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翌朝。いつもより少し早く教室に入ると、窓際の席で颯人がイヤホンをして外を眺めていた。
朝の光を受けて、横顔がやけに静かに見える。
悠斗
元気に声をかけると、颯人はイヤホンを外し、軽くうなずいた。
颯人
それだけの言葉なのに、なぜか心臓が跳ねた。
悠斗
悠斗は自分でもよくわからない違和感を抱えたまま席に着いた。
昼休み。颯人は弁当を開きながら、ぽつりと言う。
颯人
悠斗
颯人
悠斗
笑う悠斗の顔を見て、颯人は少し目を伏せた。
颯人
心の中でそう呟きながら、弁当の箸を止めた。
放課後の校舎は、部活の声と夕風の音が混じっていた。颯人は靴箱の前で紐を結びながら、窓の外の空をちらりと見上げる。
雲の端が金色に染まり始めている。
悠斗
廊下の奥から、いつもの声。 悠斗が手を振りながら駆けてきた。
悠斗
颯人
悠斗
にかっと笑う悠斗に、颯人は小さくため息をついた。
颯人
悠斗
ふたり並んで校門を出る。 空は茜から群青に変わる途中。 通学路を歩くと、悠斗がポケットからチョコを取り出して、颯人に差し出した。
悠斗
颯人
悠斗
悠斗がふざけて、チョコを颯人の口元へ持っていく。颯人はわずかに眉を動かして、それでも口を開けた。
悠斗
颯人
悠斗
颯人
悠斗が少し黙る。その返しが思っていたより柔らかくて、胸の奥がじんわりした。
玄関を開けると、すぐにぽんずの鳴き声が響く。
悠斗
悠斗がしゃがみ込み、抱き上げると、ぽんずが嬉しそうに尻尾を振った。
颯人
悠斗
悠斗が笑うと、颯人も口の端をわずかに上げる。しばらくして、三人(?)でソファに座る。ぽんずが悠斗の膝の上に落ち着いて、穏やかな沈黙が降りた。
テレビの音が遠くで流れ、夕陽がカーテンの隙間から差し込んでいる。
悠斗
颯人
悠斗
颯人
悠斗
悠斗が笑いながらぽんずの頭を撫でる。
悠斗
その言葉に、颯人は目を伏せた。 心の奥に小さな熱が灯る。 悠斗の声は軽いのに、不思議とまっすぐ響いてくる。
颯人
悠斗
颯人
ぽんずがくしゃみをして、空気がふわりと和らぐ。
夜、玄関先。
悠斗
颯人
悠斗
そう言って笑う悠斗の瞳が、街灯の光で少し揺れた。颯人は返事をせず、ただ「またな」と小さく呟いた。
残された静けさの中で、ぽんずが玄関を見つめる。その横顔は、飼い主より先に、颯人の変化を感じ取っているようだった。