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妖魔銃殺者 第1話

妖魔銃殺者 第1話

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妖魔銃殺者 第1話

♥

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2019年04月03日

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小さい頃から俺は霊的なものが見える

一概に霊と言っても確信はなく喋る事もない

ただそこにいるだけの存在 置物と大して変わらない

だから孤独が癒される事も、退屈が紛れる事もない

そんな事もいつしか気にする事はなくなった

そのうちに高校に上がっても消える事はなく、見え続けている

毎朝いつも通りの時間に起きていつも通りの時間に朝食を食べる

周りを見渡してみると今日は家の中にいるみたいだ

恐怖などは感じる事はなく、むしろ少し安心すると言ってもいい

しかし、流石に家の中にいるのは珍しく、気になってしまう

少し話しかけてみようか…

那月

おはよう、いい天気だね…

霊?

………

那月

やはり喋る事はない

なんなんだよこいつら

気にするのをやめ、再び朝食を食べた

何事もなく朝食を食べ、家を出た

学校へ着くと、いつも通りの教室へ入った

キーンコーンカーンコーン

朝のチャイムがなり、いつも通り先生が眠たそうに入ってくる

先生

はいー

先生

じゃあHRを始めるぞー

先生

安西〜……

3時間後

その後特に誰とも交流せずただ黙々と授業を受けた

昼休みの前の最後の授業が終わり購買へ昼食を買いに行こうとした時だった

純夏

那月くんちょっといいかしら

那月

!?

那月

お、俺のこと?

純夏

そうよ、ちゃんと名前を呼んだはずだけれど

那月

そ、そうだな悪い

那月

(話しかけられることを想定していなかったから動揺してしまった…)

那月

な、なにか用?

純夏

えぇ…でもここだと少し話しづらい内容だから、放課後談話室に来てもらえるかしら

那月

(ここだと話せない?)

那月

わ、わかった

純夏

じゃあまた後でね那月くん

那月

クラスが騒めく

那月

(無理もない、俺に話しかけてきた九条純夏はクールで美人という男子から女神のように崇拝されている女だ)

那月

(皆…と言っても9割男子だが、視線が痛いな…)

那月

(不本意だがトイレに直行だ)

那月

(やってくれたな九条純夏!見事に俺の平穏をぶち壊しやがった)

那月

(にしても九条が俺に?話したいこと?)

那月

(女子に呼び出された男子の考えることは皆一緒だ)

那月

(いやいや、冷静に考えろそんな事ありえない)

那月

(後々分かる事なのに動揺が隠せないな)

そう考えているうちに昼休憩の終わりの時間を知らせるチャイムが鳴った

那月

(そんなに時間が経っていたのか、とりあえず教室へ戻ろう)

那月

那月

あ、昼飯買うの忘れた…

那月

(今日は散々だ…)

教室へ戻りまた入るのはなかなか緊張し、出なければよかったと後悔しながら扉を開けた

やはり皆俺に視線を向けた

それがいい意味でない事は見なくても分かる

当の本人である九条は何事もないように席に座っている

そんな九条に不満を持ちつつ午後の授業を受けた

勿論授業なんかに集中できないのは当たり前だった

放課後

談話室は旧校舎の二階にしかなく、俺は足早に向かった

談話室へ着くと扉は開いており、中には九条が座っていた

那月

お待たせ

純夏

こんにちは那月くん

那月

で、用ってなんだ?

純夏

純夏

さっきより随分と落ち着いているのね

那月

どういう意味だ?

純夏

そのままの意味よ

純夏

まぁ無駄話は嫌いだし単刀直入に言うわ

純夏

私と妖魔退治をしてちょうだい

那月

那月

は?

純夏

まぁそういう反応になるわよね

純夏

でも人間じゃないものが見える貴方ならすぐ受け入れられるはずよ

那月

ちょ、ちょっとまて

那月

色々気になるがまずなんで俺が人間以外の物が見える事知ってんだ?

純夏

知ってるわよ私も見えるもの

那月

理由になってねぇよ

那月

まて情報量が多すぎる

純夏

どう協力してくれる?

那月

するわけないだろ!なんも知らないのに、とりあえず詳しく聞かせてくれ

純夏

駄目よ仲間以外に話せる内容じゃないもの

那月

那月

え?何言ってんの?

純夏

協力するなら話してあげる

那月

ごめん、何言ってのか分からん

純夏

じゃあもう一度言ってあげる

那月

いやいいから

純夏

そう?

那月

(なんなんだこいつ、頭がおかしいのか?)

那月

(協力すると言質を取るつもりみたいだが…)

那月

協力はしない

那月

何をするかもわからない上に俺にメリットがあるのかもわからない

那月

協力すると思うか?

那月

無駄話は嫌いだと言ったな あいにく俺も嫌いなんだ

純夏

……

那月

終わったなら俺は帰るぞ

純夏

純夏

協力しないと死んじゃうかもしれないわよ

那月

那月

それは脅しか?

純夏

脅しじゃないわ警告よ

那月

それはどうも

そう言って談話室を後にした

こんな下らない話をするために俺があんな目にあったと思うと無性に腹が立った

不機嫌のまま家に帰った

那月

ただいま

那月

っても誰もいないか

家の中を見渡しても朝いた霊はいない

那月

消えた?のか

那月

(以前家にいた奴は一日くらい同じ場所にいたんだが、行動が統一されてるわけじゃないんだな…)

そして30分かけて高校の課題を終わらせると夕食を済ませお風呂に入った

ふと、今日のことを振り返る

那月

そういえば九条の言っていたこと、妖魔退治?だったっけ…

那月

(そもそも妖魔ってなんだ?)

那月

(妖怪…とおんなじようなものか…?)

那月

(いややめよう。そんなくだらないことを考えている余裕はない)

ギェェェェェェェェェ!!

那月

うお!

突然奇声が街に鳴り響いた

那月

びっくりしたな…

那月

なんだ?今の…遠くの方っぽかったけど

那月

向こうか?

風呂の窓を見てみても声の主を確認できなかった

以降声は聞こえず1時間ほどが経過した

那月

(さっきはびっくりしたけど)

那月

(まぁなんか変人がいたんだろ)

そう結論付けると、寝る支度を始めた

寝る支度を終えて、少し休みながらテレビをつけたが特にめぼしいチャンネルもなく、テレビを消した

寝るつもりが、突然無性にアイスが食べたくなりコンビニに行くことにした

近くのコンビニまではここから5分程度で行けるので結構都合がいい

家から出て歩き出した

今日の夜はやけに薄気味悪く、なんだか少し不気味だった

少し考え、その理由がわかった

あたりを見渡しても霊が一体もいない

那月

(おっかしいな…いつもなら夜に多く見えるはずなんだが……)

那月

(普通は見えない方がいいのだが
すっかり麻痺しているのだろうな)

コンビニまで勢いよく走った

恐怖を逃すためと言ってもいいだろう

とにかく走った

コンビニの光を見ると何故だか安心した

店内に入るといつも通りアイスコーナーへ行った

那月

(いや〜何も買うつもりなくてもアイスコーナーは見ちゃうよな〜)

那月

おぉ!これは!

那月

期間限定の抹茶キャラメルアイス!

那月

(これは買うしかない…)

那月

(一応二つ買っておこう)

無事に買い終えると行きの薄気味悪さは感じず、ウキウキしながら帰路を辿った

少し歩いた時だった

ギェェェェェェェェェェェェ

那月

!?

那月

(さっきの声だ…今度は近いぞ)

ふと後ろを振り返った

すると得体の知れない物体が猛スピードで俺に向かってくるのがわかった

驚きで立ち尽くしていたがすぐに逃げなくてはと感じだ

だがすでに遅く実行する前にその物体に吹っ飛ばされた

那月

あぐっ!

幸いにも吹っ飛ばされたところが茂みだったこともあり、大事には至らなかった

意識は朦朧としていたが

ぶつかったそいつが化け物だと知るのに時間は掛からなかった

何がなんだか分からなかったが 恐怖だけはしっかりと感じだ

その化け物はゆっくりと歩いてくる

那月

やば…に、逃げない…と…

間違いなく逃げれない

いよいよ死を覚悟した…時

パン!!

ギェェェェェェェェェ

銃声のような音とともに化け物は再び奇声をあげ逃げていった

那月

な、なんだ…?

何がなんだか分からなかったが

月夜に照らされた九条純夏の姿は しっかりと見えた

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