コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
塾の帰り道
午後9時30分
季節は冬だから日も沈むのが早く真っ暗だ。
るいか
るいかは自然と急ぎ足になる
るいか
塾からるいかの家まではそれほど遠くないが帰り道には
通りたくない場所がある
トンネルだ
るいか
るいか
今日は学校の宿題があって早く帰らないと終わらなかった。
るいかには1分も無駄にはしていられず
トンネルを通ることにした
るいか
通行人は少ない。それには理由がある
るいか
るいか
るいか
るいか
るいかは怖さを紛らわすためイヤホンをして音楽を聞くことにした
るいか
♪。.:*・゜♪。.:*・゜♪。.:*・゜
るいか
ふと、るいかの足が止まる
るいか
るいか
それでも怖く、るいかはイヤホンの音量をMAXにして早歩きになる
るいか
しばらくするとさっきの事なんか忘れてノリノリでるいかはトンネルを歩いた
音楽は自動再生で短い曲を聞いていた
ちょうど1曲目が終わったところで
るいか
るいか
頬に生ぬるいものが当たる感覚
トンネルには電灯が少なく暗くて見えない
スマホのライトをつける勇気は無かった
るいか
ちょうど2曲目がおわった。
るいか
るいか
るいか
怖くなったるいかは親に電話をかけることにした
るいか
ブチ
るいか
スマホの電源が切れた
るいか
るいか
すごく嫌な予感がした
るいか
ドクン、ドクン
るいかの心臓はバクバク音を立てる
るいか
コツン。コツン。
るいか
後ろから足音がした
それはだんだん近づいてくる
るいか
コツン。コツン
るいかはもしもの時のために持ち歩いている小型のライトで
トンネルを照らすことにした
るいか
るいか
電源を入れて照らした。
ライトを後ろに向けると
るいか
るいか
そこには誰もいなかった
るいか
るいかは前を向いた
るいか
10メートルほど先に見えたのは
全身黒ずくめの
赤い血を浴びた男
るいか
怖くて声も出なくて足も動かない
それでも必死に男のいない方向に向かって走った
カバンなんてどっかに投げた
必死に必死に走ったのに
今、目の前には
るいか
赤く染った男の顔
るいか
トンネルには甲高い叫び声が響き渡った
このトンネルはおわらない。
[完]