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夜のトンネル

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夜のトンネル

1 - 夜のトンネル

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2019年05月21日

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塾の帰り道

午後9時30分

季節は冬だから日も沈むのが早く真っ暗だ。

るいか

(早く帰んないと)

るいかは自然と急ぎ足になる

るいか

はぁ。

塾からるいかの家まではそれほど遠くないが帰り道には

通りたくない場所がある

トンネルだ

るいか

(トンネル。。。暗いなぁ)

るいか

(でもここが1番の近道なんだよね...)

今日は学校の宿題があって早く帰らないと終わらなかった。

るいかには1分も無駄にはしていられず

トンネルを通ることにした

るいか

(誰かいれば安心なんだけど)

通行人は少ない。それには理由がある

るいか

(確か、3年前にこのトンネルで殺人事件があったんだっけ)

るいか

(犯人は捕まったみたいなんだけど)

るいか

(捕まった人の供述が矛盾してるとか何とか...)

るいか

(まぁ早く帰らねば。)

るいかは怖さを紛らわすためイヤホンをして音楽を聞くことにした

るいか

(走りたいとこだけど、カバン重くてちょっと無理なんだよねぇ)

♪。.:*・゜♪。.:*・゜♪。.:*・゜

るいか

ん?

ふと、るいかの足が止まる

るいか

頬になにか当たった?

るいか

(風かなんかかな。)

それでも怖く、るいかはイヤホンの音量をMAXにして早歩きになる

るいか

(次はなんの曲かな〜)

しばらくするとさっきの事なんか忘れてノリノリでるいかはトンネルを歩いた

音楽は自動再生で短い曲を聞いていた

ちょうど1曲目が終わったところで

るいか

るいか

(また何か...)

頬に生ぬるいものが当たる感覚

トンネルには電灯が少なく暗くて見えない

スマホのライトをつける勇気は無かった

るいか

(そう言えばこんなにトンネル長かったっけ?)

ちょうど2曲目がおわった。

るいか

(1曲1分くらいで。)

るいか

(2曲目がおわった。)

るいか

(約2分。早歩きなのにまだトンネルを抜けない。)

怖くなったるいかは親に電話をかけることにした

るいか

(ママの連絡先は...)

ブチ

るいか

スマホの電源が切れた

るいか

(さっき何%だったっけ)

るいか

(塾行く前に100%にしなかったっけ。)

すごく嫌な予感がした

るいか

(トンネル入った時より暗くなった気がするのは気のせいかな)

ドクン、ドクン

るいかの心臓はバクバク音を立てる

るいか

(...)

コツン。コツン。

るいか

ヒールの音...

後ろから足音がした

それはだんだん近づいてくる

るいか

(良かった)

コツン。コツン

るいかはもしもの時のために持ち歩いている小型のライトで

トンネルを照らすことにした

るいか

(通行人の人の顔が見える方が安心だしね...)

るいか

(それに暗闇からいきなり私が声をかけたらビックリするだろうし。)

電源を入れて照らした。

ライトを後ろに向けると

るいか

...

るいか

そこには誰もいなかった

るいか

あれ?

るいかは前を向いた

るいか

え...?

10メートルほど先に見えたのは

全身黒ずくめの

赤い血を浴びた男

るいか

......

怖くて声も出なくて足も動かない

それでも必死に男のいない方向に向かって走った

カバンなんてどっかに投げた

必死に必死に走ったのに

今、目の前には

るいか

...!?

赤く染った男の顔

るいか

いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

トンネルには甲高い叫び声が響き渡った

このトンネルはおわらない。

[完]

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