井川静(じん)
教師A
井川静(じん)
疑いの目がかすみさんに向かないように
静(じん)さんは嘘をついた
若い教師はその嘘に対し
教師A
そんなことを訪ねてきた
もちろんいじめなどは起きていない
その事を伝えた上でさらに嘘を重ね
井川静(じん)
井川静(じん)
そう言ってごまかそうとした
教師A
井川静(じん)
井川静(じん)
だが
恐らく医師の説明はこうだったのだろう
身体のあちこちに痣があり
恐らくそれは日常的に暴力を振るわれている痕だと
その若い教師は更に何かを聞こうとしたが
直前で病室のドアが開きかすみさんが現れると
出掛かっていた言葉を飲み込んだようだった
井川かすみ
かすみさんが心配そうに静さんを見つめるも
静さんはその目を直視することができなかった
その様子を見ていた若い教師は
教師A
かすみさんを連れて外に出てしまった
もし痣のことを問い詰められたら
そう思うと恐怖で全身が震える
しばらくしてかすみさんが病室に戻ってきた
あの若い教師の姿はない
井川静(じん)
井川かすみ
重い空気が流れる
あの教師は何を告げたのか
もし虐待を疑うようなことを言っていたら
そんな不安で押し潰されそうな静さんに
かすみさんは教師との会話について話し始めた
井川かすみ
井川かすみ
井川かすみ
井川かすみ
井川かすみ
井川かすみ
相変わらずおかしなことを言う母に
静さんは困惑しつつも少し安心していた
あの若い教師を欺くことができた
あとはうまく立ち回って
いじめがないことをきちんと説明した上で
被害届を提出したと嘘をつけばいい
そうすれば誰にも疑われない
誰もかすみさんがやったことだとは思わない
心の中で何度も自分に言い聞かせた
幸い症状は軽く入院の必要もなかったため
その日のうちに帰宅し
翌日は普通に登校した
学校では早速
いじめについての調査と言う名の検問が行われていて
昨日の若い教師が先頭に立って他の教師達を仕切っていた
静さんは若い教師の元へ行き
いじめではないことを訴えたが
教師A
と返され仕方なくその場を後にした
だが存在しないいじめの証拠などが出るはずもなく
そのまま虐待に結びつけられるかと思ったが
そこまでの勘はなかったのか
あっさりと検問をやめ通常の業務に戻っていった
それから一週間
一ヶ月と時が過ぎたがあすみさんは戻らず
井川静(じん)
と言う静さんの提案を
井川かすみ
かすみさんは全く聞き入れようとはしなかった
井川悟志
悟志さんは安堵の表情を浮かべていたが
井川悟志
その言葉がかすみさんの逆鱗に触れてしまい
その言い争いは数日間、続いた
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