キーンコーンカーンコーン
<ねぇ聞いた?
<また失踪したんだってよ?
<まじ?3人目??
<4人目も有り得るよね ~ !?
<それな?!
昼休みや放課後になると
情報交換のためにうるさくなる教室
そんな面白みもない会議の中心に居たのが
そう、乾ないこだ
彼はユーモアもありクラスのまとめ役のリーダー
可愛げのある顔と言うのもあって
男女問わず人気度が高い
<え、どういうこと!?
<確かに、怖すぎ...
早々に帰宅した者を省き
クラスの大半は乾の話を聞いている
そんなクラスメイトの混乱を感じながらも、
俺____
____猫宮威風は静かに本を読んでいた
少し読んでは顔を上げ
読んでいる社会学の専門書と目の前の光景を照らし合わせる
失踪した稲荷は不気味だったという者
巻き込まれなくてよかったと安堵する者
適当な推理をする者
ただただ心配をする者
やけど俺は知っている
彼奴らが行っているのは
「自分たちは彼奴らと違う」という確認作業
教室に満ちていたのは思わるゴシップへの愉悦
もちろん、乾のように本気で心配している奴もいる
だがそれ以外の生徒は失踪者を語る時
口元が僅かに緩んでいた
何がそんなに面白い?
そう思うほど早く帰りたくなり勢いよく席を立つ
ガタッ
思ったより椅子の音が大きく出てしまい
クラスメイトの視線がこっちに来る
彼がふとそう呟いた
彼の言葉は真剣だったが周りの生徒が
<いや、それは無いだろw
<猫宮って人と関わらないタイプじゃん?
そうからかって真剣さは伝わらなかった
俺はそんなクラスを背に昇降口へ向かった
この地域は田舎だ
コンビニもあまり無いし
スーパーに行くのは少し時間がかかる
唯一のシンボルといえば
少し自転車を漕いだところにある
イレギュラーキャッスル
元々ラブホテルだったが
3年前に閉業し、未だ取り壊されていない
南京錠と鎖で閉ざされているため誰も入れない
と言いたいところだが
意外とみんなは裏口から入れることを知らない
キィィィ
ほら、入れた
俺はボロボロになった椅子に腰かけ
目の前にある机にノートを広げる
無心に手を動かし、心を落ち着かせる
比喩では無い
この街はいずれ終わる
30分経ち、シャーペンを置く
ノートには怪物の絵が描かれていた
新しいデザインが完成する
いつの間にか苛立ちは消えていた
俺が作るゲームの敵モンスターだ
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コメント
2件
ゲームの敵モンスターってなに⁈ 伏線だったり、、? 『犯人は僕だけが知ってる』って題名だから犯人を知ってるのは💎くんだと思うんだけど(🐇ちゃんの可能性も、? てことは🤪ちゃんが犯人?今のところだと怪しいし もしくはまだ出てない🐤ちゃん? それとも失踪した人の中にいるとか? 🍣ちゃんはバレないようにあぁしてるのかもだし、、 まだ全員可能性はあるからね この話ではいっぱい考察する! 続き楽しみ♪