ジミナ…絶対助ける。
ちょうど3分の2ぐらいまで来たところだった。
波が、急に荒くなった。
僕の体力は切れる寸前だった。
それでも、泳ぎ続けた。
ここまで来たのだから、絶対に諦めない。 ジミナにも信じて欲しいって言ったんだ。 ジミナの存在と、自分の言った言葉が、僕を鼓舞した。
まだ、泳げる。
空が暗くなる前に、早く。
砂浜にたどり着いたのは、日が沈み始めた時だった。
長時間の遠泳のせいか、疲れて体が動かない。
水中よりも空気中の方が体が重く感じる。
早く起き上がらなくちゃいけないのに、体が言うことを聞いてくれない。
寒い。
水に濡れた体の夜風が当たって体が冷える。
僕は、倒れたまま重たいまぶたを閉じ、密かに昔のことを思い出していた。
ジミナとは、本当に幼い頃からの付き合いだった。
二人とも親に捨てられた身で、孤独だった。
先に話しかけたのは、僕だったっけ。
V
ジミン
V
V
僕たちがジミナ、テヒョンア、と呼び合うのに 時間はあまりかからなかった。
僕とジミナは、芸術の道でお金を集めていた。 いわゆるストリートアーティストだ。
ジミナはダンスで僕は歌で。
ジミナの現代舞踊的な踊りは見る人を圧倒した。 しなやかさの中にもしっかり芯がある。 足先から指先まで、体の全てが美しかった。
あぁ…懐かしい
これからもずっと、ジミナの踊る姿を見ていたい。
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続きみたいです!!