ATTENTION •死ネタ •青赫、微青桃 大分意味不です。 nmmnを知らない方はお引取り下さい。
もうほんとに… 熱の中書いた上に時間無さすぎてカットしまくってるので急展開ですごめんなさい🙏😭 なんでこういう胸糞しか書けないんだろう…
もうここまで進行したら、治す術が無い。
…自分の未来が絶たれるその言葉を、 どこか他人事の様に聞いていた。
?
唯一の心残りは、君だろうか。
宣告の翌日。
窓際のベッド。 季節の移ろいがよく分かるこの場所に、 一体どのくらいいるのだろう。
赫
「もって、2年。」 昨日の非現実的な言葉が、 頭の中でぐるぐると回る。
赫
赫
ちょっと入院するだけで治ります。 …そう言ったのは一体誰なんだよ。
ただの体調不良だと、思ってたのに。
赫
信じられない。 信じたく無い。
赫
やり場のない怒りがぐるぐると疼き、 零れ落ちる。
赫
普通より白い自分の手に、 透明な雫が一滴、落ちた。
夕方。
ガラ、と病室の扉が開き 恋人が顔を覗かせる。
青
赫
青
赫
誤魔化せなかったか。 まぁ、ついさっきまで泣いていたのだから仕方ないだろう。
赫
口角を上げ、 元々考えていた台詞を言う。
青
赫
疑わしげに眉を上げる恋人に、 無理矢理明るい声で言葉を放つ。
赫
…残りの人生は好きなように、過ごして下さい。 そう言われたから。
青
赫
青
赫
本当に良かった、と安堵する彼を見ると、 じくり、と胸の奥が疼く。
赫
青
青
赫
…ごめんね。 君には、隠さなきゃ。
退院の日。
?
?
赫
?
赫
赫
彼に最高の思い出を残したいんです。
?
少し悲しそうな表情を見せる担当医師。 …全ての医師に見放された俺のことも、 この人だけは必死で治療法を模索してくれた。
?
赫
彼に手渡された花束。 チョコレートコスモスと、 サルビアの花が揺れていた。
赫
恋の終わり、ですか。
赫
?
?
花言葉は「恋の終わり」。
?
っていうのもあってね。
赫
?
赫
お世話に、なりました。
?
優しく微笑み、 そう言った。
赫
先生。
青 side.
青
医師と離れて、 玄関へと向かうりうらを遠くから見守る。
青
もうちょっとだけ、待っといて。
早く、あいつのところへ行きたい。 ただ、どうしても確認しておきたいことがあった。
りうらを見送る医師に、声をかける。
青
?
桃
青
恋人の担当医にして、 俺の“元”同僚。 今でも、たまに連絡を取り合う間柄だ。
桃
桃
青
桃
へら、と軽そうな笑みを浮かべながら、 ふとりうらの去った方を見るないこ。
桃
退院祝い、楽しみにしてたよ。
青
青
あの病気が治るわけないのは分かってる。
桃
やっぱ、気付いてるのか。
桃
薄っぺらい、貼り付けた笑みを落とし、 こちらに向き直る。
桃
桃
青
桃
青
りうらは、 「3年に一度、記憶を全て失う」 特殊な記憶喪失だ。
文字通り、全てを失う。 それまでに見てきた事、物。 楽しかった思い出。 日常生活に必要な常識でさえ、 ほとんど抜け落ちてしまう。
…発病したのは、りうらが15の時。 それからずっと、何年も。
3年前。 りうらが19の時から2年間。 俺はりうらの担当医として働いていた。 …親に見捨てられた、 厄介者の患者であるりうらの。
…そして、1年前。 りうらはまた記憶を失い、 …俺は医者を辞めた。
青
桃
青
桃
精神は死ぬ。
桃
俺らには分からない。
桃
青
お前がやっていることは…っ
桃
桃
もし、最初から話すとして。
桃
桃
未来のことは?
青
桃
桃
…でも、しばらくは生活に支障はないよ。
青
青
青
青
桃
悔しげに俯く彼は 医者として、ではなく。 1人の人間として、りうらの事を見ているんだな。 そう感じた。
じゃあ、と俺は口を開く。
青
桃
青
青
お前はこれまで見てきて、あいつが本当に弱いやつやと思うん?
桃
青
あいつの事は知らんよ。
青
ここで、 ずっと疑っていた事を聞き出す。
青
少し焦ったように眉を上げる。
桃
青
かまかけのつもりやってんけど。
桃
青
ただの直感やって。
まぁ、こっそりDNA検査したんだけど… なんて言ったら今度こそ目力で殺されそうなので 辞めておく。
青
青
こんな大病院に入院できとんの?
桃
あるでしょ、そういうの。
ここまで来て隠すつもりなのか。 弟と似て強情なやつだな。
青
自分から望んでりうらの担当医になったのも知ってる。
青
あれはないこの携帯番号や。
桃
諦めたように息を吐く。
桃
桃
つまり、まろの義兄。
青
桃
だからあいつが強い奴ってことも知ってる。
青
桃
…あいつは強い。でも、あいつはそれと同じくらい弱いやつだ。
青
桃
桃
それをまろには隠そうとしてる。
青
桃
…辛そうに目を伏せる彼。 やるせなさが、全身から溢れ出ている。
桃
……何も、言えなかった。
赤 side
…俺は、2年後死ぬ。 だから、最後の一年半はまろと過ごす。
…後は、姿を隠して死んでやる。
病院着いた、とまろから連絡が来て30分。
赫
赫
中に入ったのか、と思い後ろを振り返る。 と、タイミングよく後ろに現れる。
青
赫
青
赫
青
気不味そうに顔を背けるまろ。 その視線の先に、
桃
赫
桃
ひょこ、とまろの後ろから顔を出す先生。 少し嫌な予感がする。
赫
桃
てへ、と舌を見せる先生。
桃
赫
赫
桃
余命宣告されてる患者さんの家族には伝えないといけないっていう決まりなんだもん…
赫
心の中で、軽く舌打ちをする。
これじゃ、 まろに迷惑をかける。
赫
青
そう聞かされてるってとこまで。
赫
全部聞いてるじゃん。 有り得ない。
赫
青
赫
青
自信満々な顔でそう告げる 彼に混乱する。
赫
桃
焦ったようにまろの口を覆おうとする先生。 …まろより背が低い彼は、すぐ払われる。
桃
赫
分からない。 何故、医者と患者引取人がこんなにも親密なのか。
青
桃
昔から? 人間関係があるのは、一年前からのまろだけだ。
青
桃
…俺は、22歳じゃない。 …誕生日なんて、ここ数年あげた覚えがない。
青
まろが元担当医なんて、知らない。 俺の担当医はずっとないこ先生だ。
桃
兄なんていない。 そもそも家族なんて、記憶に無い。
赫
怖い。 自分の知らない自分の過去が、 掘り起こされている気がする。
赫
俺は、 …“りうら”の名前しか記憶が無い。 気付いたら病院だった。
…なん、で?
…記憶がないのは何故? …俺は、何歳だ?
赫
なんなの…?
一番手近にいた、まろの袖を引っ張る。
青
やめて。 なんでそんな、りうらより辛そうな顔をしているの?
青
言わないで。 言わないで。 言わないで。
俺を、おかしくしないで。
…まろの口が開く。 声が出る。
青
桃
…まろの言葉の意味を理解するより早く 先生の叫びが響き渡る。
青
これは恋人問題や…!
『義兄さん』 そう聞いた瞬間、 先生の手が緩む。
桃
青
ごめんな。
…怖い。怖い。怖い。怖い。
自分の知らない、 自分のお話。
青
赫
青
赫
分からない。 何も。
赫
知りたくなくて目を逸らしてた事が、 はっきりと頭に入ってくる。
赫
青
桃
桃
桃
怖い。 怖い。 何、それ。
桃
りうらはまた、記憶を無くす。
知らない。 分からない。
赫
青 side.
青
悲鳴のような声を上げ 崩れ落ちるりうらを慌てて支える。
赫
青
赫
どん、と体に衝撃が走る。
青
押された。 そう理解する直前に床に手を付く。
…まだ受け身くらい、取れるだろ。
青
…世界が、回った。
桃 side.
桃
まずい、思いっきりひっくり返った。 …頭は打ってないのか…?
青
桃
頭は打ってない?
もし頭を打っていたら、まろは… …なんて恐ろしいことを頭から追いやる。
青
桃
…そんな曖昧に返していいの?
桃
それに、まろのそれは…
青
冷ややかな視線。
桃
青
言ったはずやろ?
…もし、このストーリーの結末が 決まっているものだとしたら。
この歪な恋人達は、 どうなっているのだろうか。
赫
気不味い沈黙を破ったのは、 泣きそうな顔をした俺の弟。
赫
青
…ああ、俺は全然大丈夫。
青
いきなり記憶が無くなるって言われて混乱したよな?
…テンプレ、みたいな展開。 でもこいつらのソレは、歪な形をしている。
青
りうらがいればいいんだよ。
青
お前が絶対忘れられないような、最高の2年にしてやるからさ。
赫
青
…そんな奇跡が起こるわけ無い。 実際、まろ自身も言ったじゃ無いか。
治るわけ無い。 お前の病気はもう治らないんだよ、りうら。
お前はずっと、 記憶が無くなり続けるんだよ。
青
お前もだよ、まろ。 気付いているくせに。 なんで、りうらを傷つけるような真似をするんだ。
余命があるのは、お前の方なんだよ。
もうそこまで進行したら、 治す術はもうないんだ。
…歪なんだ。お前らは。
青 side.
青
お前は、俺が絶対に幸せにするから。
赫
我ながらなんて無責任な事を、と思う。
結局、俺が死ぬ未来は避けられない。 俺は、3年後にはもういない。
青
…でも、このままだったら。 俺が死ぬのは、りうらが記憶を失ってからだ。
青
赫
…お前は、一年半で俺の前から消えようとしてたんだろ。 迷惑を掛けたがらない奴だから。
俺はさ。 お前の記憶が生まれ変わるまで、 ここにいるから。
…嗚呼、歪だよ。 だけど、それがどうした? 記憶に残らない死別。 誰も不幸なんかじゃ無い。 後味が良くて、 世界で一番美しい物語だ。
数ヶ月後。
赫
そろそろ…いい?
青
肌着の上からカーディガンを羽織る俺の彼女。 露出の多いその格好。 気を抜いたら、そのまま押し倒しているだろう。
青
赫
青
そんな威嚇せんとってやw
赫
青
いきなり犬化するりうら。
なんだこいつ、かわいいな。
青
赫
青
赫
いきなり視界が赤に染まる。 刹那、首筋に走る少しの痛み。
青
赫
赫
お仕置きして下さい…っ♡
青
青
赫
夜の営みも。
全て愛してた。
青
赫
赫
青
焦点の合わない涙目。蕩けた顔。 どちらのものか分からない白濁。
そのエロさ。 全てが俺の興奮材料。
青
赫
赫
青
こいつを置いて逝けないな、なんて思う。
心なしか痛む頭を、 自分でそっと抑えつけた。
約一年後。
出先のデパート。 どーせ記憶無くすんだったら散財しても気にならないじゃん。 と言うことで引っ張ってこられた。
この一年で病気に対する気持ちが変化したのは、 大人になっただけなのか。それとも。
なんて考えながら歩いてた時。
赫
青
やっときたか、この質問。
青
赫
青
ほぼ絶縁状態の同僚。 何回か不在着信があったが、 どうせ定期検診に来い、 とでも言う内容だろう。
故に、ほぼ連絡をとっていない。 …が、流石に実の弟には連絡を取っていたようだ。
赫
お兄ちゃんだって言うから、
青
ま、 毎回の豊富なおねだりはおおかたあいつからの情報だろう。
青
赫
青
赫
赫
青
ぽかぽかと殴ってくるこいつの、 言い表せない程の可愛さ。
いつまでも見つめてたいな、 なんて思うが。 流石に痛くなってきたのでやめてもらう。
赫
赫
青
赫
青
…辞めた理由は、単純に病気。 …余命付きの病気だ。
…そんなこと馬鹿正直に伝えたら、 こいつはきっと俺を許さない。 病院に連れて行かれる。
赫
何でやめたの?
…でも多分、薄々気づいているのだろう。
青
青
これはうそじゃない。 実際、症状として出てきている。
青
赫
青
ま、今は大分マシやで。
…嘘。 本当は、りうらの顔が見れないほど。
青
赫
…今君は、疑うような表情をしているのかな。
青
あそこの店で休憩せん?俺ちょっと疲れたわ。
赫
いいよ、いこいこ!
…そっと、マップが表示されたスマホをしまう。
今いる場所も、もう見えないんだ。
…更に、半年後。 赤 side.
赫
やっぱりまろ、おかしいよ。
桃
定期検診中、ないくんにぼそっと漏らす。
赫
最近まろがおかしいんだって。
赫
それに、頭もよく押さえてるし。
赫
体力も、もう…。
桃
赫
ねえ、聞いてるの!?
コンピュータと睨めっこばかりしているこいつに怒りが募る。
桃
やっと目が合った。 ここぞとばかりに言い募る。
赫
赫
…俺とは裏腹に、落ち着いた目をしている彼。
桃
俺はね、りうらの兄なんだよ。
桃
赫
赫
ないくんの同僚だ。
桃
…俺にとって、ないくんは兄じゃない。 記憶なんか無い。
一番大事にしているのは、恋人であるまろだ。
赫
桃
赫
桃
狂ったように、テーブルが揺れる。
ないくんが蹴飛ばしたのだ、 と気付くまでに数コマ遅れる。
赫
桃
桃
あいつが医者を辞めたのはそれが原因だッッ…!!
赫
桃
桃
何? …ねえ、今なんて言った?
赫
桃
もう時間が無いんだよ。
桃
赫
桃
赫
赫
桃
赫
赫
桃
うるさい。 黙れ。 死を正当化する言い訳なんか、聞きたく無い。
赫
赫
赫
数分後。 桃 side.
桃
…三年。 見繕っていた余命が、まさかここまで縮まるなんて。
桃
桃
震える手で電話をかける。
桃
親も失って。
…親友も、失えって言うの?
桃
俺は、どうしたらいいの?
…りうらから聞く限り、 あいつはもう長く無い。
…もう倒れていてもおかしく無い。
桃
青
桃
約一年半ぶりの声。 ずっと無視されてきた連絡。 それが、今になって実った気がする。
…でも、次の一言。
青
俺は、検査には行かんよ。
桃
桃
りうらが記憶を失うまで持たない…
青
桃
青
優しい声で彼は言う。
青
りうらの病気が、治るかもしれんやん?
桃
青
俺は、腐ってもりうらの主治医。
青
桃
医者は奇跡なんて信じない。 …少なくとも、俺はそうだ。
桃
桃
青
桃
迷ったような声。 今、押したら行ける。 そう思った時。
青
青
焦ったようなまろの声。 がたんっ、という大きな音。 …荒い息音。
桃
青
青
桃
青
…何でみんな、 俺だけを残して行ってしまうんだろう。
…数刻後。
俺へのメッセージの直後、途切れた通話。 …直ぐに、救急車を出した。
直ぐに家に着いた、筈だった。 だった、のに。
…鍵のかかった自分の部屋で、倒れた状態だったらしい。
…わざと、なのか。 それとも、意図せずなのか。
壊しにくい形状だった鍵。 それに手間取り、
桃
…彼は消えた。
…りうらは、
…ショックで、一次的な記憶喪失。 病気では無い。 ただ、今は何も理解できていない。
桃
桃
…数ヶ月後。
桃
担当医のないこです。
赫
…結局。 クソみたいな時間だった。
桃
赫
あの後。 一週間程で記憶を取り戻したりうらは、そのまま入院。
昨日に至るまで無気力に生き続けていた。
そして、昨日。 …リセットの日。
以前と何も変わらなかった。 まろの死への悲しみは、結局りうらの何にもならなかった。
桃
ポツリと呟く。
赫
桃
独り言、です。
桃
…綺麗な恋愛なんて、 結局存在しない。
花束を抱えられるラストは、 俺らのストーリーには似合わなかったんだ。
桃
赫
桃
何でもいいんです。些細なことでも。
毎度お馴染みの質問。 これを何回繰り返したことか。
…これまでに返ってきたのは、名前くらいだ。
赫
桃
これだけ。 のはずだった。
赫
桃
赫
桃
他には、なんかある?
赫
桃
可愛いですね。
いつもとは少し違う回答。 それがまろの意図したものかはわからない。 …けど。
万に一つくらい、 奇跡に賭けてみてもいいのかもしれない。
…終幕。
雪名
ほんっとにごめんなさい!!
雪名
もっと書きたかった…本当に…もっと詳しく…
雪名
ずっと出す出す言ってこんな長くなって…読みにくかったらもう本当に申し訳無いです…
雪名
雪名
また次回お会いしましょう…!
ころちゃんフォロワー様600人突破おめでとう🎉 こんなとこからごめんなさい…!