2月14日、僕は寒い朝に目覚めた。
布団から出たくない理由で 遅刻したくない。
布団から出て身支度をした。
玄関を出る。
高校3年生最後の2月14日。
特に変わりなく、程よい寒さである。
学校に着き、教室に入る。
自分の椅子に座る。
周りはとても賑やかで 一人ぽつんと自分がいる。
机から課題を出そうと手を伸ばすと、紙のような角が指に当たる。
机の中を見ると、何やら折りたたんである手紙がある。
取って読むと、こう書いてあった。
君っていつも一人でいるよね。
一人で退屈そうだから今日の放課後、 屋上に行くときの階段の場所まで 来て。
君に退屈にならないものを渡すから。
絶対だからね!
僕
と一人でツッコミを入れると廊下から強い目線を感じた。
あたりを見回すと先ほど廊下にいた 女子の後ろ姿が目に入る。
まさかなと思い手紙を折りたたみ、 ポケットに入れた。
今日の放課後は空いてるが、行くか 行かないか迷った。
行って何かやられるより、帰って暇な時間を課題でつぶすか。
考えた結果、とりあえず 行ってみよう。
行ってみて何もなかったら安心 なのだが
もしもその場で何かあったら、それはそれでしょうがないので とりあえず話だけは聞こうか。
そう決めて、この話は終えた。
ずっと一人だった。
小学校まではまだ周りと話せたが友達というものは作らなかった。
暇ではないからだ。
自分のやりたいことをたくさんやりたかったのだ。
中学では部活はやらず帰宅部で もちろん友達も作らなかった。
この時も暇な時間などなかった。
現在は暇な時間はあるが、 友達はいない。
ずっとぼっちだった。
だが、人とはある程度話せるが、好きな趣味もなければ興味のある話もない
ただの空気である。
しかし、そんな自分にこのような手紙が来るのは、少し驚きだった。
自分は一人ではないことに気づく。
でも実際に顔も知らず会ったこともないので実質一人でもあった。
僕は何を考えているんだと、この時は思った。
授業が終わり、外で弁当を食べた。
いつも通りの空気といつも通りの人の少なさである。
とても静かで風が靡いて心地が良い。
弁当を食べ終え、教室に戻った。
教室に入ろうとすると僕の椅子に見知らぬ女子が気ままに座っていた。
教室に入り、その女子に声をかけた。
僕
女子
僕
女子は席を立ち
女子
と僕の耳元で囁くように言った。
手紙を書いたのはこの人だったのだ。
僕はそのまま自分の椅子に座り、俯かせた。
こんな僕に声をかけてくれたのは初めてだ。
誰にも僕の存在が分からないうえに誰も僕と話す人はいなかった。
今の自分の思いは嬉しいのか、なんなのか理解できなかった。
帰りのチャイムが鳴り、いつもはイヤホンをつけて、そそくさと帰宅するのだが、今日はそういう日ではなかった。
放課後、僕は屋上に行く階段の場所に行った。
内心、不安な事がある。 それは、本当に手紙の通りなのかということだ。
友達がいないせいか、そんな小さなことまで気にしている。
信じることができなかったのだ。
でも僕は決意した。
ここで逃げたらずっとこのままだ。
だからずっと待つことにした。
空が暗くなりはじめた。 僕はずっと待っていた。
でも来なかった。 「やっぱりか」と思い帰宅する準備をした。
階段を降り、靴を履き替えた時、階段から足音が聞こえた。
階段をずっと見る。
階段から降りてきたのは、ジャージ姿の体育の先生だった。
少しでも期待してた僕が馬鹿だった。
先生が僕の存在を気づいてこう言った。
体育の先生
僕
体育の先生
僕
結局、来なかったのだ。
正門から出ようと歩いていたら、後ろから微かな声が聞こえた。
もしかして! と思ったが後ろに振り替えるのをやめた。まさかな
女子
僕
女子
それは、手紙を書いた女子が、息を切らしながら走ったのだ。
僕
女子
僕
僕は帰宅部なので部活の存在を忘れていた。
女子
僕
女子
僕
女子
女子
僕
女子
女子はバッグから可愛らしい箱を取り出して、僕に渡した。
女子
僕
女子
僕
女子
そしてチョコが入ってるチョコを貰った。
僕
女子
そう言い、女子は暗い外を明るくするような笑顔を見せた。
コメント
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とても遅れたバレンタイン