家の中に入ったレイン達は、全ての部屋を見て回ったが、フィンの姿はどこにもなかった。
レイン
くそっ!どこにもいねぇのか・・・!
ランス
まさか、俺らに気付いて逃げたのか・・・?
レモン
逃げるなんて、どうして・・・?
ドット
レイン先輩!探知機は⁉︎
そう言われて、レインは慌てて探知機を確認すると、家の中にフィンの居場所を示す点滅はなかった。
レイン
外に出たな、後を追うぞ。
レイン達から逃げてきたフィンは、夜まで時間を潰そうと、北の森の近くにある町に来ていた。
フィン
(こんな所にも・・・)
町の至る所に、行方不明者となっているフィンの張り紙が貼られていた。
住人1
この行方不明になっている方って確か、レイン様の弟なのよね?
住人2
えぇ、そうねぇ。一体何があったのかしら?
住人1
レイン様はさぞ心配しているでしょうねぇ。
すれ違いざまに、そんな会話が聞こえた。フィンはフードを深く被り、早足でその場を離れた。
フィン
(そんな訳ない、兄様は何とも思わないよ・・・)
やがて夜になり、フィンは北の森に向かった。
北の森の入り口に着き、フィンは地面に降り立った。
エルター
こんばんは。
フィン
あっ、エルターさん・・・。
エルター
貴方の魔力を感じてね。待ちきれなくて来ちゃったわ。ところで・・・その髪と目はどうしたの?
フィン
染めてるんです。目はカラーコンタクトをしてます。僕の見た目は結構目立つので、見つからないために・・・。
エルター
そうだったの・・・まぁいいわ。早速、星の泉に行きましょう。
フィン
はい。
フィン
ここが星の泉ですか?
エルター
そうよ、綺麗なところでしょう?
その泉は、透き通った綺麗な水の上に無数の光がキラキラと輝いていて、星の泉という名前にとても相応しいものだった。
エルター
星には神秘の力が宿っているの。その力を私は魔力としてこの泉から得ることができるのよ。その魔力を使えばどんなことだってできるわ。
フィン
そんなにすごいところなんですね。ここで、何をするんですか?
エルター
最後の仕上げをするのよ。写真はあるかしら?
フィン
はい、ここにあります。
エルター
いい写真ね。じゃあ、始めるわよ。目を瞑って・・・・
一方レイン達は、北の森の上空を飛んでいた。
レイン
反応があるのはこの辺りのはずだが・・・・。
レインは魔力探知機に目を落とした。すると・・・
レイン
!
マッシュ
どうかしましたか?
レイン
反応が・・・消えた・・・・・?
フィンの居場所を示す点滅が、魔力探知機から消えていた。