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たけし
ひろし
卓郎
ズズズ……と地響きが鳴り、壁の向こうから巨大な影が迫る音が聞こえる。藍は卓郎の手を強く握り返した
藍
卓郎
ガシャン! と藍の足元で椅子が倒れる。その音が引き金になったかのように、背後の暗闇から地響きが鳴り響いた
美香
ドォォォン!! という衝撃音と共に、背後の本棚が紙吹雪のように粉砕される。倒れた本棚の隙間から、巨大な青い腕がヌッと伸びてきた
たけし
藍は全力で走りながら、横倒しになった椅子の山を飛び越える。背後では化け物が本棚をなぎ倒しながら、直線距離でこちらへ迫っていた
ひろし
藍の頬を、砕けた本の破片がかすめる。恐怖で足がすくみそうになるが、卓郎の手の温もりが彼女を前へ進ませた
藍
一行は倒れかかる本棚の隙間をすり抜け、さらに奥の、鏡が並ぶ無機質な通路へと滑り込んだ――
美香
美香が息を整えようと手洗い場に手をつき、ふと目の前の鏡に目をやる。そこには、背後に立つ卓郎と藍、そして――
美香
美香が悲鳴を上げる。鏡の中、美香のすぐ後ろの天井から、青い化け物が蜘蛛のような体勢で音もなくぶら下がっていた。実物の天井を見上げてもそこには何もいない――鏡の中にだけ、実体化した「影」が映っているのだ
ひろし
パリン!! と凄まじい音を立てて鏡が内側から割れ、鋭い破片と共に化け物の腕が藍の首筋を狙って伸びてくる
藍
藍は間一髪でその腕をかわすと、割れた鏡に向かって右手を突き出した。彼女の瞳が蒼く燃え上がり、手洗い場の蛇口から溢れ出した水が、藍の意思に呼応するように激しく渦を巻く
藍
背後の影が咆哮を上げ、床を削りながら迫りくる。藍は覚悟を決め、目の前の重厚な鉄扉を全力で押し開けた
藍
ゴォォォ……! と扉が開き、吸い込まれるような純白の光が一行を包み込む。その光に触れた瞬間、藍の意識は激しく揺さぶられ、世界が3つの色に分かれていった――
続く
11話〜13話は分岐点になります