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nagi.
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ひな
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nagi.
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1件
うわあ…めっちゃ切ない…。 ユラの「お似合いだなぁ」って笑って言うところとか、夜の部屋の前で立ちすくむシーン、ぐっときました…。 好きなのに「過去形」にしないと進めないって、ほんとに苦しいよなって。鳴海さんは気づいてないんだろうけど、ユラの“普通”を装う優しさが痛いくらい伝わってきた…。 続き、ユラの恋がどうなるのかすごく気になります…!
篠﨑 ユラ
朝一番。
第一部隊の隊舎に響く、明るい声。
鳴海弦は、手元の端末から顔を上げる。
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
ケラケラ笑うユラを見て、鳴海は小さな息を吐いた。
いつもの朝。
いつものやり取り。
それだけでユラは嬉しかった。
鳴海と話せる。
それだけで、今日も頑張れる気がした。
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
その返事だけで、胸の奥が少しだけ痛んだ。
けれどユラは笑った。
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
鳴海は不思議そうに首を傾げる。
その横顔を見ながら、ユラは思う。
_____いいな。
キコルちゃんは、鳴海さんの隣にいることが 普通だから。
自分にはまだ少し遠い場所。
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
いつものように笑う。
いつものように返す。
それでいい。
それ以上を望んじゃいけない。
そう思っていた。
数日後。
訓練場で、ユラはキコルと鳴海が話しているところを 見かけた。
四ノ宮 キコル
鳴海 弦
鳴海さんがキコルちゃんの端末を覗き込む。
距離が近い。
キコルちゃんは真剣な顔で鳴海さんの話を聞いていた。
時折、鳴海さんが何か言うと、キコルちゃんが 小さく笑った。
篠﨑 ユラ
ユラは足を止めた。
胸の奥がきゅっとなる。
でも、
篠﨑 ユラ
小さく呟いて、笑う。
篠﨑 ユラ
自分でも驚くくらい、自然にそう思えた。
何より、キコルちゃんは鳴海さんのすぐそばにいる。
自分とは違う。
自分はただ、
鳴海さんの近くで笑っているだけ。
だから、
きっと、
鳴海さんが好きなのは_____
篠﨑 ユラ
そう思った。
まだ、このときは、
ただの思い込みだと思っていた。
その日の夜。
ユラは、忘れ物を取りに隊舎に戻っていた。
廊下を歩きながら、ふと立ち止まる。
前方に見慣れた後ろ姿があった。
篠﨑 ユラ
こんな時間に、どこへ行くんだろう。
そんな軽い気持ちで見ていると、キコルちゃんは 迷うことなくある部屋の前で止まった。
ユラの足が止まる。
その部屋を、知っていた。
_____鳴海さんの部屋。
篠﨑 ユラ
思わず声が漏れた。
キコルちゃんは慣れたように扉をノックする。
少しして、
鳴海 弦
部屋の中から、鳴海さんの声が聞こえた。
キコルちゃんは扉を開けた。
そして何の迷いもなく、中へ入っていく。
パタン。
扉が閉まる。
静かな廊下に、一人だけ取り残された。
篠﨑 ユラ
ユラはしばらく動けなかった。
頭の中で、さっきの光景を何度も繰り返す。
鳴海の部屋。
夜。
そこへ行くキコルちゃん。
しかもあんなに自然に。
_____ああ。
篠﨑 ユラ
ポツリ。
笑い声のような、小さな息が漏れた。
篠﨑 ユラ
訓練場で話していた2人。
近い距離。
自然な会話。
そして、
鳴海さんの部屋へ向かうキコルちゃん。
一つ一つは、きっと大したことじゃない。
だけど、ユラの中ではそれらが全部繋がってしまった。
篠﨑 ユラ
誰が、
なんて言わなくてもわかる。
鳴海さんが、
キコルちゃんを、
そんなんだろう。
そう思った瞬間、
胸の奥がぎゅっと苦しくなった。
だけどユラは泣かなかった。
それから、ユラは少しだけ変わった。
鳴海を見つけても、以前ほど駆け寄らなくなった。
話しかければ笑う。
いつも通りに振る舞う。
でも、
自分からは近づかない。
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
篠﨑 ユラ
慌てて首を振る。
篠﨑 ユラ
鳴海 弦
鳴海さんはそれ以上追求しなかった。
その優しさが、少しだけ苦しかった。
もし、
もしも鳴海さんが、自分のことを好きだったら、
きっと、こんな簡単に終わらせたりしない。
だから、これはただの片想い。
自分だけが勝手に好きになって、
自分だけが勝手に諦める。
それだけの話。
夕方。
任務を終えたユラは、一人で隊舎の廊下を歩いていた。
窓の外は、もう夕焼けに染まっている。
今日も一日が終わる。
篠﨑 ユラ
伸びをして、窓の外を見る。
ふと、下の階から声が聞こえた。
鳴海 弦
鳴海さんの声。
ユラは足を止めた。
少しだけ胸が痛む。
でも、もう大丈夫。
何度も自分に言い聞かせてきたから。
篠﨑 ユラ
誰にも聞こえない声で呟く。
過去形。
そうしないと、前に進めない気がした。
篠﨑 ユラ
鏡に映った自分の顔は、ちゃんと笑っていた。
いつもの自分。
明るくて、
元気で、
なんでも笑って誤魔化せる、自分。
だから最後ぐらい、
ちゃんと笑って終わらせよう。
そう思って、ユラはゆっくり歩き出した。
鳴海 弦
その背中に、鳴海の声が届くことはなかった。
振り返らない。
振り返ったら、また好きになる。
だから、このままでいい。
胸の奥に残った小さな恋を、そっとしまい込む。
そしてユラは、いつものように笑った。
___私は鳴海さんのことが、ずっと好きだったけど、
鳴海さんは、きっと、
キコルちゃんのことが好きなんだろうなぁ