太宰が意識不明に なってから早1ヶ月、 短く思えて、中原にとっては とてつもなく長い時間だと感じていた。
太宰の側にいなければ 何時も不安を感じ、 その不安は毎日少しづつ 大きなものになっていった。
初めは与謝野女医の 言葉に励まされたが、 中原にもいい加減 限界が近づいてきていた。
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そうだ
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そうだ
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ごめん
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ごめん
タヒぬから、、 タヒんで償うから、、 太宰を連れていかないで、、
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、、分か、った、、
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!!駄目、、だ
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そ、、れは、、
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治くん
治くん
"中原さん"
中也
中也
中原はベッドから飛び起きた。 身体中汗でびっしょりだ
中也
中原は恐怖と不安に包まれた
中也
中也
中也
突然、中原は昔読んだ本を 思い出した。
作者は覚えて居ないが、 確かこんな物語だった。
主人公は、かつて 生活の為に悪事を 繰り返していた元悪党、 もう1人は凛々しく心優しい 青年だった。
2人は一番の親友で、 青年は貧しい主人公に 自分が営むパン屋の残り物を 何時もくれていた。
ある時、青年は強盗の 手によって○されてしまった
主人公は酷く悲しみ、 三日三晩泣き続けた
ある時、主人公から 天の囁きが聞こえてきた。
『青年を助けたくば、 己の命を身代わりとせよ』
中也
『身代わり』、 それがこの作品の名前だ。 主人公が命を掛けて青年に 恩返しをするという 感動と友情の物語だ。
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中也
中也
物語の天の声と 同じ台詞が聞こえてきた。 勿論幻聴だが、今の中原に それが理解出来まい。
中也
??
中也
そもそも、今の状況と 物語の状況ば違うのだ。 青年は既にタヒんだ後だったが、 太宰はまだタヒんではいない、 根本的に間違っているのだ。
つまりこの声は天の声などではなく、 悪魔の囁きなのである。
与謝野さん
与謝野女医の言葉がチラつく
中也
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中也
再び幻聴が中原を襲う
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中也
中原の中で、何かが切れた。
中也
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中原は黙々と首吊りの 準備をしていた
その顔はまるで、 全てから解放されたかのように、 不思議と穏やかだった。
いよいよ準備が終わった
中原は自分の首に ロープを引っ掛ける
中也
中也
中原は、完全に幻聴を 信じきってしまっていた
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中也
中原は目をつぶり、 静かに首を───────
ピリリリリリリッ…ピリリリリリリッ…
静寂の中、1本の着信音が鳴った
中原の首には既にロープで 絞められてはいたが、 幸いにもギリギリ足は椅子に着いていた。
中也
中也
中原はロープを首から離し、 椅子から降り着信に応えた
中也
国木田さん
相手は同僚の国木田だった
中也
国木田さん
国木田さん
コメント
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ぅぅぅぅ(இдஇ`。)太宰くん…… 生きてて良かったぁぁぁ(இдஇ`。) 中也も死んだらだめぇ(இдஇ`。)