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もう夕日も傾き始め、
高橋は私の頭に手をぽんっと置くと、
"ほないこか。"
って歩き出した。
私は鞄を持ち、
大きい背中を追いかけた。
下駄箱を過ぎると、
校庭は、サッカー部が占領していて、
汗をかいて笑う男子を見て、
"青春"
と、無意識に敵対心が。
ゆうか
ゆうか
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
"高校なら無駄にモテるよ"
あまり周りに興味ない私でも知ってる。
サッカー部はどこでも人気で
モテるし、
目立つから。
……それに惹かれた私も私だ。
馬鹿すぎる。
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
少し言えばこれだ。
ふざけんな。
校庭を過ぎれば青春の空気が通りすぎ、
2人の静かな時間が流れた。
話す話題がなければ
容赦なく作り出される無言の空間。
高橋となら苦じゃないんだけどね。
まぁ、
友達を越えた親友みたいな感じだから
コミュ障の私でも全然許せる空気だ。
学校を出て少し過ぎれば、
見えてくる駅。
高橋は学校から家が近いから
ここでお別れか。
駅を目の前に、
高橋に"また明日"
と言おうとすると、
りか
と、声が聞こえてきた。
りか
りか
りか
りか
りか
高橋のデートの相手か。
今にも私を襲いそうな鋭い目付きで私を見てくる。
高橋は欠伸をしながら
だるそうに頭を掻いてから
"ごめんって"
と言って、口角をあげた。
高橋恭平
りか
りか
高橋恭平
高橋恭平
甘い声。
これで落ちた女の子は何人居るんだろう。
ま、
私は落ちないけど。
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
女の子と手を繋いで歩く2人に、
まぁ邪魔だね。
青春死ね!!
って思った。
……ま、そんな心の声は置いといて
階段を登って、
パスも出して、
電車に乗り込んだ。
ぼふっと沈まる電車の椅子。
電車が発車すると
良い感じの揺れとふわふわの椅子の相性が良すぎて。
だんだん眠くなる。
ゆうか
がたんごとん
本当はそう聞こえないけど
電車に揺られているときに表現する一言。
私はそれを直に感じながら
目を閉じた。
ゆうか
高橋恭平
高橋と出会ったのは
高校1年生のときだった。
1人が好きで。
1人が楽で。
ずっと一人で居ようと思っていた高校生活に
土足で容赦なく踏み込んできたのは高橋だった。
クラスで影が薄く、
印象が悪い私。
近寄ろうと思う人は誰一人居なかった。
私はそれで良かった。
それが良かった。
でも、高橋だけは、
皆の考えに合わせなかった。
"一人は辛いやろ"
"意味もなく嫌われるのって不公平やん"
って。
嫌われた覚えはないけど
そう言ってくれるのは高橋だけだった。
だから
気付いたら泣いてた。
ぽろっと流した一つの雫が、
いつのまにか大量の雫に変わって。
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
ゆうか
高橋恭平
ゆうか
高橋恭平
純粋に、
隣に高橋が居て安心した。
どんなに、"あいつ"が重なろうと関係なかった。
でも、高橋と一緒にいる度、
"あいつ"と似てる高橋がどんどん増えていった。
恋の仕方、
女の子の扱い方
話し方も。
優しさだって全部。
ゆうか
高橋恭平
ゆうか
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
ほら。
サッカー部も"あいつ"と同じ。
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