?
放課後になり、
高橋は彼女とデートなのか、
そそくさと帰って行った。
私はいつもより遅く教室を出ると、
後ろから聞こえたのは
クラスのムードメーカーの女子達。
その女の子達に
ほうきやら雑巾やらを渡された。
その女の子達は明らかに
高橋の彼女達で。
高橋が好きな人達で。
きっと、
私が無条件で高橋と居るのが気に入らないんだろう。
私にとっては
痛くも痒くも無いのにね。
ゆうか
ゆうか
ゆうか
?
圧をかけられるように笑うと、
女の子達は満足したように教室をあとにした。
いつもは騒がしい教室だけど、
誰もいなければ、
こんなにも静まり返る。
……はぁ。
帰って寝る予定は遠くなりそうだな
私は床に落ちた雑巾達を拾い上げ、
ほうきを握りしめ、
鞄を置いて、
掃除を始めた。
……何分たっただろう。
一人じゃこの教室の掃除なんて終わらなくて。
気づけば、
3時を差していた針は、
4時に差し掛かろうとしていた。
まだ半分しか終わってないのに。
……寝たい。
一つ一つ音を立てながら
机を引き、
ため息をついた。
ゆうか
ゆうか
ゆうか
ゆうか
なんて、
高橋以外友達の居ない私が言ってもなんもなんないか。……
高橋恭平
廊下に響いた私の名前。
疲れ果てた声で、
必死な声で。
ドンッ
と音が響いた方に目を向けると、
髪の毛も、制服もぐちゃぐちゃな、
高橋の姿があった。
ゆうか
高橋恭平
ゆうか
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
だからって、
私の為に?
デート中だったんじゃ……
高橋恭平
高橋恭平
つくづく思う。
何でそんなに私に
優しいの?
ゆうか
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
ゆうか
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
"嫌なら掃除断れよ"
と言われて、
デコピンされた
"俺を頼らなかった罰な"
と言ってもう一回。
案外痛い。
高橋は雑巾がけも丁寧にやり、
テキパキと机を運んだ。
"やっぱ2人の方が早いやん"
って。
いや、ほとんどやったの高橋やけどな。
ゆうか
ゆうか
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
"高橋のおかげで助かった"
何て言えば、
"気持ち悪いな"って。
ひど。
雪でもふるんちゃう?
って言いながら
外見るのやめて。
もう一生言わないって
誓う所だから。
高橋は窓を見ながら、
"なぁゆうか?。"
って、高橋の隣に並んだ私に言ってきた。
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
身体中に鳥肌がたつ。
血の気が引く。
我に帰って、
高橋から離れた。
そんな高橋は、
"青春も悪くないやろ?"
ってニヤニヤしながら言ってきた。
ふざけんな。
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
___"俺が居るから平気やで。"
あのクサイ台詞が頭の中で再生される。
あの光景が。
照らし合わせたくもない高橋と、
どうしても合ってしまうから嫌なんだ。
"高橋と青春っぽいこと"なんて。
あの顔が、あの声が、
コメント
3件
みなみ 目から水出てきちゃった? あ、間違えた。 目からみず。💎🌊が出てきちゃったの?( ・∇・)←は
情緒不安定なのかしら。←は
いや、最高やん。 目から水が……←何でやねん