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何回も同じ事を繰り返して助けを求める…🤔 なのに、距離をとると忘れてしまう…😥 なんでだかよく分からないけど…必ず逃げられないで終わるんだなぁって思ったら 愛し合って終わった…✨ 骨を折るシーンなんか…目瞑っちゃった() 感情移入というか…物語に入っちゃいすぎて怖かった…😫 面白かった…🥰
初見失礼します! このようなのは初めてで、全部見てしまいました笑 応援しています!
ストックホルム症候群ではあるんだろうけど、リクトが明らかに人ではなくてその部分もめちゃくちゃ気になりました 何度も骨を砕かれてるのに、安静にしていれば走れるレベルにまで回復する その領域から出ると記憶がなくなる=結界に縛られてる ガウン以外からは忌むべき存在として認識されている 謎だけ残し、明かさないところがぺぺさんの持ち味ですよね…… 今回も面白かった……
はぁっ...はぁっ...
ガウン
やだ...嫌だッ
ガウン
ガツッ
お前は僕から 逃げられないんだよ
陸斗(リクト)
迷い込んだのは何処かの山道
廃れた鳥居が見える以外は 辺り一面木々しか無い
全く見覚えの無い場所
現在地なんてまるで分からなかった
不思議な事に 何故ココに居るのかさえも分からない
陸斗(リクト)
そう思って鳥居に背を向ける
すると
ガウン
陸斗(リクト)
1人の青年が立っていた
灰にも近い白髪の彼は その髪で片目が隠れていた
感情の読み取れない瞳と視線が合い 俺は思わず目を逸らした
陸斗(リクト)
ガウン
陸斗(リクト)
ガウン
耳に届いた低い声
その言葉に驚いて 逸らした目を青年へと向けた
陸斗(リクト)
ガウン
ガウン
クルリと背中を見せ スタスタと歩いていく青年
俺は他に頼れるものも無かった為 素直にその後ろを付いて行った
陸斗(リクト)
ガウン
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
連れて来られたのは 人気の無い倉庫跡地の様な場所だった
所々に鉄くずやガラス片が散乱していて 何だかとても埃っぽい
帰ると言われたからてっきり 家に送ってくれるんだと思っていた
ガウン
少し苛立っているのか 青年の言葉は震えていた
特に今の所思い出した事は 何も無い
俺は素直に首を横に振った
陸斗(リクト)
ガウン
誰も居ない広い倉庫だからこそ 青年の舌打ちはよく響いた
ビクリと肩を震わせながら 俺は青年の後を付いて回るしか出来ない
倉庫の奥にあった1つの扉
そこを開けると地下に続く階段があった
青年は扉を開けたまま止まる
どうやら俺を先に入れてくれるらしい
陸斗(リクト)
俺は会釈して青年の前を通り過ぎる
1段、2段と階段を降りていくと 後ろで扉の閉まる音が聞こえた
青年が扉から手を離し 一緒に階段を降りているんだと思った瞬間
ードンッー
陸斗(リクト)
ガンッ
陸斗(リクト)
ダンッ
陸斗(リクト)
ドサッ
陸斗(リクト)
俺は後ろから強い力で押され 抵抗する間も無く階段から転げ落ちた
咄嗟に頭を庇えたのは奇跡だ
だがその分 体のいたる所を打ち付けた
陸斗(リクト)
ガウン
思い出す?
一体何を?
そもそも俺は何で突き落とされたんだ?
この人は一体、誰なんだ?
俺はどうして
陸斗(リクト)
ガウン
陸斗(リクト)
ガウン
ガウン
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
俺はまた...
また、失敗したのか...
廃墟となった倉庫の地下
水道や棚、作業台と 色々あるのに何も無い
そんな虚無にも似た空間に 俺は1人、閉じ込められていた
もう、何日経ったのかな...
早く...
早く死にたい
ーギイィッー
陸斗(リクト)
錆びた扉の開く音が響いた
俺はバッとその方向を見る
ガウン
青年...ガウンが食事の乗ったトレーを手に 地下へと足を踏み入れたのだ
俺は自分の体を守る様に 膝を抱えて縮こまった
ガウン
ガウン
ガウンは1段1段 ゆっくりと階段を降りて来る
怯えるなと言われたって 体が反射的に震えてしまうのだから 仕方が無い
ガウン
ガウン
ガウン
ーガンッ!ー
陸斗(リクト)
力任せに鉄のパイプを蹴るガウン
その音とガウンの怒号に 俺の体から血の気が引いた
陸斗(リクト)
否定しなきゃ
陸斗(リクト)
機嫌を取らなきゃ
陸斗(リクト)
悪いのは俺、悪いのは俺
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
お願い...機嫌良くなっ
ーバキッー
陸斗(リクト)
ガウン
思考が弾けて花火の様に 目の奥でチカチカと散っていった
ついさっき鉄パイプを蹴ったのと 全く同じ様に
俺の顔は蹴り飛ばされた
陸斗(リクト)
ガウン
ガウン
ガウン
ガウン
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
奥歯がガタガタと震える
鉄の匂いと味が広がっていくが そんな事どうでも良かった
殺される、殺されるッ
殺されるッ
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
嫌だ、死にたくない!
ギュッと涙が流れ落ちる程に 目を閉ざす
ガウンの目を見れない その姿を視界に入れる事すら出来ない
また耐え難い苦痛が激痛が 衝撃が襲ってくるんじゃないかと身構える
ーポンー
陸斗(リクト)
ガウン
ガウン
降ってきたのは痛みではなく
温かくて大きな手だった
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
俺はボロボロと安堵の涙を流し ガウンの手に縋った
頭を撫でてくれるガウンの手は 確かに優しさがこもっていた
俺にとっては唯一の光
ガウンが機嫌良く居てくれさえすれば 俺は酷い目にあったりしない
俺はまだ
生きていられる
ガウン
ガウン
ガウン
ーコトンー
置かれたトレーに目を移し 俺は笑顔を作って見せた
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
ガウンは俺の返事を聞くと 近くの椅子へと腰掛けた
人に見られながらの食事は どこか気まずいものがある
けれどそんなもの 俺はとうの昔に忘れていた
あの日 俺は3度目の失敗をしていた
失敗とはつまり
この地獄からの脱出に失敗したとゆう事
もうこの地獄に来てから どれだけの年月が流れたのかも分からない
だが、ガウンの服装からして 4度は冬を超えていた
そんな長い時間の中で この地下から自力で出られたのは
たったの3回ぽっちだった
俺はその貴重な3回を 見事に失敗で埋めつくしていた
毎回何故か
ある一定の距離を走ると プツンと記憶が途切れてしまう
抜け出せた安堵からなのか ガウンがそう仕向けているのか
明確な理由は分からない
そして気が付くとガウンに見付かっていて この地下へと連れ戻される
連れ戻されてからは酷いものだ
1週間はほぼ水分のみで生かされる
まだ水を与えられるだけマシなんだろうと ガウンの血走った目を見て思う
もちろん二度と出られない様にと
毎回足の骨は砕かれた
俺が気絶し失禁しても ガウンは徹底的に俺を歩けなくした
けれど決まってその後は
俺を労わる様に丁寧に処置をしてくれる
安静にしていれば治ってしまうくらいに
俺はその優しいガウンにいつも 頭の回路をめちゃくちゃにされてしまう
何度失敗を繰り返しても
ガウンは必ず俺を捕まえる
そして俺を◻️◻️◻️くれる
それから何時間も愛を受ける
ガウンの愛をこの身に溢れるくらいに 注がれる
その行為に果たして感情があるのか それともないのか
ガウンの心なんて俺が読めるはずもない
ただ一言
ガウン
呪いの様にそう言い聞かせられる
何度も何度も囁かれ 脳みそにこびり付いて離れない
俺は逃げられない
ガウンは俺を逃がしてくれない
ガウンからは、逃げられない...
この地獄がいつまで続くのか
俺の最期はいつ来るのか
俺はいつまで
ココに居られるのだろうか
はぁっ...はぁっ
はっ...はぁっ...
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
助けて!!
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
4回目のチャンスは意外にもすぐに訪れた
ガウンが地下への扉を施錠しなかったのだ
所々痛む体に鞭を入れながら 俺はひたすらに走った
倉庫跡地から離れたのを確認し 痛む肺に空気を入れる
そして叫んだ
助けを求めて叫んだ
だが人の気配なんてまるで無い
誰も居ない...
誰か助けてッ
息が苦しくなる程走ると 3度目に見た鳥居があった
ココでガウンに見付かって 連れ戻されたのだ
だけど今回は違う
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
ちゃんと覚えてる!
今度こそ逃げられる!
あの地獄から抜け出せる!
確実に逃げ切る為 休憩する間も惜しんだ
おそらく下山出来るであろう坂道を 道なりに進んで行く
しばらく行くと 何やら話し声の様な音が聞こえてきた
久々に聞く ガウン以外の人間の声
俺は嬉しくなって 助かったんだと安堵した
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
ーズザザァッー
何で俺はいつも こう、ドジばかり踏むのだろう
興奮して速く坂道を駆け下りたせいか 足がもつれて盛大に転んでしまった
陸斗(リクト)
地面に擦れた手の平や膝が ズキリズキリと痛みだす
1つ良かった事があるなら
前を行く人影が 俺に気付いて立ち止まった事だ
振り返ったその人影に 再度、救いの言葉を投げ掛ける
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
やっと助かるッ
生きていられる...ッ!
今、俺に向けて 太陽が光を放っているんじゃないかと 錯覚する
それ程までに 俺には救いの手が眩しく見えた
溢れる涙を止める術は無く
まだこんなにも俺の中に 水分があったんだと笑いさえ出る
俺は縋る様に手を伸ばした
ヒュッ
ーガッー
陸斗(リクト)
突然、何かが肩に当たった
ヒュッ
ーゴッー
陸斗(リクト)
今度は頭部に
ービシッー
陸斗(リクト)
腕に顔に胸に
硬くて球体の様なものが 次々と体にぶつかってくる
腕を顔の前でクロスさせ 作ったバリケードの隙間から様子を伺った
陸斗(リクト)
何で、何で!?
どうして!?
飛んできている物は石だった
形は様々 当然、尖っている物もある
そんな物が当たっているなら それは痛いはずだ
そんな事よりも
そんな事よりも 俺が目を疑ったのは
石を投げているのが
ついさっき見付けた人影達だった事だ
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
助けてッ
陸斗(リクト)
ーバキッー
うわあぁあぁぁっ!?
ーガンッ、ゴッー
やめろ!!何だお前!!
ードカッバキッ、バキッー
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
俺に石を投げつけていた人達が 次々と倒れていく
1人の青年によって 全員が血塗れになっていく
そして最後には動かなくなった
返り血で赤く染った灰に近い白髪
手に持っていたバットを放り投げて
ガウンは俺へと近付いた
ガウン...
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
ガウン
ガウン
陸斗(リクト)
差し出されたガウンの手を引き
この腕に彼の体を掻き抱く
力任せに抱き締めても ガウンは何も言わなかった
ただ
そっと頭に手を置いてくれた
廃墟となった倉庫の地下
水道や棚、作業台と 色々あるのに何も無い
虚無にも似た場所だと
ずっとそう思っていた
ーギイィッー
陸斗(リクト)
地下の扉が開かれる音
俺はバッと顔を上げ その扉から現れる人物を待ち望んだ
ガウン
ガウン
陸斗(リクト)
トレーに食事を載せて 今日もガウンは来てくれた
俺を生かす為に食事を持ってくる
俺が必要だから生かしている
ガウンは俺を
愛してる
こんなにも幸せな事はない
俺にはガウンしかいないように
ガウンにも俺しかいない
もう逃げようなんて考えない
逃げる必要なんか無い
だって俺は
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
俺はガウンを
愛している
これでやっと...僕のものだ
〜CLOSE〜