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愛の手紙

1 - 愛の手紙

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2019年07月16日

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これはある親子のお話だった。

樹(いつき)

ママ〜!これみて!

ママ

いっくん何?ママに見せて〜!

樹(いつき)

あのね、あのね、きょうね、おえかきしたの!

ママ

あら、上手ね〜!これってママといっくん?

樹(いつき)

そこには、大好きなママと樹の絵が描かれてあった。

樹(いつき)

そーいえばママ、

ママ

何?いっくん。

樹(いつき)

どうしてみんなにはいるのにぼくにはパパがいないの?

ママ

樹(いつき)

なんでなの?ママ。

そう、この親子はパパが居ないのだ。

ママ

それはね、ママがいっくんをいっ〜ぱいぎゅ〜!ってする為よ。

樹(いつき)

そーなんだ!ママ、ぎゅ〜!

ママ

ママも、ぎゅ〜!

樹(いつき)

ママだいすき!

ママ

ママもよ、いっくん。大〜好き!

ママ

あ、いっくんちょっとママ電話が来たの、遊んでおいで!

樹(いつき)

はーい!

樹が居なくなるのが分かったら、彼女は電話をかけた。

樹のママは、元夫に電話を掛けた。

ママ

ねぇ、貴方樹の為に戻ってきて…

パパ

俺だって大きくなった樹に会いたいよ…でも自信が無いんだ…俺に樹を育てられるのかって…

ママ

貴方の気持ちも分かるけど…分かってるけど…それでも子供の為に会うのが親の役目じゃ無いの…?

パパ

そうだけど…

二人の会話は、続いた…

ママ

通話終了

通話
01:57:19

樹(いつき)

ママ〜、おなかすいた〜!

ママ

今作るからもうちょっと待っててね!

樹(いつき)

わかった!

ママ

今日のご飯は何がいい?

樹(いつき)

ハンバーグ!

ママ

本当にいっくんはハンバーグが好きね〜

樹(いつき)

でもママのほうがすき!

ママ

ママも、いっくんの事が何より好きよ!

そう話しているうちに、ハンバーグは出来た。

樹(いつき)

いただきまーす!

ママ

どう、いっくん美味しい?

樹(いつき)

おいしい!

ママ

ありがとう😊

こんな会話が続いた…

ある日の事…

ママ

え…?嘘でしょ…!?

ママ

通話終了

通話
01:02

ママ

パパ!樹が…!樹が!

パパ

樹がどうしたんだ!?

ママ

トラックに…

パパ

!?取り敢えずそこに向かうぞ!

ママ

うん!

そしてすぐに樹の元に駆け付けた…

ママ

樹!

パパ

樹!

ママ

居ない…病院に行くわよ!

パパ

分かった。直ぐに行くぞ!

二人は直ぐに病院に駆け付けた。

だが、その病院には樹は居なかった。

ママ

居ないって!

パパ

あの総合病院なら居るはずだ!

ママ

早く行かないと!

そして総合病院に行くと、

ママ

華山樹の母です!樹は居ますか!?

看護婦

今運ばれてきたばかりです!早くこちらに!

そう言って二人を手術室に連れて行った。

ママ

看護婦さん…!樹は大丈夫なんですか!?

パパ

教えて下さい!樹は無事なんですか!?

看護婦

それは分かりません…でも無事を願う事しか今の私達には出来ません…

ママ

そんな…もう樹と笑い合うことはできないんですか!?一緒にハグしたり、ご飯を食べる事も!全部できないんですか…?

ずっと樹と一緒にいた母親だからこそ、言える事だった。

パパ

……

父親は、ただ黙り混む事しかできなかった…

先生

華山さん…少しこちらに来て下さい…

そう言って連れられたのは、傷だらけの樹だった…

先生

2XXX年○月□日、華山樹くん、御臨終です…

ママ

そんな…まだ…少ししか生きていないのに…

パパ

まだ5歳なのに…まだ生きられたのに…

先生

こればかりは運命です…仕方がない事なんですよ。

そういって先生も、看護婦さんも、両親は倍泣きました。

ママ

樹…嘘でしょ…?冗談って言って…お願いだから…

パパ

樹…また会えたのがこんな会い方なんて…ごめんな、樹…こんなろくでなしの父親でごめん…

そして病室の皆で泣いていた…

あの事から3.4日経ったある日、手紙が両親に届いた。

樹(いつき)

ママへ、いつきより、いつもいっしょにあそんでくれてありがとう。ママのことはぜったいにわすれません。それから、いつもおいしいごはんをいっしょにたべられたりしたのもママのおかげです。ずっといっしょにいてすごしたひびをぼくはわすれません。それから、パパへ、いつきより、ぼくにパパがいなかったのはざんねんで、みんなのパパたちのようにぎゅ〜っとしてほしかったけど、できなくて、ごめんなさい。いつまでもぼくのなかにパパはいています。それからいままでぼくをそだててくれた、ママとパパ、ありがとう。いつまでもこのかんしゃはわすれないです。それから、ぼくのようちえんのともだちへ、いつきより、いつもぼくとあそんでくれてありがとう。そんなにあそべなかったけど、そんなみじかいじかんがぼくにとってはたいせつなじかんでした。いつもはなしてくれてありがとう。それから………………………………………………………………………………………………………………

ママ

…!貴方、樹から手紙よ!

パパ

!そうなのか!?ちょっと見よう!

そしてこの手紙を見た後二人は泣き崩れた…

ママ

樹…私達は絶対に樹の事を忘れないよ…だから、安心して寝てていいよ。今まで頑張ったね…

あの手紙から四年後、両親は息子を産んだ。

日向(ひなた)

ママ!いつもありがとう😊

ママ

日向も、いつもお手伝いしてくれてありがとう😊今日はご褒美として、ハンバーグ一緒に作ろう!

日向(ひなた)

やった!いっしょにつくる!

ママ

なら、美味しいの作ろう!

パパ

おっ、楽しみだなぁ!どんなハンバーグが食べられるのかな?楽しみだ!

日向(ひなた)

(今でも、忘れないよ。僕、樹を愛してくれた事…)

日向の目から、涙がすぅっと流れた。

でも、それは日向だけの秘密。

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