目が覚めると病室にいた
なんでだ?
思い出せない
しかも傷だらけ
ぺいんと
思考を巡らせてみる
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
事故って…なんのことだ?
そもそも俺は事故にあっていたのか?
……あれ…?
しにがみ……
しにがみって……
誰だっけ…?
ぺいんと
必死に思い出そうとする
無駄だった
ただこれだけはわかる
絶対忘れちゃいけない人な気がする
でももう…疲れちゃったな……
もう……いいや
そうして俺は考えることを放棄した
これも病気の一環だろうか
ぺいんと
俺は瞳を閉じた
コンコン
その時に、ノックがなった
誰だろう
ぺいんと
クロノア
細くてすらっとした、かっこいい男の人が入ってきた
いいなぁ…身長高いの
クロノア
しにがみ
クロノア
トラゾー
今日は俺だ
ぺいんととは久しぶりに顔を合わせる
嬉しいような、悲しいような
病室には1人しか入れなくても、最初は絶対3人集まるって決めている
心だけでも4人で揃いたいから
トラゾー
クロノア
しにがみ
コンコン
ぺいんと
トラゾー
ぺいんと
いつもだったら「うぉー!トラゾー!!」と笑顔で嬉しそうに返してくれる
それを期待していつも通りの挨拶をしてみるがやはり無駄だった
ぺいんと
あぁ…辛い
本当のことを全て言ってしまいたい
トラゾー
トラゾー
トラゾー
なんておどけてみせる
自分自身でつらさを倍増させて追い詰めてどうするんだ
ぺいんと
トラゾー
ぺいんと
お前なんだけどなぁ
ついこの間まであった輝きを失った瞳が窓の外を向いた
そしてぺいんとは呟く
ぺいんと
ぺいんと
トラゾー
希望が見えた
トラゾー
ぺいんと
ぺいんと
お前の悪い所だ
そういうところ
ていうか、なんでそれは覚えてんだよ
俺たちよりも…その方が大事なのか…?
そうなのか?ぺいんと
ぺいんと
トラゾー
ぺいんと
どうせ今日で忘れるくせに
トラゾー
ぺいんと
ぺいんと
んなこと知ってるわばか
トラゾー
勇気を振り絞って、少しの希望を抱きながら昨日の出来事を聞く
トラゾー
ぺいんと
トラゾー
ぺいんと
ぺいんと
トラゾー
そりゃそうだ。こいつは一日で記憶が無くなる
なんで当たり前なことをわざわざ聞いたいんだ
トラゾー
トラゾー
トラゾー
どうせ忘れると思うが、少しでも思い出す切り札となればいいなと提案する
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
トラゾー
ぺいんと
トラゾー
ぺいんと
トラゾー
トラゾー
トラゾー
ぺいんと
ガラララ
ぺいんと
ぺいんと
「さよなら」は言わなかった
「またね」と言った
またあの記憶のある状態で話したいから
そしたらぺいんとは「またね」と返した
その「また」はくるのだろうか。
トラゾー
2人はいない
少し…1人になりたい
しにがみ
クロノア
しにがみ
しにがみ
クロノア
しにがみ
探し続けて何分かかっているだろうか
そして少し薄暗い場所にたどり着いた
まるで僕たちの心を表しているみたいだ
しにがみ
どこからかすすり泣く声が聞こえる
聞いたことがない声だ
声のする方に歩いてみると
しにがみ
トラゾー
トラゾーさんがいた
トラゾーさんが泣いていた
必死に抑えながらも出てしまう泣き声が切なさを増す
しにがみ
声をかけるべきか否か。
トラゾーさんは僕が取り乱している間も冷静に対応してくれていた
その分、僕にできることはしてあげたい
しにがみ
声をかけようとした瞬間
クロノア
クロノアさんが来た
しにがみ
クロノア
しにがみ
クロノア
クロノア
クロノアさんもトラゾーさんが泣いている姿を見て呆然としていた
クロノア
しにがみ
なにかに納得したようにつぶやく
クロノア
しにがみ
クロノア
クロノア
なんて僕に笑って聞かせる
全然笑えていないが
クロノア
クロノア
何言っているのか普段の僕なら理解出来ていない
でもこれは分かる
こうでしか説明できない辛さがあるんだ
クロノア
しにがみ
クロノア
明日は僕の日
どうなってしまうんだろう
……耐えられるかな
弱音だけ吐いてても仕方ない
決めたんだ
僕がぺいんとさんを救う
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと
よりもと