげに眉を上げる恋人に、 無理矢理明るい声で言葉を放つ。

りうら、退院できるってさ。

…残りの人生は好きなように、過ごして下さい。 そう言われたから。

、ほんまに!?

そ!だからさ、まろと色んなとこいけるよ?

…良かった、元気になったんやね。

…そ、だね。

本当に良かった、と安堵する彼を見ると、 じくり、と胸の奥が疼く。

…ごめんね、心配かけて。

んーん、りうらと過ごせるなら俺はもう十分。

…嬉しいで、ほんまに。

…ありがとう。

…ごめんね。 君には、隠さなきゃ。

退院の日。

…くれぐれも、無理だけはしないように。

ストレスが溜まれば溜まるだけ、進行は早くなります。

…はい。

なるべく1ヶ月に一回は、通院して頂く方が安全なのですが…。

いえ。…最後ぐらい、好きなように。

俺が消えるとしても、
彼に最高の思い出を残したいんです。

……そう、ですか。

少し悲しそうな表情を見せる担当医師。 …全ての医師に見放された俺のことも、 この人だけは必死で治療法を模索してくれた。

…楽しんで来てくださいね。

…ありがとうございます。

彼に手渡された花束。 チョコレートコスモスと、 サルビアの花が揺れていた。

チョコレートコスモス…
恋の終わり、ですか。

…退院する人に送るものですか…?笑

…そうですね。

チョコレートコスモス。
花言葉は「恋の終わり」。

あと一つ、「恋の思い出」
っていうのもあってね。

…いい思い出、作ってきてね。

…はい。
お世話に、なりました。

“いってらっしゃい”。

優しく微笑み、 そう言った。

…行ってきます。
先生。

青 side.

医師と離れて、 玄関へと向かうりうらを遠くから見守る。

…ごめんな、りうら。
もうちょっとだけ、待っといて。

早く、あいつのところへ行きたい。 ただ、どうしても確認しておきたいことがあった。

りうらを見送る医師に、声をかける。

…ないこ。

…はい?

ん…、まろか。どしたの?復帰したくなった?

んなわけないやん…w

恋人の担当医にして、 俺の“元”同僚。 今でも、たまに連絡を取り合う間柄だ。

…いふ先生、人気だったのにね。

なんで辞めちゃったかなぁ…。

…知っとるやろ、そんな事。

あは、確かに。

へら、と軽そうな笑みを浮かべながら、 ふとりうらの去った方を見るないこ。

行かないでいいの?
退院祝い、楽しみにしてたよ。

…その事について、話に来たんや。

…俺は“元”脳外科医やで。
あの病気が治るわけないのは分かってる。

…あぁ、そう。
やっぱ、気付いてるのか。

流石、りうらの“元”担当医さん。

薄っぺらい、貼り付けた笑みを落とし、 こちらに向き直る。

…じゃあ、単刀直入に言うけど。

…まず、俺はりうらに違う病名を伝えてる。

はぁ…?

りうらには、「2年後に死ぬ」病気って伝えてる。

どういうこと、やねん。

りうらは、 「3年に一度、記憶を全て失う」 特殊な記憶喪失だ。

文字通り、全てを失う。 それまでに見てきた事、物。 楽しかった思い出。 日常生活に必要な常識でさえ、 ほとんど抜け落ちてしまう。

…発病したのは、りうらが15の時。 それからずっと、何年も。

3年前。 りうらが19の時から2年間。 俺はりうらの担当医として働いていた。 …親に見捨てられた、 厄介者の患者であるりうらの。

…そして、1年前。 りうらはまた記憶を失い、 …俺は医者を辞めた。

…それを、なんでそんな風に伝える必要があるんよ。

……可哀想、なんだよ。

何言っとるん、

肉体は生き続けるのに、
精神は死ぬ。

それがどれだけ怖い事か、
俺らには分からない。

…だから、俺は…

…いくらなんでも、
お前がやっていることは…っ

医者として終わってることくらい分かってるよ…っ!!!

…でも…。
もし、最初から話すとして。

りうらを捨てた両親のことは何て説明するの?

これまでの記憶喪失のことは?
未来のことは?

それは…っっ!

幸いと言うべきか、りうらの病気は動けなくなるわけじゃないからね。

あの病気は少しずつ、脳の一部を蝕んでいく。
…でも、しばらくは生活に支障はないよ。

…退院の代償はデカいんやで!?

あいつの病気は、

…あと一年後には、少しずつ生活に必要な記憶も無くなってくる。

分かってるはずやろ…!?

…じゃあ、どうすればいいんだよ…。

悔しげに俯く彼は 医者として、ではなく。 1人の人間として、りうらの事を見ているんだな。 そう感じた。

じゃあ、と俺は口を開く。

…取り敢えず、本当の病気をりうらに話そう。

は…!?お前、俺の話…

聴いてたよ。聞いてた。

…でもな。
お前はこれまで見てきて、あいつが本当に弱いやつやと思うん?

それ…は、

俺は一個前のリセットからしか
あいつの事は知らんよ。

でもな。

ここで、 ずっと疑っていた事を聞き出す。

…お前、りうらの実兄やろ。

少し焦ったように眉を上げる。

…なんで知ってんの?

お、まじ?
かまかけのつもりやってんけど。

そんな睨まんとってやー…
ただの直感やって。

まぁ、こっそりDNA検査したんだけど… なんて言ったら今度こそ目力で殺されそうなので 辞めておく。

ないこ、明らかに他の患者と扱い違ったし。

そもそも、なんで親に見捨てられたあいつが
こんな大病院に入院できとんの?

…募金とかじゃないの?
あるでしょ、そういうの。

ここまで来て隠すつもりなのか。 弟と似て強情なやつだな。

俺が辞めた後、
自分から望んでりうらの担当医になったのも知ってる。

それに、りうらの持ち物にある緊急連絡先。
あれはないこの携帯番号や。

………はぁ。

諦めたように息を吐く。

凄いね。そこまで調べてるんだ。

そうだよ。俺はりうらの実の兄。
つまり、まろの義兄。

義兄は余計な情報や…。

…まあ、俺はりうらの実兄だよ。
だからあいつが強い奴ってことも知ってる。

なら、正直に伝えてもええんちゃうん?

違うよ。
…あいつは強い。でも、あいつはそれと同じくらい弱いやつだ。

……

他人を信用できない。自分で抱え込む。

実際、余命宣告されてるというのに
それをまろには隠そうとしてる。

それは…

…弱いんだ。弱い奴なんだよ。

…辛そうに目を伏せる彼。 やるせなさが、全身から溢れ出ている。

俺が、変わってやれたら良かった。

……何も、言えなかった。

赤 side

…俺は、2年後死ぬ。 だから、最後の一年半はまろと過ごす。

…後は、姿を隠して死んでやる。

病院着いた、とまろから連絡が来て30分。

…遅い。

…入り口で待っとけって言ったのに…。

中に入ったのか、と思い後ろを振り返る。 と、タイミングよく後ろに現れる。

…ごめん、遅れた。

…遅い。

…迷っちゃってん…

入り口で待っといてって言ったじゃん。

…いや、ちょっと…な。

気不味そうに顔を背けるまろ。 その視線の先に、

俺が呼んだんだよ。

…先生…?

こんにちは。30分ぶり。

ひょこ、とまろの後ろから顔を出す先生。 少し嫌な予感がする。

…先生、余計なこと言ってませんよね?

…どこまでが余計な事、か分かんないけど…。

てへ、と舌を見せる先生。

りうらの生活に必要な情報は、おおかた伝えといたよ?

……先生…。

…まろには、言わないでって言いましたよね?

…だって……
余命宣告されてる患者さんの家族には伝えないといけないっていう決まりなんだもん…

目逸らさないで、先生。

心の中で、軽く舌打ちをする。

これじゃ、 まろに迷惑をかける。

何をどこまで聞いたの?

…お前の余命があと2年。
そう聞かされてるってとこまで。

…はぁ…。

全部聞いてるじゃん。 有り得ない。

…で?どう思った?

…りうらは、そんな病気じゃない。

…はぁ…?

…りうらは、余命なんか無い。

自信満々な顔でそう告げる 彼に混乱する。

…何、言ってんの…?

ちょ、まろ…!

焦ったようにまろの口を覆おうとする先生。 …まろより背が低い彼は、すぐ払われる。

言わない約束だったでしょ…!?

言わない約束…?

分からない。 何故、医者と患者引取人がこんなにも親密なのか。

伝えた方が…俺は…っ!

まろのことは関係ない!俺はりうらを昔から知ってる…!

昔から? 人間関係があるのは、一年前からのまろだけだ。

自分にこれから起こることくらい、ちゃんと伝えた方がええやろ!?

耐えられるわけ無い!まだ22だよ!?

…俺は、22歳じゃない。 …誕生日なんて、ここ数年あげた覚えがない。

俺はりうらの元担当医や…!

まろが元担当医なんて、知らない。 俺の担当医はずっとないこ先生だ。

俺はりうらの兄だ……ッッ!!

兄なんていない。 そもそも家族なんて、記憶に無い。

……ねぇ、何言ってんの…?

怖い。 自分の知らない自分の過去が、 掘り起こされている気がする。

なに…?

俺は、 …“りうら”の名前しか記憶が無い。 気付いたら病院だった。

…なん、で?

…記憶がないのは何故? …俺は、何歳だ?

なに、怖いよ…
なんなの…?

一番手近にいた、まろの袖を引っ張る。

…りうら。

やめて。 なんでそんな、りうらより辛そうな顔をしているの?

りうら。

言わないで。 言わないで。 言わないで。

俺を、おかしくしないで。

…まろの口が開く。 声が出る。

お前はさ、「3年に一回、全ての記憶を無くす」病気なんよ。

まろッッ!!!

…まろの言葉の意味を理解するより早く 先生の叫びが響き渡る。

黙れッッ!義兄さんは関係ないッッ!!
これは恋人問題や…!

『義兄さん』 そう聞いた瞬間、 先生の手が緩む。

…まろ、

…俺が伝える。
ごめんな。

…怖い。怖い。怖い。怖い。

自分の知らない、 自分のお話。

りうら。

…な、に…?

…りうら、お前は今何歳?

…俺は、…俺は…

分からない。 何も。

…何歳、だっけ…?

知りたくなくて目を逸らしてた事が、 はっきりと頭に入ってくる。

…俺、自分の年齢……、分かんない…っ

…りうら……

…りうらは、今22。

…これまでに、3回記憶を失ってる。

3回分、人生をやり直してるんだよ。

怖い。 怖い。 何、それ。

…そして、2年後。
りうらはまた、記憶を無くす。

知らない。 分からない。

そんなの、知らないよ…っ!!

青 side.

りうら…っ!

悲鳴のような声を上げ 崩れ落ちるりうらを慌てて支える。

…俺は、…違う…っ!

りうら。

うるさい、うるさい…っっ!!

どん、と体に衝撃が走る。

っわ……

押された。 そう理解する直前に床に手を付く。

…まだ受け身くらい、取れるだろ。

は、

…世界が、回った。

桃 side.

まろ!!

まずい、思いっきりひっくり返った。 …頭は打ってないのか…?

ってぇ…っ…

…動かないで。
頭は打ってない?

もし頭を打っていたら、まろは… …なんて恐ろしいことを頭から追いやる。

打ってない、筈や。

筈?
…そんな曖昧に返していいの?

医者は憶測でものを言わない。
それに、まろのそれは…

…俺の、何が何やって?

冷ややかな視線。

っ……

…それ以上言うな。
言ったはずやろ?

…もし、このストーリーの結末が 決まっているものだとしたら。

この歪な恋人達は、 どうなっているのだろうか。

っ、あ…まろ、?

気不味い沈黙を破ったのは、 泣きそうな顔をした俺の弟。

…だいじょう、ぶ……?おれ、まろを…

ん?
…ああ、俺は全然大丈夫。

…それより、ごめんな。
いきなり記憶が無くなるって言われて混乱したよな?

…テンプレ、みたいな展開。 でもこいつらのソレは、歪な形をしている。

記憶がなくなるかなんて関係ない。
りうらがいればいいんだよ。

…今回で、俺が終わりにしてあげる。
お前が絶対忘れられないような、最高の2年にしてやるからさ。

まろ…、

…俺に、着いてきて。

…そんな奇跡が起こるわけ無い。 実際、まろ自身も言ったじゃ無いか。

治るわけ無い。 お前の病気はもう治らないんだよ、りうら。

お前はずっと、 記憶が無くなり続けるんだよ。

…幸せに、してあげるから。

お前もだよ、まろ。 気付いているくせに。 なんで、りうらを傷つけるような真似をするんだ。

余命があるのは、お前の方なんだよ。

もうそこまで進行したら、 治す術はもうないんだ。

…歪なんだ。お前らは。

青 side.

りうら。
お前は、俺が絶対に幸せにするから。

…っ、うん…っ

我ながらなんて無責任な事を、と思う。

結局、俺が死ぬ未来は避けられない。 俺は、3年後にはもういない。

…帰ろう、りうら。

…でも、このままだったら。 俺が死ぬのは、りうらが記憶を失ってからだ。

家に、帰ろう。

…!うんっ!

…お前は、一年半で俺の前から消えようとしてたんだろ。 迷惑を掛けたがらない奴だから。

俺はさ。 お前の記憶が生まれ変わるまで、 ここにいるから。

…嗚呼、歪だよ。 だけど、それがどうした? 記憶に残らない死別。 誰も不幸なんかじゃ無い。 後味が良くて、 世界で一番美しい物語だ。

数ヶ月後。

んねー、まろー?
そろそろ…いい?

んー?何をそんなソワソワしてんの?

肌着の上からカーディガンを羽織る俺の彼女。 露出の多いその格好。 気を抜いたら、そのまま押し倒しているだろう。

ちゃんと言葉で、ね?

〜〜ッッ…ぅ"~… /

ふはっw
そんな威嚇せんとってやw

…ぅう、…わ、わん…ッッ!!…っ…/

…?w

いきなり犬化するりうら。

なんだこいつ、かわいいな。

どーしたの、りうら?w

ここまでやってまだ…ッッ!!

俺からしたら、ただの犬がいるだけだからなぁ。

っっ、あーもうっ!!

いきなり視界が赤に染まる。 刹那、首筋に走る少しの痛み。

…りうら、?

俺は、まろのペットです…ッッ!!//

…ご主人様を噛んじゃったわるーいりうらに、
お仕置きして下さい…っ♡

…ったく、どっからそんなの覚えてきたんだか…w

いーよ、満足いくまで躾けてあげる…♡

はいっ…♡

夜の営みも。

全て愛してた。

…りうら?

ひ、ぅ…?♡

ぅ……っ…♡

ぁは、かーわい…♡

焦点の合わない涙目。蕩けた顔。 どちらのものか分からない白濁。

そのエロさ。 全てが俺の興奮材料。

…本当に、可愛い。

っ、んへ……ッッ、♡♡

まろ、好き…っ♡

ふふ、俺も好き。

こいつを置いて逝けないな、なんて思う。

心なしか痛む頭を、 自分でそっと抑えつけた。

約一年後。

出先のデパート。 どーせ記憶無くすんだったら散財しても気にならないじゃん。 と言うことで引っ張ってこられた。

この一年で病気に対する気持ちが変化したのは、 大人になっただけなのか。それとも。

なんて考えながら歩いてた時。

結局さー、まろって何で医者辞めちゃったの?

っあー…

やっときたか、この質問。

…今更…?w

…最近久しぶりにないくんに言われて……あっ

ないこ〜…?

ほぼ絶縁状態の同僚。 何回か不在着信があったが、 どうせ定期検診に来い、 とでも言う内容だろう。

故に、ほぼ連絡をとっていない。 …が、流石に実の弟には連絡を取っていたようだ。

や、浮気じゃなくて…!
お兄ちゃんだって言うから、

ふぅー…ん。

ま、 毎回の豊富なおねだりはおおかたあいつからの情報だろう。

…ふは、感謝してるって伝えといてや。

…はぁ…?

おねだり、ないこの入れ知恵やろ?w

~~~ッッ!!/ばーか!あほ!!//

ばかばか!!うーーーっ!!/

痛い痛いww

ぽかぽかと殴ってくるこいつの、 言い表せない程の可愛さ。

いつまでも見つめてたいな、 なんて思うが。 流石に痛くなってきたのでやめてもらう。

…そんな強く殴って無いんだけど…。

…じゃなくて!!医者辞めた理由!教えてよ。

ないこに聞けばええんちゃうん?

ないくんは本人に聞けって教えてくれなかったの!

…あいつ、頑固やな…。

…辞めた理由は、単純に病気。 …余命付きの病気だ。

…そんなこと馬鹿正直に伝えたら、 こいつはきっと俺を許さない。 病院に連れて行かれる。

正直に言ってよ。
何でやめたの?

…でも多分、薄々気づいているのだろう。

…そうやなぁ…。

…目が見えづらくなったから、かな。

これはうそじゃない。 実際、症状として出てきている。

繊細な…手術とかやな、そう言う作業が出来んくなってんよ。

…今も、って事?

おん。
ま、今は大分マシやで。

…嘘。 本当は、りうらの顔が見れないほど。

だから、心配せんでも大丈夫。

…ふぅ、ん。

…今君は、疑うような表情をしているのかな。

あ、ほら!
あそこの店で休憩せん?俺ちょっと疲れたわ。

ん…?あ、あそこのカフェ?
いいよ、いこいこ!

…そっと、マップが表示されたスマホをしまう。

今いる場所も、もう見えないんだ。

…更に、半年後。 赤 side.

…ないくん。
やっぱりまろ、おかしいよ。

んー…?

定期検診中、ないくんにぼそっと漏らす。

だから!
最近まろがおかしいんだって。

目が見えないっぽいの。
それに、頭もよく押さえてるし。

…声をかけても、反応が鈍いの。
体力も、もう…。

んー……んん…?

…っ!!
ねえ、聞いてるの!?

コンピュータと睨めっこばかりしているこいつに怒りが募る。

…りうら。

やっと目が合った。 ここぞとばかりに言い募る。

俺は!もういいんだって!!

まろを診てよっっ!!

…俺とは裏腹に、落ち着いた目をしている彼。

…りうら。
俺はね、りうらの兄なんだよ。

りうらが一番、大事なんだ。

…俺は、まろを愛してる。

ないくんの言う“弟”が一番大事にしているのは、
ないくんの同僚だ。

っ……

…俺にとって、ないくんは兄じゃない。 記憶なんか無い。

一番大事にしているのは、恋人であるまろだ。

まろを、診て。

……無理、だよ。

なんで…

もう手遅れだッッ!!!

狂ったように、テーブルが揺れる。

ないくんが蹴飛ばしたのだ、 と気付くまでに数コマ遅れる。

手遅れって…

アイツは…まろは、もう助からない。

俺が、あいつを診たんだよ!!
あいつが医者を辞めたのはそれが原因だッッ…!!

は、

今聞いた症状じゃ、あいつはもう末期。

まろはもう直ぐ死ぬんだよッッ!!!

何? …ねえ、今なんて言った?

死ぬ…って、

…死ぬ。
もう時間が無いんだよ。

だから、あいつとの時間を…ッッ

なんで?

え…?

ねぇ、何で俺には教えてくれなかったの…ッッ⁉︎

そうやって、大事な事を2人で俺に隠してッ‼︎

りうら…っ

俺は記憶が無くなる、可哀想な人だから?

だから、教えないでいいって思ったの!?

違う…!俺らは、

うるさい。 黙れ。 死を正当化する言い訳なんか、聞きたく無い。

それでまろが死んだら。

俺は一生、2人を許さない。

今すぐまろを、入院させて。

数分後。 桃 side.

…まろ、

…三年。 見繕っていた余命が、まさかここまで縮まるなんて。

…りうらより先に、いかないで。

俺をひとりにしないでよ。

震える手で電話をかける。

弟を失って。
親も失って。
…親友も、失えって言うの?

義弟まで、親友まで居なくなったら、俺は…
俺は、どうしたらいいの?

…りうらから聞く限り、 あいつはもう長く無い。

…もう倒れていてもおかしく無い。

…出てよ、ねぇ…

…もしもし?

…!まろ、やっと…

約一年半ぶりの声。 ずっと無視されてきた連絡。 それが、今になって実った気がする。

…でも、次の一言。

ないこ。
俺は、検査には行かんよ。

なんで、

まろはもう末期なんだよ!?
りうらが記憶を失うまで持たない…

そんぐらいわかっとるよ。

じゃあなんで!?

…もし、さ。

優しい声で彼は言う。

忘れられないくらいの悲しみを負ったら。
りうらの病気が、治るかもしれんやん?

んなわけ…っ

…それでええんよ。
俺は、腐ってもりうらの主治医。

…それに、俺はりうらの恋人や。

…そんな、

医者は奇跡なんて信じない。 …少なくとも、俺はそうだ。

…でも、お前の1番のりうらは、

お前が病院に来る事を望んでる…よ、

…そ、か。

だから…!!

迷ったような声。 今、押したら行ける。 そう思った時。

やば、

っ…

焦ったようなまろの声。 がたんっ、という大きな音。 …荒い息音。

まろ…?

っ、ぁ…ふ、w

ないこ、…

なに?…なに!?ねえ、

…辛い、かも…w

…何でみんな、 俺だけを残して行ってしまうんだろう。

…数刻後。

俺へのメッセージの直後、途切れた通話。 …直ぐに、救急車を出した。

直ぐに家に着いた、筈だった。 だった、のに。

…鍵のかかった自分の部屋で、倒れた状態だったらしい。

…わざと、なのか。 それとも、意図せずなのか。

壊しにくい形状だった鍵。 それに手間取り、

…まろ……っ?

…彼は消えた。

…りうらは、

…ショックで、一次的な記憶喪失。 病気では無い。 ただ、今は何も理解できていない。

…頑固。意地っ張り。

…こんな結末、誰も望んで無いでしょう…?

…数ヶ月後。

…初めまして、りうらさん。
担当医のないこです。

はじめ、まして。

…結局。 クソみたいな時間だった。

ちょっとずつ、記憶を戻して行きましょうね。

…記憶…?

あの後。 一週間程で記憶を取り戻したりうらは、そのまま入院。

昨日に至るまで無気力に生き続けていた。

そして、昨日。 …リセットの日。

以前と何も変わらなかった。 まろの死への悲しみは、結局りうらの何にもならなかった。

…無駄死、だよ。

ポツリと呟く。

…無駄死…?

…ごめんなさい。
独り言、です。

…検査しに行きましょう?

…綺麗な恋愛なんて、 結局存在しない。

花束を抱えられるラストは、 俺らのストーリーには似合わなかったんだ。

…何か、覚えている事はありますか?

覚えていること…ですか?

そう。
何でもいいんです。些細なことでも。

毎度お馴染みの質問。 これを何回繰り返したことか。

…これまでに返ってきたのは、名前くらいだ。

…俺は、りうら…で、

…うん。

これだけ。 のはずだった。

…色は、…青色が好きです。

…!

…あと、お兄ちゃんが…いた、気がします。

…そっか。
他には、なんかある?

…趣味は、お洒落をすること…かな…?

ふふ…w
可愛いですね。

いつもとは少し違う回答。 それがまろの意図したものかはわからない。 …けど。

万に一つくらい、 奇跡に賭けてみてもいいのかもしれない。

   …終幕。

雪名

おおおおあああセーフ!!
ほんっとにごめんなさい!!

雪名

いやああああ意味不明すぎる…w
もっと書きたかった…本当に…もっと詳しく…

雪名

ころちゃん、こんな滑り込みになっちゃってごめんなさい…
ずっと出す出す言ってこんな長くなって…読みにくかったらもう本当に申し訳無いです…

雪名

本当は!もっと!感動させるつもりでした!!申し訳ございません!!

雪名

はい…。
また次回お会いしましょう…!

ころちゃんフォロワー様600人突破おめでとう🎉 こんなとこからごめんなさい…!

エンドロールにハナタバを

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,539

コメント

4

ユーザー

待って! 青赤ってこんな良かったの⁉️ まじで、好きなんだけど、1番こういうの好きかもえっ、ほんとに好き 雪名ちゃんの作品の中で1番好き!!! なんか儚すぎる青赤展開が急なのめっちゃいい、なんかすごい性癖刺さったかも医者パロ天才じゃない? 本当に好きすぎてどうしようがち好き過ぎる!!! なんかまたこういう系の話待ってる!!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚