テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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そのコンビニ店員に恋をする

第10話 - あの時の話を

614

2024年04月26日

#冬類

#司彰

あかまる🍓🐾໊

東雲

こんちはー

神代

おや、ご機嫌さんじゃないか。

東雲

ん？あぁ、まぁちょっと。

神代

ふーん…ふふ、良かったね。

東雲

え

神代

天馬さんだろう？

東雲

え、いや、まぁ…

神代

ふふ、仲良しさんだねぇ

東雲

…

東雲

神代センパイだって、青柳さんと仲良いじゃないっすか。

神代

え？！

神代

そ、そそ、そんなこと…無い…よ？

東雲

嘘つけw明らかに動揺してるじゃないですか。

神代

な、なんの事やら…

神代

それより、ほら。仕事仕事。

東雲

はいはーい

東雲

ありがとーございましたー

東雲

あ、神代センパイ。ちょっと外で休憩して来ます。

神代

ああ、うん。そろそろ休憩だもんね。

神代

ここは任せてゆっくり休んでおいで。

東雲

はい。あざっす。

🎶ミクミクミク〜ミクミクミ〜

神代

いらっしゃいませ〜

司

あ、どうも。

神代

天馬さん！こんにちは〜

神代

東雲くんなら休憩中ですよ。

司

あ、ああ。ありがとうございます。

司

(とりあえず弁当と…飲み物も買ってくか)

神代

🎶〜

司

！

神代

あ、すみません。つい…

司

その曲…

神代

ああ、小さい頃のコンクールで弾いたんです。

神代

あんまり有名じゃないけど、いい曲ですよね。

司

…

司

コンクールって、ピアノですか？

神代

ああ、はい。昔はピアノやってたんですよ。

神代

中学生の頃に辞めちゃいましたけど…

司

……

司

類？

神代

えっ？

司

やっと思い出した！そうだ、類…

神代

え、いや、あの…

司

覚えとらんか？同じピアノ教室に通ってたじゃないか。

神代

……もしかして司くん？！

司

おお！！やっぱり類だったか！

神代

え、え？！いや、全く気付かなかったよ…

神代

君、ちょっと雰囲気変わったね。

司

ま、10年もあればな。

司

類は…少し大人っぽくなったな。

神代

ふふ、そりゃそうでしょ。

司

懐かしいな…昔はレッスンが終わったあと、よく一緒にコンビニで何か買って食べてたな。

神代

あ〜、そういえばそうだったね。

神代

夏はアイス、冬は肉まん…ふふ、楽しかったな。

司

……

司

あの時のこと…謝りたいんだ。

神代

！

司

…この後時間あるか？少し話したい。

神代

…もう少しでバイト終わるから、それまで待っててもらってもいいかな？

司

もちろんだ。

神代

分かった…じゃあ、もう少し待っててね。

司

ああ。

東雲

すみませーん！センパイ、ありがとうございました！

神代

ああ、ううん。全然。

神代

今日は少し早めに切り上げるから、後は頼んでもいいかな？

東雲

了解っす

東雲

もしかして、デートの予定でも入りました？

神代

デート？ふふ、違うよ。

東雲

ふーん？

東雲

(本当は最後の方聞いちゃってたんだけど…)

東雲

(ま、聞かなかった事にするか。)

神代

待たせてごめんね。

司

ああ、いや。問題ない。

司

あー…夕飯がてら、ファミレスにでも行くか？

神代

ああ、いいね。そうしようか。

司

ファミレスも久しぶりだな…

神代

僕もだよ。基本は自炊かコンビニだから。

司

自炊…お前、料理出来るようになったんだな。

神代

まぁ…必要だと判断したからね。結構練習したよ。

司

そういう所は変わってないんだな。

司

昔から…類は努力家で、何でもやってのけたよな…

神代

いやいや、そんなそんな…

神代

えーと…僕はこれとこれにするね。

司

相変わらずよく食べるよな…

司

じゃあ俺はこれで。

神代

…

司

…

司

あー…その、あの時の事だが…本当にすまなかった。

神代

！

司

お前が「飽きたから辞める」と言った日…俺はお前に怒って酷いことを言ってしまった。

司

本当にすまない…

神代

そんな、いいよ！むしろ僕も謝らなきゃいけないし…

神代

…「飽きた」って言うのは嘘だよ。本当はまだピアノがしたかった。

司

！！

神代

父の会社が倒産して、教室に通えなくなったんだ。でも、当時の僕は見栄を張って「飽きた」とか言ったんだよ。

神代

全くバカだよねぇ

司

何故…何故言ってくれなかったんだ？

司

言ってくれたら、お前の教室代くらい俺が用意出来たのに！それに、まだやりたかったのなら尚更…！！

神代

え？！いやいや、それは流石に用意しなくていいよ？！

神代

まぁ…見栄を張っただけじゃなく、君がそう言うのも分かって言わなかったのかな。

司

む…！

司

…類には才能があった。俺は羨ましいと同時に尊敬もしていた。ライバルだとも思ってたし、良き友人だと思っていた。

神代

それは…僕もだよ。

司

お前の演奏が大好きだったんだ。だからこそ…やめて欲しくなかった、

神代

…

司

すまん、これはただの独り言だ。

神代

いや…ごめんね。

神代

僕も君の演奏、大好きだよ。

司

それは…嬉しいな！

司

まぁ、過ぎたことは仕方ない。これからは、友人だな。

神代

ふふ、そうだね。

司

あ、そうだ。友人として聞きたいことがあるんだが…

神代

ん？何？

司

その…冬弥の事なんだが

神代

青柳さんの…？

司

単刀直入に聞くが…類は冬弥が好きなのか？

神代

え！？！？

神代

な、なんで？？！

司

いや、まぁ…何となくだな。そんな気がして。

神代

嘘…僕ってそんなに分かりやすい…？

司

まぁ…冬弥よりは分かりやすいな。

神代

えぇ〜…

司

…で、実際のところどうなんだ？

神代

うん…まだイマイチ分かってはないんだけど…

神代

青柳さんといると楽しいし、もっと一緒にいたいって思う…

司

…ふむ、なるほど。気持ちは分かる。

神代

こ、これって好きに入るのかな…？

司

ああ。入るな。

神代

！！

司

お前も大概鈍感だからな…まぁ、俺も人のことは言えんが。

神代

やっぱり…僕って青柳さんのこと好きなのかな…

司

それは知らんが、傍から見ればそう見えるぞ。

神代

…

神代

じ、自分でも少し自覚はしてたんだよ。

司

(してたのか…)

神代

青柳さんの家までお邪魔してご飯作ったり、最近はピアノを教わりに夜お邪魔してるし…

司

おお…

司

…ん？ピアノを教わる？

神代

実は、青柳さんが「教えるから弾いてみないか」って言ってくれてね。

神代

何年も弾いてないブランクもあるし、教わりに行ってるんだよ。

司

そうなのか！！

司

…ということは、またピアノやるのか？

神代

うーん…そこまでは考えてないけど…

神代

まぁ…趣味程度に楽しめたらいいと思ってるよ。

司

そうか…！！

司

おっと、長々と話しすぎたな。そろそろ…

東雲

青柳さんどこ座りたいとかあります？

冬弥

え、あ、いえ特には…

東雲

んじゃ適当にー…

神代

東雲くん？

東雲

あれ、神代センパイ？

東雲

てことは…

司

彰人に冬弥！珍しい組み合わせだな。

冬弥

司先輩！

神代

青柳さんまで…というか、2人こそ珍しい組み合わせだね。

東雲

まぁ、歳も近いんで？

司

2歳も3歳も差程変わらないように思うが…

東雲

まぁまぁ。細かいことは気にしないでください。

冬弥

先輩達は…

司

ああ、少し昔話をな。

神代

そろそろ帰ろうとしていた所だよ。

神代

えっと、お会計いくらだっけ？

司

ん？もう済ませてあるぞ。

神代

え！？い、いつの間に！？

司

お前がさっき手洗いに行った時だな。

神代

えぇ！？ちょ、レシート見せて！自分の分は返すから…

司

いやいや、いらん。俺が急に誘ったんだから。

神代

ええぇ…

東雲

イチャついてんなぁ〜…行こーぜ青柳さん。

冬弥

は、はい。

東雲

で、なんの話でしたっけ？

冬弥

今日は…色々お話したくて。

東雲

おお〜！なんか嬉しいー

東雲

じゃ、恋バナでもしますか。

冬弥

えっ

東雲

あれ、神代センパイの事じゃないんですか？

冬弥

あ、そうですけど…何故？

東雲

いやいや、流石に分かりますって。

東雲

好きなんですよね？神代センパイの事。

冬弥

うっ…

冬弥

えっと…はい。その、好きです。

東雲

やっぱりなぁ〜

冬弥

それで…神代さんって、恋人とかは…

東雲

いやー、いないっすね。

東雲

というか、「恋人なんていた事ない」って言ってました。

冬弥

え？！あんなに魅力的なのに…？

東雲

んー、まぁ出会いが無いんじゃないですかね？

冬弥

あぁ…なるほど…

冬弥

なら…やんわりでいいので、神代さんの好みとか…

東雲

んーと、確か…

東雲

ま、優しいってのと、面白いってのと〜…あとは真面目って言ってたか？

冬弥

〣( ; › ᷄ᾥ ᷅‹)〣…

東雲

え！？！？なんで！？

冬弥

何一つ当てはまらないので…

東雲

は？！

東雲

いやいや！！話聞いてました？？

冬弥

もちろんです！

冬弥

えっと、優しい、面白い、真面目…ですよね？

東雲

はい。

東雲

…青柳さんじゃないっすか。

冬弥

え？どこがですか？！

冬弥

俺は自分のことに精一杯で人に優しくなんて出来ませんし、面白いことも言えません。

冬弥

どちらかというと…司先輩の方が当てはまります、

東雲

え？んー…まぁ、それは…

冬弥

〣( ; › ᷄ᾥ ᷅‹)〣…

東雲

あーーー…

東雲

(こりゃ思ったよりも大変かもな…)

東雲

告ったりとかは考えてるんですか？

冬弥

え？！いやいや、俺にそんな事…到底、出来ません、

冬弥

どうしても振られた時のことを考えるし、それに…俺のせいで神代さんが不快な思いをしてしまったら…

東雲

アンタめっちゃネガティブですね？！

冬弥

そうなんです…昔から、ずっとこうで…

冬弥

その点…司先輩は凄いんです。常に前だけを、未来を見ていますし…

冬弥

東雲さんにだって、勢いで告白したと仰ってましたし。

東雲

あーーー…ありゃ確かに勢いだったな。

冬弥

そういえば、お二人はもうお付き合いされてるんですか？

東雲

え？いやいや、まだ返事保留ですよ。

冬弥

え？！

冬弥

あ、いや、そうですか…

東雲

んー、なんか、司さんは嫌いじゃないし、むしろ好きなんですけど…

東雲

恋人とか、そういう「好き」なのかは分かんねーなーって。

冬弥

あぁ…なるほど、

東雲

ま、恋愛経験に関しては俺も未熟なんで参考になるような事は言えねーですけど、

東雲

好きでもない人の家に上がって料理振る舞うなんて、有り得ませんね。

冬弥

！

東雲

それも何回もとか。好きじゃなかったらしないっすよ。

冬弥

…で、でも、

東雲

そんなに気になるんなら、本人に直接聞けばいいじゃないですか。

冬弥

？！？！

東雲

…って、それが出来たら俺になんて聞いてませんよね。

冬弥

えぇ、まぁ…

冬弥

……！！

冬弥

直接は無理だけど……他の方法なら、聞けるかも…

東雲

(お、これは…)

冬弥

すみません…！あの、ありがとうございました！！

東雲

え？あー、いや。俺は何もしてないっすよ。

冬弥

あの、俺、帰りますね！会計は済んでますので！

東雲

え？！

冬弥

本当にありがとうございました！

東雲

あっ、ちょ！

東雲

……

東雲

(いつの間に…俺、1回も席立ってないよな？)

東雲

つかレシートすらねぇし！

東雲

はぁぁ……また奢られちまったな…

続く

そのコンビニ店員に恋をする

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8件

司が忘れっぽいの、原作リスペクトしてて好き😆😆あかまるの書くストーリーって、なんか人間らしくて好きだなあ。。。

お会計盗むはイケメンすぎる...✨ 現実にいないかな...😭

あかまる🍓🐾໊

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