氷の美少女は性悪です！

　本日のお天気は快晴。

　午前の授業を終えたシラは昼食を取りに食堂を訪れた。

　今日は天気がいいので外で食べるつもりだ。

　夜鬼鼠破（やきそば）パンを受け取って食堂を出ようとしたとき、

視界の端（はし）にブタとニット帽をとらえる。

　売店の隣でお悩み相談所を開いている二人をほほえましく思う。

　もちろん、手伝うつもりは毛頭（もうとう）ないが。

　シラは俊敏（しゅんびん）な動きでお悩み相談所の近くにいたウツの前に立った。

ボンッ

　シラの魔術によりウツの制服がひっらひらのワンピースに変化した。

　ウツは目を見開き、やがて怒りに震え始める。

　ウツはス魔ホでフラウに電話をかけ、

　と、ここからウツは口説き文句をつらつら並べ始めた。

　あまりにも長いので、あきたシラはウツのス魔ホを奪った。

　事実を曲げまくったことを言い始めたシラからウツはス魔ホを取り返そうと手を伸ばす。

　しかし、

　ウツが取り返す前に通話が終わった。

　二つの意味で。

　シラはウツにス魔ホを返す。

　ウツはシラからス魔ホを奪い取りあわててフラウに電話をかける。

　昨日に引き続き今日もシラのおかげでUTU48の一人を失ったウツは激昂（げっこう）する。

　しかしシラはなにごともなかったかのようにウツの手を握った。

　ふと見せたシラの柔らかいほほえみにウツの心臓がはねる。

　そのほほえみはさっきの怒りを忘れてしまうほどだった。

　元のすました表情に戻ったシラはウツの手を引いて中庭へ向かった。