𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡
母
前世の俺に名前は無かった
表向きではあったらしいけど、本当かは知らない
子供なんていたら名前くらい聞かれるだろうけど、俺の戸籍とかどうなってたんだろ
母
多分名前はいらないとかそういう感じだったんだろうな
母
だって着物の下には何個も痣があった
ガンッ
母
ザザ…
ガタンッ!
傍から見れば、いつもそばに母親がいた
俺たち親子から見れば、言うまでもなく劣悪な関係で結ばれてた
ずっとお互いが1人で、その孤独を親は俺と近所の関係で誤魔化した
俺はずっと人間以外で誤魔化してた
猫
正直あまり好きでは無かった
噛んでくるし、たまに引っ掻いてくるし
でも痣になってるとこ舐めてくれたり、この子だけはずっといてくれた
失明してた右目のあたりもよく舐めてくれた
ふわ…
猫
神様が俺が1人じゃないようにここに来させてくれてるって、本気で思った
俺にとって、どんな形でも孤独じゃなければそれは救いであり幸せだった
クイクイ
猫
ガッ
猫
ある日のことだった
母
想像もしたこと無かった親からの言葉だった
母
母
バシッ!
母
ザ…
カタン、
違かった
誰かに愛されたいわけじゃ無かった
他の誰でもなかった
母から愛されてみたかった
母が後戻りできなくなって
自分から離そうとしてこうしたんだって
自分には理解できなかったから
猫
猫
この子が1人になるのは嫌だなって
それだけ思った
猫
ぴょんっ
猫
ぎゅ、
ガサッ、
ザザザ、
カタン、
タッタッタッタッ
飼い主になってくれる人を探そうなんて、当時では少し馬鹿馬鹿しいけど
しばらく走ってたら周りを見渡してる人がいた
すごい綺麗な目の人
璃桜
今でも鮮明に覚えてる
顔がとても整ってて、不思議なヘアピンしてて
璃桜
璃桜
純粋に疑問に思った
璃桜
璃桜
璃桜
璃桜
しばらく考えた後に手差し出された
嬉しかった
素直にその手を握って、一緒に歩いた
初めて誰かと、並んで歩いた
歩いてると周りの大人が少しニヤニヤしてて怖かった
でもしばらく歩いてたら見つけたらしく、少し駆けて寄ってった
主人さん
璃桜
主人さん
主人さん
璃桜
主人さん
主人さん
主人さん
主人さん
少しだけ悩んだ
だけど返答する前に、目の人が返事した
璃桜
主人さん
主人さん
主人さん
璃桜
璃桜
そんなこと言われるなら、潔くいきたい
何が正解とかは分からないけど
これは最も正しい答えだといいな
最も正しくてこれなら、俺は救いようがないけど
肉の腐った匂いが今だと分かる
感覚が麻痺しそうなぐらいの強い匂い
もう何も見えない
左目の辺りに血が流れてる感覚がある
…あの子は
げんき、かなぁ
…
……
………
………………
……………………………………………………
猫
璃桜
猫
璃桜
猫
猫
璃桜
璃桜
猫
猫
猫
璃桜
璃桜
カタカタ
パタン
ザクッ
サクサクッ ザク
主人さん
主人さん
主人さん
主人さん
主人さん
タッタッタッタッタッ
主人さん
……………………
主人さん
………………………………………
主人さん
璃桜
主人さん
璃桜
主人さん
主人さん
璃桜
璃桜
Kanata
Ama.
Kanata
Ama.
Ama.
Kanata
Ama.
Kanata
Ama.
Kanata
Ama.
Kanata
Ama.
Kanata
Ama.
Kanata
Ama.
Ama.
Ama.
Kanata
Ama.
Ama.
Kanata
Ama.
Kanata
Ama.
Kanata
Ama.
Kanata
Kanata
Ama.
Kanata
Ama.
Ama.
ば〜い
コメント
8件
待ってごめん衝撃的すぎて長文になる左目の辺りに血が流れてる感覚って左目も突かれて失明したってこと、??? 肉の腐った強い匂いは自分のってことかな、 あまおどんな壮絶な最期迎えたんだよぉぉ、、 寄り添ってくれたぬっこはかなたんだといいな(((