テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
昼休み、私は保健室のベッドに横たわっていた。
理由は簡単。
「ちょっと体調が悪くて」。
嘘じゃない。
けど、本当でもない。
昨日から、胸の奥がずっとざわざわしてる。
先生
保健の先生は、いつもの優しい笑顔でそう言った。
でも、その笑顔の奥にある"何か"が気になる。
あの人の目、時々「見透かしてくる」。
ベッドに横になると、カーテン越しに外の光が滲む。
光って、こんなにうるさかったっけ。
まぶしくて、痛い。
目を閉じると、昨日のレイの声が蘇る。
ーー君さ、優等生ごっこ、飽きたんでしょ?
ふと、カーテンの向こうから誰かの気配がした。
レイ
心臓が跳ねる。
保健室の中、先生の気配とは別に、レイがいた。
日向
レイ
レイはベッドの縁に腰かけ、私の額に触れた。
レイ
私は答えない。
レイ
保健室の時計が、カチリと音を鳴らす。
時が進むたびに、心の中の"嘘"が剥がれていく。
レイ
私は目を開けた。
レイは、微笑んでいた。
でも、その目の奥には、"本当の私"を見ているような、怖さがあった。
日向
その言葉を吐いた瞬間、なぜか涙がこぼれた。
レイ
レイの指が、私の額に触れる。
すると視界がぐにゃりと歪んでーー
気づいたとき、保健室には誰もいなかった。
ベッドの横には、白い羽根が一枚落ちていた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!