【すとぷり兄弟】

あれから一年が過ぎた。

俺はもう大学生。

さとみくんは高3、ジェル君は高1になり

ころちゃんは中３、るぅりーぬは中１になっていた。

ころちゃんが生理男子になってから一年。

ころちゃんはやっぱりつらいようだった。

それでも前ほど泣くことはなくなった。

…やっぱり大人になってきてるんだなって思う。

身長も伸びたし。あ、俺からしたらまだ小さいけどね。

気が付いたら朝。

大学生になってから俺の生活はさらに忙しくなっていた。

そんなことを考えていると、俺の部屋のドアが開いた。

……ノックしないってことはさとみくん以外だ…

ころんがいきなり俺に抱き着いてきた。

あー…なるほどね。

だからこんなに早いんだ。

そういいながら俺はころんの背中をさする。

…ころんの悩み事を聞いたあの日からころんはめったに泣かない。

でも生理の日の朝は必ず兄のところに来るようになっていた。

それでも痛さに少しだけ慣れたようで学校に行ける日はちゃんと行っている。

そういいながら、ころんは眠りについていた。

……ころんはここ２,３日寝不足がすごい続いてた

……きっと生理前だったからだろうな…

俺はさとみくんの部屋に向かった。

そういいながら、部屋に入る

まったく。徹夜なんてしたらダメでしょっといいたいけど先に

流石。察しがいいね。

やっぱりみんな思うよねｗ

そういうと俺は部屋に戻った。

……ドアが開いてる…？

俺はドアは必ず閉める。……

誰かが部屋に入っているようだ。

かすかに泣いている声が聞こえる…

俺はすぐ部屋に戻った。

部屋に入ると俺のベットで寝ているころんと、

シーツを持っている莉犬くんがいた。

莉犬くんが持ってきたシーツに血が付いていた。

俺の頭に一年前病院で言われたことが再び流れる

『もしかしたらもう一人ぐらい生理男子がいるかもしれません』

莉犬くんは少しおなかを抱えてしゃがみこんだ。

おなか痛いのかな…？

俺は莉犬くんを膝の上に乗せた。

そういいながら莉犬くんのおなかをなでる…

…莉犬くん、やっぱり軽いな…

莉犬くんは兄弟の末っ子なんだけど、一番小さくて甘えん坊だった。

でもそれが逆によくプレッシャーを感じていたようだった。

双子のるぅと君はいま、身長161.9㎝でいまだに成長中だけどおそらく莉犬くんは150㎝もないだろう…

よくみんなになんでるぅと君と双子なのに俺はこんなに違うんだろうって言っている。

…気が付いたら莉犬くんは少し落ち着いたようだった。

俺は莉犬くんのおなかをなでながらすべて話した。

生理の来る男子がいること、生理男子になりやすい人の特徴、血筋がそもそもなりやすいこと。生理痛の主な症状、そしてナプキンのつけ方…

…俺は一応病院へ連れていくことにした。