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僕の処刑日。
葛葉
処刑人
僕は処刑台に立たされた。
あぁ…嫌だ
葛葉がこっちに叫んできてる
葛葉
葛葉
隠していた羽を広げ、僕を掴んだ。
処刑人
人々
人々
そんな声達を無視して、必死に僕を連れ出そうとしている
葛葉
処刑人
葛葉
葛葉は処刑人の首に爪を刺した。
僕はその行動の意味を、一瞬で理解した。
カナエ
葛葉
カナエ
葛葉
涙を目に溜めている葛葉を見て、 僕は最期に告げた。
カナエ
カナエ
カナエ
カナエ
葛葉
葛葉
葛葉の頬に手を添えて言った。
カナエ
カナエ
カナエ
カナエ
カナエ
あぁ意識が遠くなっていく
狭窄していく…葛葉、どうか_
葛葉
葛葉
カナエ
あぁ、此処が天国
…いいや、僕は地獄に行くはず
カナエ
もういっそ、地獄を楽しもうか
カナエ
…いっしょに…。
叶
…或いは、走馬灯_
何で
何で…俺は
カナエ…、
カナエ…
カナエ
葛葉
神を心底恨んだ。
或いは、俺自身か
消えそうだけど消えられない意識
ずっと変わらないんだ、結局のところ
俺は、死ねない
葛葉
廃れた教会。
あれから、何年経ったか覚えていない。
結局俺は、死ねず、生きる事さえ出来なかった。
ただひたすら無機質。無気力な日々だった。
カナエ以外の人々は、みんな俺を避けた。
…でもそれでいい。俺はカナエ以外は…、
…カナエ…
葛葉
ガチャ
扉が開いた。
何故、ここらはもう人はいないはず
もしかして_
??
東洋の者か…?
何故…
変な仮面をつけた二人だった。
…いいや、片方は人じゃない。
…神だった。
狐を模した仮面。
…不気味だった。
??
此方を睨みつけ、恐れた。
結局、俺は…。
葛葉
葛葉
無理やり笑った。
無理やり声を出した。
…数年ぶりだった。
葛葉
葛葉
…誰かに語るように言った。
葛葉
少し上から誰か見ていると信じ…
??
??
カナエは、神父だった。
神父なのに俺と出会ったから
…神…、
葛葉
??
冷酷な目。
とても神には見えない
葛葉
葛葉
葛葉
啼泣を繰り返す俺とは反対に、 その神は、不自然なほど冷静だった。
心底憎くて堪らない。
??
??
この瞬間に悟った。
俺は、やっぱり吸血鬼なんだと。
こいつらとは敵対する運命なのだ、と。
葛葉
葛葉
久しぶりに怒りを露わにした。
葛葉
物語の悪役みたいに
葛葉
…俺が化け物だから
葛葉
カナエが死んだのは_
葛葉
葛葉
カナエ…
葛葉
_きっと、神のせいだ。
??
??
??
一つ間をおいて云った。
??
??
??
見下された様に感じた。
けれど、正しい気がする。
葛葉
それが悔しく、爪で空を掻いた。
??
??
人間の方の頬から血が滴った時、
とんでもない罪悪感に苛まれた。
そして同時に、
俺が、吸血鬼である事を思い出した。
??
??
??
見ると、其の人間は驚いた顔でこちらを見ていた。
まるで、化け物でも見たかの様に…、
??
葛葉
初めて見た血を思い出した。
あの光景
あの感情
あの感覚
カナエの事…、
葛葉
葛葉
あの約束、まだ一つも…
??
お前に…
葛葉
??
??
??
虫螻が走る。
俺の全てを見透かした様な言い方。
俺の記憶を侮辱した様な
葛葉
葛葉
葛葉
??
葛葉
眼光を灯し、一直線に彼奴を睨んだ。
葛葉
爪を立てた瞬間、
??
とても驚いた。
視界の外に居たからだろうか。
いいや、
…カナエ以外の人間が俺に話しかけたからだ。
??
急に抱きつかれた。
葛葉
??
??
??
何を云ってるか分からなかったけれど、
何となく、わかった気がする。
何かが崩れた。
久しぶりに涙が溢れた。
久しぶりに視界がよく見えた。
葛葉
せっかく見えた視界は、涙で少しぼやけていた。
葛葉
葛葉
でも、前よりはよく見える
自分が何を云ったのか分からなかった
…感情のままに云った。
祈った。
??
神は、少し微笑んで言った。
??
??
葛葉
言いたくなかった。
「…でも、言わないとカナエに怒られるな。」
そう思った。
あの後、俺は色々と話した。
ここで何があり、カナエがどんな人だったか
その人は、わずか16歳とは思えないほど落ち着いていた。
優しかった。
…まぁあの神は、まだよく思えないけれど
それでも、まぁいい
…カナエは、きっと許してくれる
そして、その神と人間は帰って行った。
あれから、何年経ったかもう覚えてない
ずっとカナエを探し続けた。
配信を始めて、
「いつかカナエを見つけられる」
そう思い続けて…
葛葉
?
あぁ、
?
葛葉
?
叶
何故か互いに泣きながら、握手した。
…葉
葛葉
葛葉!
葛葉
?
無言のまま目を見開いた。
カナエ
……。
葛葉
葛葉
叶
これが俺の、運命だった。