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抗体人間シリーズ−過去編−

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抗体人間シリーズ−過去編−

30 - 8月27日 消えた彼

♥

50

2019年06月25日

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応接室前

空泉

いや〜、待ちに待った日が来ましたな〜‼︎

安曇

ちょっと、空泉先輩。これから会うご家族の方に失礼な態度を取らないように気をつけて下さいよ?

空泉

分かってるって‼︎

空泉

ルナ、準備OK?

ルナ

ばっちり‼︎

安曇

では、行きますよ。

コンコンコンッ

ガチャッ

安曇

失礼します。

安曇

私が今回の“実験”の責任者を務めさせていただいております、大蛇森 安曇と申します。

安曇

そして、2人は私が担当する“実験”のデータ記録係を務めている、空泉 圭と絵鳩 ルナです。

空泉

よろしくお願いします。

ルナ

よろしく、する。

幸治郎

私は洋服のHAKOZAKIで社長を務めている、箱崎 幸治郎だ。

空泉

箱崎って...あの有名ブランドの⁉︎

ルナ

はこざき?なにそれ?

空泉

HAKOZAKIっていう全国店舗に店を構える超有名洋服ブランドだよ‼︎それを知らないなんて言語道断だよ‼︎

安曇

そ・ら・い・ず・み・先・輩?

空泉

はっ‼︎も、申し訳ありませんでした‼︎つい、興奮してしまって‼︎

幸治郎

ははは‼︎別に構いませんよ。

安曇

すみません。つかぬ事をお聞きしますが...なぜ今回の“実験”に参加して下さったのでしょうか?

幸治郎

いや、実に単純な理由なんだがね...

幸治郎

幸治郎

娘の朱音が兄がほしいと事あるごとに言うものでな。

幸治郎

その時偶然この“実験”に目が止まってね、娘のためなら応募せざるを得ないと思ったんだよ。

安曇

なるほど...ありがとうございます。

幸治郎

それで肝心の“彼”はどこに?

安曇

はい、こちらになります。

実験場【G】

黒野

ガルルルルッ‼︎バヴッバヴッ‼︎‼︎

安曇

これが今回の“実験”で使う“モノ”です。

安曇

現在は自我を失い人肉をただひたすらに喰らっている獣ですが、“コレ”と娘さんに実験体Aの記憶操作を用いれば本当の家族のようになれるのです。

幸治郎

なるほど...しかし実験体Aというのは?

安曇

“コチラ”です。

....

幸治郎

彼女は生きているのか...?

安曇

実験体Aは別の実験で一時的に感情を抜いているんです。だから蝋人形のような状態なんですよ笑

幸治郎

ほぅ...なかなか面白いことをするねぇ。

幸治郎

それと実験体Aの記憶操作とやらは、副作用などはないのかね?

安曇

はい、その点に関しては全く問題はありません。

幸治郎

そうか...よし、分かった。今、朱音を呼んでこよう。しばらく待っていてくれ。

数十分後

幸治郎

いや、遅くなってすまないね。こちらが娘の朱音だ。ほら、朱音挨拶をしなさい。

朱音

...箱崎 朱音です。よろしくお願いします。

安曇

今回の“実験”の責任者の大蛇森 安曇です。本日は“実験”に参加して下さりありがとうございます。

安曇

それでは記憶を書き換えるので、こちらの部屋中央にある椅子に腰掛けて下さい。

朱音

分かりました。

安曇

では、これより実験体G・黒野 闇笯と箱崎 朱音様の記憶を操作していきます。

安曇

ゆっくり深呼吸をして下さい。

朱音

すぅ...はぁ...

黒野

ヴヴヴ...ァァ‼︎

安曇

では実験体A、よろしく頼むよ。

はい。

スッ

ブゥアッ‼︎

幸治郎

ど、どうなったんだ?急に眩しい光が襲って来たが...

幸治郎

朱音...?

幸治郎

おい、朱音⁉︎どうして動かないんだっ‼︎

幸治郎

朱音っ‼︎朱音っ‼︎

安曇

大丈夫です、幸治郎様。朱音様は気を失っているだけです。

幸治郎

朱音は無事なんだろうなっ⁉︎

安曇

ご安心下さい。数分ほどで目が覚めます。

朱音

....

パチッ

朱音

あ、あれ?私は今まで何を...

朱音

あ‼︎兄さん、こんなところで寝ていたら風邪を引きますよ?

黒野

ん...あともう少し...

朱音

もう、兄さんは仕方がないですね...

幸治郎

朱音っ‼︎大丈夫か⁉︎怪我とかしていないか⁉︎

朱音

大丈夫ですけど...

安曇

どうやら“実験”は成功したようですね。

朱音

“実験”?

安曇

いえ、こちらの話ですのでお気になさらずに。

幸治郎

この“実験”が成功して感謝の気持ちしかない。だが...

安曇

どうされました?

幸治郎

幸治郎

朱音の“目”を治してくれないか?

幸治郎

朱音は生まれたときから盲目で日常生活にも支障が生じている。だから...

安曇

分かりました。では今回の“実験”は白紙ということで。

幸治郎

はあ⁉︎な、なぜそうなるんだっ‼︎

安曇

...今回の“実験”は朱音様の兄を創るという目的であり、盲目を治すということではありません。

安曇

それに盲目を治した場合、兄の役目は一体どうなるのでしょうか?

安曇

恐らく朱音様は兄妹が楽しそうにしている会話などをどこかで聞いたことがあったため、兄という存在に強い憧れを持っていたのではないでしょうか?

幸治郎

うっ...

安曇

私は盲目の朱音様を支えるのが兄の役目ではないかと思いますよ。

幸治郎

...悪かった、今の話は忘れてくれ。

安曇

では今後の予定について、お話することがございますので少しよろしいでしょうか?

C棟 廊下

空泉

あ〜、疲れた〜。

ルナ

....

空泉

どした、ルナ?

ルナ

あんど...かわいそう...

空泉

ん?どこが?

ルナ

あんど...酷いことされるした...

ルナ

けい、騙した‼︎嘘つき‼︎

空泉

いや、私は

ルナ

もう知らないっ‼︎

タッタッタッ

空泉

あちゃ〜...

空泉

こりゃ嫌われたか...?

空泉

まあ、状況が状況だから仕方ないか...

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