脳を貫く夏の音
うるさい程の蝉の声
いつか、今日の夢を見たんだ。
僕らの夢を、見たんだ。
あなた
不快になるほど熱の篭った自身の部屋の温度と、肌に纏わり付くような湿気にあまりの不快感で目を開く。
今はまだ、夏を代表する虫すらも鳴き出さぬ時間だ。
これから2度寝をする事には何の問題も不遇も無いが、
お生憎様、この目はすっかり覚醒してしまっている。
こんな暗い中モゾモゾと1人動き回るのも滑稽だ。とにかく電気を付けよう
手探りで見つけ出したリモコンのボタンを、これまた直感でぽちりと押した。
まあ、どうやらビンゴだったようだ。
まだ慣れぬ部屋の明かりに、目の奥がじんと痛い。すっかり浮上してしまった意識に釈然としないまま、ただただ天井を見つめた。
あなた
?
なんだこれ
いや、違う
私はこの景色を知っている。
どこかで、歓声の上がる声が聞こえた。
あなた
人波に押されるまま、群衆の集まる人の群れに押し込まれた。
顔すら見知らぬ人々に揉まれ、ただただ息苦しい。
必死に彼らをかき分け、なんとかその中から顔を出すことが出来た。
あなた
綺麗な、人だ。
…どこかで見た。
____思い出せない!!!
あなた
目が覚めた。
どうやら電気を付けたまま、もう一度眠ってしまっていたらしい。
おかしな夢を見た。どこか、意識の奥でデジャブを感じていた。
朝になったらしい窓の奥で、
蝉が鳴き始めていた。
コメント
1件
わざわざ絵を入れたのは文字で表現出来なかった故…、余計に分かりにくかったら申し訳ない。