転生したら嫌われ者の悪役だった件

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『転生したら嫌われ者の悪役だった件』 8

自分の手に視線を向けると

俺の指は透けていた

本当に、死んじゃったの、？

やだ、っ

…信じたくない、

紫ーくん、橙くん…ｯ、

きっ、と

紫ーくんと橙くんなら…、！

俺のこと

見てくれるよね、？

やってきたのは城のバルコニー

いわゆる屋上

何となくだけど、 ここにあの2人がいるような気がした

ｶﾞﾁｬﾝ

そこにいたのは、

嬉しさのあまり、抱きつこうとしたが

ｽｯ…

俺の手は

2人の身体をすり抜けた

君たちの身体に、 触れることが出来ない

焦りや不安から涙が溢れてくる

俺の声は、2人には届かないの？

紫ーくんと橙くんは 悲しげに遠くを見つめてる

おれ、ここにいるよ、？

見えてないの…、？

俺は悲しさのあまり、 バルコニーを出た

小説の話を思い出してみる

確か、赤の城には 地下に書物室があったはず…

ｷｨ...

不気味な音に鳥肌がたつ

扉の先には、沢山の書物があった

この中から探すしかないか…、

俺の現状の原因を

あれから数時間、 目当てのものは見つからない

周りは沢山の本が散らばっている

ｺﾞﾝｯ

棚の上から自分の顔に 分厚い本が落ちる

本の表紙を見ると、 俺のお目当てらしき物だった

試しにページをめくってみる

ﾍﾟﾗｯ...

古い本で読むのに苦労したが、

何となくで理解した

要するに｢無色透消病｣とは、

時間が経つにつれ、体が透けていき

他の人から見えなくなって いくのだという

最終的には、体が完全に透けていき、

この世界から、 存在自体が消えてしまうのだという

対処法は、 ｢本当の自分を好いてもらうこと｣

｢本当の自分｣

今の赤は、きっと、紫ーくんや橙くんから好かれてる赤じゃない

転生した、見た目だけでの｢赤｣

中身は全然違う人。

...でも、小説の世界から｢赤｣が消えたら設定的に困るのでは.....、？

前世の、今までの、俺...が 消えちゃうってこと、？

ここの世界じゃ、 どうにも出来ないじゃん...ｯ

だって、現実世界に 戻る方法もわかんない

小説の世界で、前世の俺を好きになってもらうなんて...無理じゃん、ｯ

.....なんとかするんだ、

無理でも、しなくちゃいけないんだ

俺がこの病気にかかったのは

きっと

前世の ｢本当の俺｣ を、 誰も好いてくれなかったからだよね。

continue.

いないと思いますけど無色透消病 無断で使う事はお辞め下さい🙇‍♀️(使う場合は💬を…😖🙏🏻

ちなみに｢無色透消病(むしょくとうしょうびょう)｣ って読みます‪🙄‬‪🙄‬

ネーミングセンスには触れないでくださいこれでもちゃんと意味詰まってるんです🥲