俺にとってゲーム制作は治療みたいなもんやった
胸が苦しくなるのを抑えられる唯一の方法
ピコン
イレギュラーキャッスルを出たところで通知が鳴った
スマホをポケットに入れて自転車を漕ぎ出す
外は異常に暑い
そうだ、もうすぐ夏休みだ
本当なら普通に勉強するような夏休みを送っていたはずやのに
ガチャ
普通は有り得ない、3人の返事が帰ってくる
ふと声の方を見ると
稲荷ほとけは机の前で手を振っていた
奥には有栖初兎がゲームをしていて
獅子尾悠佑がベッドでくつろいでいた
...そうだ
俺だけが知っている
3人の失踪者は俺の部屋にいる
1LDKという狭い部屋で
クラスメイト3人は広々と使っていた
4人に笑いがどっと起き
ふと周りを見渡した
この光景をクラスメイトが見たらなんて言うやろうか、
1LDKというのもあり、4人で住むには狭すぎる
だけどこの3人はそんな狭い中充実してる様に過ごしていた
___稲荷ほとけ
前髪とマスクで顔の大半は隠れているから見えないけど
彼は手元のタブレットを使い作曲をしている
____有栖初兎
手元のパソコンを使い
俺が作ったゲームをプレイしている
____獅子尾悠佑
一見ベッドでゴロゴロしてるように見えるが
手元を見れば英語の単語帳
....真面目やな
世間から見れば失踪だが
こちらとしたら居候に近い
一応家事担当はこの3人だ
買い出し担当は俺だ
また遠いスーパーに行かなきゃ行けないとなると荷が重い
怒るタイミングを逃してしまったから渋々買いに行くことを決めた
早くスーパー行こ、
始まりは6月下旬頃だった
そう言って紙を渡される
俺は迷いなく月から金まで×印を書いた
諦めたように立ち上がる乾
バサッ
その時全員分のアンケートが床に落ちた
あれ、?
俺以外にも全日不参加が1人居た
___稲荷ほとけ
確かに参加しそうな雰囲気はない生徒だ
今日も何とかやりきった
そんなことを考えていたら
何処からか綺麗な歌声が聞こえてきた
そういえばこのマンションの噂を思い出す
自殺の名所...やったっけ
俺はすぐさまマンションの階段を上った
そう呟くと彼も気づいたようでこっちを見る
お互いの沈黙が暫く続き
先に発したのは稲荷だった
稲荷は黙り込んだ
そう言い稲荷は歩き出す
泣きそうな声だからか
声が小さくて聞き取るのが精一杯だった
そんな俺とは真反対に逃げるように屋上から出る稲荷
ガチャ
....このままでいいのだろうか
そう思った時
彼の忘れ物らしきものに気づいた
折りたたまれた紙だった
俺は近づきそっと紙を見た
"世界から消えたい"
もしかしてあのアンケート...っ
×印が全部なのは予定があるのではなく
この世に居ないということでは無いのか
気付いた俺はすぐさま駆け出していた
ガチャ
稲荷はまだ階段を降りている途中だった
急いで近付くと、彼は焦った顔をする
よく見たら、その目は腫れていた
乱れた過呼吸で言い放った
長舌に話して呼吸がさらに乱れる
そしてもう一度息を吸って言った
彼は唖然とした表情をしていた
暫く沈黙が続いて稲荷が口を開く
照れくさそうにほとけが言う
ほとけは結局あれからずっと帰らなかった
これが稲荷との出会い
コメント
1件
なるほど、、 まぁ🤪ちゃんは犯人っちゃ犯人かな? 悪いことをしたわけではなさそうだし犯人って言うのも違うかもだけど。 敵モンスターは🤪ちゃんが作ってるゲームの話か。 他の2人の方も気になるね! 連絡し合ってた相手は🐤ちゃんかな⁇ 🐤ちゃんは何に関連してるのやら、 もしかしたら今後何処かで失踪しちゃう子かな⁇ 🍣ちゃんはまだよく分からないね、 続き楽しみ♪