テラーノベル

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Day 1

夏風に揺れる君の髪 その美しさに 僕は釘付けになった

高鳴る胸 高揚する頬 苦しくなる呼吸

間違い無い

僕は君に 恋をした

Day 2

君と話がしたい

僕は君を探した あの綺麗で艶やかな髪を うるやかな唇を 揺れる瞳を

そして見付けた

君を見付けた

青く 蒼い 空の下

"こんにちわ" "良い天気ですね"

絞り出した声はか細くて 情けなく震えていた

Day 3

そう言えば 君の名前を聞いて無かった

だから 今日も会いに行く

僕はまた あの蒼い世界へ

青いパレットに 白い君 きっと赤が似合うから

今日は花を持って行こう 真っ赤な 真っ赤な綺麗な薔薇を

"こんにちは" "今日は花を持ってきました" "君に似合いそうだったから" "後、それと..."

"名前、教えてくれませんか?"

Day 38

"好きです" "僕と付き合って下さい!"

ついに言った 言ってしまった

出会ってたったの 1ヶ月

それでも僕は 君が欲しかった

君は凄く驚いた顔をした

当然だよ こんな何の取り柄も無い僕が 告白なんてしたら

しかもこんなに唐突に なんの前触れも無く

だけど 君は困った顔をして 少し考える素振りを見せ そして優しく微笑んだ

"はい"

君は凄い 僕の世界をこんなにも キラキラと 鮮やかに 一瞬で 彩ってしまうんだから

Day 73

僕は君を 初めて家へと招いた

少しぐらい下心はあったけど 純粋に君と 1つ屋根の下 それを味わってみたかった

一緒に料理をして 一緒にテレビを観て 一緒に同じ布団で眠る

そんな そんな理想の 幸せで普通な 家族の団欒を

とても幸せだ

僕はこの幸せを手にする為なら きっと 何でも出来るだろう

きっと もっと 君を

"幸せにするよ"

Day 95

初めて

僕は初めて

君を殴った

Day 96

昨日の僕はどうかしていた

何が原因であろうと 君に手を上げるなんて

許してくれ ごめんなさい ごめんなさい

僕は君を抱き締める 優しく 宝物を手にする様に

君は肩を震わせて それでも僕に縋る様に 強く 抱き締め返してくれた

もう二度と 君を悲しませない 辛い思いはさせない

輝く君の涙を見て 僕はそう 心に誓った

Day 267

結婚指輪を買った

君に似合いの 真っ赤な宝石のついた

だけど間抜けな事に サイズが合わなかったみたいだ

君も 僕も 思わず吹き出して笑った

"合わないね" "それなら" "合わせないとね"

サイズを合わせると 君は泣いて喜んでくれた

左手の薬指 赤く光る指輪

震える君の手を取り 僕は口付けた

"愛してるよ"

Day 456

君の髪は美しい

初めて君を見付けたあの時 その頃から何も変わらない

だけど僕は 気付いたんだ

君には ショートヘアが似合う

だけど 美容師にこの美しい髪を弄られるのは 少し妬けてしまうから

僕が切ってあげる こう見えても 僕は器用だから大丈夫

切る度に舞い落ちる君の髪 少しだけ寂しいけれど

これで良い

だって君はもっと綺麗に 可愛らしく 素敵な女性になるのだから

"綺麗だよ"

Day 488

お腹が膨らんだのが 目で見て分かる

君のお腹には 新しい生命が宿っている

"服のサイズが合わなくなっちゃうね" って 君は嬉しそうに呟いた

そんな事気にしなくたって "また、合わせたら良いよ"

僕は君の為なら 何だってしてあげるよ

"そんなのダメ" って 君は言うけど

"大丈夫" "僕に甘えて" "頼っても良いんだよ"

だって僕は 君の夫なんだから

Day 490

お腹の子が死んでしまった

初めて授かった 大切な子だったのに

でもダメなんだ

僕には君の方が大切なんだ

"どうして?" "どうして私を苦しめるの?"

君は泣いていた 同時に怒っていた 悲しんでいた 恐れていた 絶望していた

大切な子を 自分の身よりもその子を 優先し 守って欲しかった

君の気持ちも分かるけど 僕にとっては君が全て 君さえ居れば僕は 何も 他には何も要らないんだよ

君に嫌われてしまったって構わない

僕は君を守るよ この世で1番 美しい君を

Day 4444

君と過ごした年月

どれもがとても輝いていて

どれもがとても大切だった

いや 今でも大切だ

何と不吉な事だろう

君に恋に落ちてから ピッタリ 4444日目

君はこの世を去ってしまった

もう戻ることは無い

どんなに願っても会う事は出来ない

けど 君は幸せだったろう

長い年月をかけて 君は 一際美しくなっている

要らない部分は全て捨てた

必要なモノは全て繋いだ

白い君に 似合いの赤で

時々 "気持ち悪い" "狂ってる" "可哀想" "頭がおかしい"

なんて言ってくる人も居た

全く 人の妻に向かってなんて失礼なんだ

でもその度に 君と同じにしてあげた

自分が美しくなれば 人を僻む事は無い

その証拠に 君に暴言を吐いた人達は 面白い程何も言わなくなったね

さぁ

そろそろ君を送ってあげなくちゃ

君にはやっぱり あの青くて蒼いキャンバスが似合う

2人の思い出の場所で さよならをしよう

青くて 蒼い 空の下

白くて 赤い 愛しい君

"あぁ"

"とても綺麗だよ"

さようなら 僕が彩った 最愛の君

〜CLOSE〜

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