フィンの居場所が分かったレイン達は、魔法道具管理局を出発した。
ドット
あの家に住んでいたって、本当なんですか⁉︎
レイン
ああ、まだ親が生きていた頃に住んでいた。
ドット
そうなんですか・・・。
レイン
当時の俺とフィンには、あの家を手放すしか選択はなかった。
レモン
そんなことが・・・・あの、その後はどうしたんですか?住むところを失って・・・。
レイン
親戚中たらい回しにされた。どこの親戚も歓迎してくれなくてな、あいつらにとって俺とフィンはただの邪魔者だったんだ。
ドット
何だよそれ、酷すぎる・・・。
ランス
でも、何故フィンは今になってその家に行ったんだ?
マッシュ
んー・・・・・・。
レモン
何ででしょう・・・?
レイン
・・・・・・・・・。
レイン
(フィン、なぜ今更あの家に・・・)
フィン
・・・・・・あ、あった!
引き出しの中でついに見つけた。フィンが探していたもの、それは家族全員が写った写真だった。
フィン
よかった、これがあれば・・・。
フラッ・・・
フィン
あっ・・・・。
突然、強い倦怠感に襲われた。
フィン
疲れたな・・・今日はこの家で寝よう。
寝室に入ったフィンは、ベッドの上の埃を払って横になった。
フィン
ふぅ・・・。
フィン
お父さん、お母さん・・・もう少しで、また一緒に暮らせるね・・・。
約束の日は明日に迫っていた。写真を手に持ち、フィンは眠りについた。
フィン
んっ・・・・。
目を覚ますと、外はほんのり明るかった。
フィン
もう朝か・・・。
ここですか?
ああ、間違いない
フィン
ん・・・・?
突然、外から声が聞こえた。
フィン
誰だろう?
気になったフィンは、カーテンを少し開けて、こっそり外を見た。
フィン
え・・・?
外にいたのは、もう二度と会うことがないと思っていたマッシュ、ドット、ランス、レモンと、兄のレインだった。
フィン
(嘘・・・何でみんながここにいるの?兄様まで・・・・とにかくここを出よう!)
窓から離れた次の瞬間・・・
ドンッ!
フィン
あっ・・・・!
ガシャァァァン!
側にあったランプを思いっきり倒して、大きな音を立ててしまった。
中から音がしたぞ!
やっぱりここにフィンがいるんだ!
フィン
最悪だ・・・。
フィンは箒を掴んで、反対側の窓から外へ飛び出した。