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もしも魔法が使えたなら。〜2〜

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もしも魔法が使えたなら。〜2〜

1 - もしも魔法が使えたなら。〜2〜

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2019年11月24日

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もし、と考えてしまうのが この頃の悩みだ。

私のせいで、苦しみ続け、必死に もがく大切な人を見て、

ついそんなことを考えてしまう。

でも、

でも、もしも。

もしも魔法が使えたなら、 あなたなら何をしますか…。

朝、あなたの部屋にいる。

あなたはまた、夢にうなされて いる。

あ、起きた。

そして、まず。

おはよう。

あなた

…。

きっとあなたは私の存在に 気付かない。

当たり前。 なのに、

いつも、少し苦しい。

慣れないなぁ。

少し寂しく、 私の言葉は空気に溶けていった。

あなた

…。

あなたは毎朝、 私の写真を見ながら 物思いにふけっている。

あなた

…っ…。

無表情なあなたの目は、 少し濡れていた。

あなた

…。

まっすぐ歩くあなた。

何を思い立ったのか、 急に坂道を駆け下りた。

それを見て、少し笑ってしまう。

あの頃の、私のようだ。

あなた

バカだなぁ…。

あなたが言った。

でも、

…バカなのは、私のほうだよ。

つぶやいた言葉は やっぱりあなたに届かなくて。

私が死んでからも、私のことで
苦しむなんて、

あなたはバカだ。

でも、

ホントにバカなのは、

自殺を止めようとしたあなたに、

離してくれるようにするための
ウソをついた私だよ…。

そうだ。

私は飛び降り自殺しようとして、 それを止めようとしたあなたを 振り切るために 「あなたのせい」 と、ウソをついた。

ごめん、ごめんね…。

あなたを苦しめたいわけじゃない、
なのに…

私の目から温かいしずくが とどめなくあふれてくる。

あなたの、バカっ

あんなウソ、信じないでよ…

私の、バカっ!

ウソなんかつくから、あなたが傷つくのに…

あなたには、

何を言っても聞こえない。

でも、口と目から言葉と涙は どんどん溢れて止まらない。

ごめん、ごめんなさいっ…。

いまさら謝っても遅いのに、 届くはずないのに、

私はずっと、謝っていた。

あぁ、神様。

もしも私に魔法が使えたなら、

もう一度、あなたと笑い合うことを 私は望む。

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