本当は怖い話1

昨日の話なんだけどさ、学校で校内放送が流れたんだ。

｢ナイフを持った不審者が侵入して、生徒が数人襲われた｣、｢警察に相談したが現在逃げている｣って。でも俺その放送が流れたとき、ちょうどトイレの個室に入ってて、廊下からみんなの逃げる声とかしてんだけど出られなくてさ

でも逆に下手に今逃げるより、ここで隠れてるほうが安心かもと思って、そのままトイレに隠れてることにしたんだ。

んで、少し経ったんだけど、急にピタッと廊下から聞こえてた声とか無くなって、

代わりに一つだけ.........

だれかがトイレの方に向かってくる足音だけ、聞こえてたんだよ。

やべー。

と思ったんだけど、もう今からじゃ出られないじゃん。そしたら、そいつ案の定トイレに入ってきて、最悪なことにトイレの個室のドアを順番に開け始めたんだよ。

俺がか隠れてたのは、入口から4番目の個室でさ、もう心臓が超バクバク。

1番目、バタン。

2番目バタン。

3番目、つまり俺が隠れてる個室の隣に、近づいてくる。

カチャ.........

ドアのノブに手をかける音がした。

そしたらなんか、隣にも隠れてたやつがいたらしくて、抵抗したみたいなんだけど、力ずくでこじ開けられちゃって。

って、隣のヤツが叫んだんだ。

正直オレもつられて叫んじゃいそうになった。

でもそのあと、そいつスグ、

って言って、泣き出したんだよ。要するにトイレのドアを順に開けてたの、学校の先生だったんだよね。

なんだよー、ふざけんなよー、って俺思ってさあ。

俺も隣のやつと一緒でさ、もうすげー泣きそうになってたから、逆にすげー安心しちゃってさ、すぐにドア開けて、その先生に言ったんだよ

って。

～解説〜

怖い！学校にナイフを持った侵入なんて、絶対やめて欲しいわよね。だけど、トイレにこもっていた語り手はなぜ、警官かと思ってあせったのかな？警官が来て困る人物は、この場に1人だけ。そう、犯人。隠れていたのは生徒じゃなくて犯人だったの。ってことは先生も隣の個室にいた生徒も危ない！上手く逃げられてるといいんだけど.........。ちなみに最後に先生と対面し、｢あせったよ。警官かと思った。｣といった彼は、満面の笑みだったそうよ.........。