いつも自分の席から見える彼の席と彼の背中
たくさんの人に囲まれ、常に笑っている明るい彼
頭も良くて、それなりにスポーツもできる彼
自分とは全然違う世界で生きているような...
触れてみようと思ってもなかなか触れられないあの世界に、 何度かは、
憧れを持ったけど、今では見るだけで日々が過ぎていく...
今ではもう当たり前のこと...
触れたくても触れられない......
あの...
~放課後~
生徒1
ジェミン
生徒1
生徒3
いつも通り彼の席の周りは賑わっている
生徒2
ジェミン
生徒2
男女ともにから人気の彼は放課後にどこかへ誘われるのは 彼にとって当たり前のこと...
ジェミン
生徒1
生徒1
生徒2
ジェミン
生徒3
ジェミン
クラスメイトが教室から出ていくのを微笑しながらで見送る彼
ここ最近時々あるんだよね
ジェミン君
クラスメイトの誘いを断ることが
やっぱりすぐに家に帰って勉強とかしてるのかな? 塾とか?
そんなことを考えながらカバンを片付け、図書室に向かった
~図書室~
放課後に図書館へ来ることはいつもの日課
放課後の図書室ってあまり人が来ないから静かでいい場所なんだよね~
人がいても、勉強している子か本を読んでいる子しかいない
自分に合った場所
ユジ
――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――コツコツ
本に目を向けていながらも何となく人影がこちらに近づいているのを感じる
――――――――――― コツコツ
だんだんと近づく足音。図書室の静けさでさらに大きく聞こえる
―――――――――ドサッ
足音が自分の隣まで近づき止まったかと思えば、自分の座っている隣の椅子が 引かれ、誰かが座ってきた
他にも空いている席があるのに...
ユジ
ユジ
再び意識を本に戻した
―――――――――――――――――
一通り本を読み終え帰る準備をして帰ろうとしたところ、 横の人もどうやら本を読み終えそうだった
ほんの少しの好奇心でチラッと横目で隣を恐る恐る見てみれば...、
ジェミン
ユジ
ジェミン君だった
ユジ
私は軽く会釈した後すぐに図書館を後にした
心の中は驚きでいっぱいだった
自分が一生触れないであろう世界に住むジェミン君が声をかけてきたからだ
ジェミン君って意外に本を読んだりするんだ...
まさか、ジェミン君と何か接点を持つことがあるなんて、
信じられなかった …
窓際族の私にとっては大きな出来事だった
あれからいつも通り図書館に来てるけど、時々ジェミン君に会うようになった
"会うように"って表現は違うかもしれない。見かけるようになったとか?
ジェミン君が図書館に来るたび本を読んでいる私の隣に来て、 基本的に勉強をしているか、本を読んでいる
表情はなるべく"無"を装ってるけど内心、心臓がどこかに行きそうなほど バクバク鳴っている....
初めて話しかけられて以来、隣で本を読んでいてもジェミン君が話しかけてくることはなかった
当然のことながら教室でも話すことは全くなかった
別にそれでもいい。隣にジェミン君が座っているだけでも私にとっては 言葉にできないほどの嬉しいことだから....
それでいい
――――――――――――――――
クラスではとてつもなくつまらない遊びが流行っていた
生徒1
生徒4
生徒1
生徒4
生徒1
生徒4
いったい、噓告された側の気持ちを考えたことはあるのだろうか?
必ず出るわけではないけど、傷つく人が出てくるかもしれないこの遊びが どうして楽しいと感じるのか、また、流行るのかが理解できなかった
別に噓告をされたことがあるからこの遊びを忌み嫌ってるんじゃないの
ただ単純に噓告された側の気持ちを考えてみれば、とてつもなく辛かった
もしかしたら自分の好きな人に告白されるかもしれないんだよ?
気になる人に告白されるかもしれないんだよ?
そんな人たちから「噓告でした」だよ?考えたことある?
もしかしたら、これは、"好きな人"がいる人にしか分からないことかもね...
自分の好きな人から噓告なんてそうそう起きることじゃないと思うけど...
私の身にそんなこと起きるなんて考えたくもない...
その頃、ジェミン君といえば...、
生徒2
ジェミン
生徒3
生徒2
ジェミン
ユジ
ジェミン
生徒4
ジェミン
生徒2
ジェミン
ただ笑っているだけだった
聞いていて気分が悪くなりそうだったから、すぐに目の前の本へと集中した
・・・
今日もいつも通り本を読みに来ている。と言いたいところだけど、 違うの
今日は授業の復習をしに図書室へ来た
教室を使おうと思ったけど、どこかの部活がミーティングに使ってて、 だから図書室に来て勉強をね...
――――――――――――――――
―――――――――――ドサッ
ユジ
今日は来るとは思っていなかったジェミン君が私の隣に座った
ジェミン
ユジ
ユジ
初めて話して以来の久々に話しかけられた
私、緊張してないかな...?ちゃんと話せているかな?
ジェミン
ユジ
ジェミン
ユジ
ジェミン
え、何怪しんでるの?←
ジェミン
ユジ
実はね、今日の数学の授業の時、うっかり寝てたの...
だから、先生に急に当てられた時何も答えられなくてね
もう、そのこと覚えててほしくなかったんだから!
ジェミン
ユジ
ユジ
ジェミン
あ、またナナが出た←
ユジ
――――――――――――――――
しばらく勉強を教えてもらっていれば急にジェミン君が質問してきた
ジェミン
ユジ
ジェミン
ユジ
ジェミン
ジェミン
ユジ
ユジ
ユジ
ヤバい、大声出しちゃった...
うん、、、恥ずかしい(*ノωノ)
ジェミン
急に「彼氏いる?」なんて聞いてくる!?
いやいやビックリするでしょ!?
はー、怖いんだけど...←
まさか、彼氏いるか聞くために質問してきてたの?
ユジ
ジェミン
ユジ
ユジ
ユジ
ジェミン
ユジ
ジェミン
あーどうしよ。変な期待しちゃいそう
見ているだけって決めたのに...
・・・
見るだけって決めるのもつらいなぁ...
でもよくよく考えたら、変な期待なんてしちゃだめだよ
だって、他にも綺麗な子たくさんいるもん...
キラキラした高校生活を送り、心行くままに青春をしている子が...
それに比べて私なんかね...
ジェミン君、私と話していて嫌じゃなかったのかな?
遅くまで私に勉強教えていて嫌じゃなかったのかな?
自分の勉強大丈夫なのかな?
色々と不安なことがグルグルと頭の中で回っちゃう
ユジ
なんて思いながら家に帰った
あれから放課後にジェミン君に勉強を教えてもらったり、 一緒に話したりすることが徐々に増えていった
ジェミン君と話す時間は私の高校生活の中で最もいい思い出に なるんじゃないかってぐらい楽しかった
決して教室では話さななかったけど....
未だにジェミン君と話している自分の姿が信じられなかった
でも、
ちょっとしたことからこの私たちの関係は崩れた
私たちが話すようになって約1か月が経ったある日のこと
私はいつも通り、放課後に図書館へ来ていた
密かに、ジェミン君が来るかもしれないという淡い期待を持ちながら...
そして私は図書館へ来るなり、自分が前々から読みたいと思っていた本を 探していた。けれどなかなか見つからなかった
探し始めて数十分が経った頃ようやく私が探していた本が見つかった
ここでも問題が発生しちゃって、その私が読みたいと思ってた本ね、 私の背じゃ届かない位置に置いてあったの
頑張って背伸びしても到底届かないような位置で諦めようと思い、その場から 離れようとしたらね、隣に、、、
ジェミン
ユジ
まるで少女漫画みたいな世界の展開だけど、
私が読みたいと思ってた本を持って私に手渡そうとするジェミン君がいた
ユジ
この時、すごく恥ずかしくて、顔もろくに見れてなかった気がする....
恥ずかしさを紛らわすためにジェミン君に質問をしてみた
ユジ
ジェミン
そんなことを聞いてみればジェミン君は曖昧な反応を見せたものだから、 これ以上は聞かないでおこうと思って、ジェミン君から渡された本を持ち、 いつもの席へ向かおうとすれば....、
―――――――――――――ガシッ
ジェミン君に腕を掴まれていた
突然のことで目を見開くようにジェミン君の顔を見れば、 いつになくジェミン君は真剣な表情をしていた
ユジ
ジェミン
私が再び口を開こうとすればジェミン君はそれを遮るように______
ジェミン
ジェミン
ジェミン
ユジ
ユジ
ジェミン
私が、彼と出会って以来、何度も夢見たような 何度も待ち望んだような言葉が、期待する気持ちなど少しも残っていない今、
突然、言い放たれた....
驚きで言葉を失った...それ以上に...、
嬉しさで心がはち切れそうで、体を思いっきり動かさなければ 収まらないような歓喜が体中をめぐり、手も少しだけ震えていた
流すことなど一生ないだろうと思っていた世間一般で言う 「嬉し涙」ってのが頬を伝おうとしたその時、
思い出すべきでない、いや、今この時に思い出すべきでないことを、
思い出してしまった
ユジ
クラスで流行っている噓告を....
先天的か後天的か分からない自分の根暗な性格のせいで ジェミン君のこの告白をもしかしたら...と考えた自分がそこにいた
どう答えを出そうと迷っている最中、噓告で話が盛り上がっていた連中の中で その話を微笑で聞くジェミン君の顔が浮かび、何故か怒りと悲しみが沸いた
そして私は、とんでもないことをジェミン君へ言ってしまった
ユジ
ユジ
突然の私の大声に少し驚いた様子のジェミン君
ユジ
ユジ
ジェミン
ユジ
ユジ
ジェミン
ジェミン君が何か言おうとしているのにも構わず続けた
ユジ
ユジ
ユジ
私が大声出したからなのか、他の生徒が集まってきていたけど、 気にすることはなかった...
普段だったらすぐに我に返るだろうけどそのぐらい感情が高まっていた 元から大声なんて出すことないけど...
ジェミン
ユジ
ユジ
ユジ
ジェミン
ユジ
そう言い残し私は図書館を去った...
去る時、他の生徒の視線に妙に痛さを感じた けれどもすぐに視界がぼやけて視線も感じることはなかった
あれから数日後
あれから家に帰ってあらゆることに後悔した その日は悩みに悩んで部屋に籠り、ずっと泣いた
そして次の日は学校を休んだ
自分でもバカバカしかった 恋愛なんかで傷ついて感情高ぶらせたかと思いきやすぐに下がる...
学校に行くようになっても私は放課後に図書館へ行くことはなかった
もしかしたらジェミン君と遭遇してしまうかもしれないから
もちろんのことだけど教室でも話すことはない だから、ジェミン君と話す機会は全くなくなった
正味のところ、話したことがなかったころの関係に戻るってこと
ここ最近がおかしかっただけだね...
教室でジェミン君とすれ違う時も正直気まずい
向こうは何も思っていないかもしれないのに自分だけ気まずくなって、 正直、滑稽な気がする....
僅かに、ジェミン君も表情が前よりも暗くなってる気がする
そりゃそうだよね
何とも思ってない人に大声で不快になるようなことを言われたんだから
彼にとって私って、ろくでもない存在だよね
はぁ~人がいないところに行きたい
家に帰っても親がいるし....
そんなことを考えながらカバンを片付け、私の心の中と裏腹に話し声や 笑い声でにぎわっている教室を静かに後にした
~屋上~
人が全くいなくて静かな場所って言えば学校でいくと 屋上しかなくない?
だから、屋上で1人ずっと考え事してる
もしかしたらさ、泣いちゃうかもしれないから、 人が来たら嫌じゃん?わざわざ屋上なんて来る人いないでしょ
――――――――――――――――
彼、どう思ってるんだろう....
勇気を振り絞って告白してくれたのかもしれないのに、 彼の話を聞かずにただただ....
私ってこんなだからずっと1人なのかな....
自業自得だね....
あーあ、1人で考え事してると暗いことばかり考えちゃう
ユジ
________ガチャ
ボソッと呟くと、後ろからドアが開けられる音が聞こえた
ユジ
生徒指導の先生が来たのかと思い、急いで後ろを振り向いた
ジェミン
私の目先にはジェミン君がいた
ユジ
ジェミン
ジェミン
ユジ
ジェミン
信じられなさ過ぎて目がチカチカしそうだ....
ユジ
ユジ
ユジ
ジェミン
ジェミン
ジェミン
ユジ
ユジ
ユジ
ジェミン
ユジ
ユジ
ジェミン
ユジ
ジェミン
ユジ
ユジ
ジェミン
ジェミン君はそう言うと私にグッと近づき....、
ユジ
唇を重ねてきた....
ジェミン
ニコっと微笑みながら聞いてくるジェミン君
今までの中で1番男っぽくて高校生とは思えない色気にやられかけた....
ユジ
ジェミン
fin
コメント
2件
こんな青春したいよー、