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#冷えたらむねと赤い図書館
# 篠 宮 .
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🦉🖤赤葦京治/一方的な矢印 赤葦京治×片想いされてる先輩女子生徒 赤葦視点 作成日/2026/8/18 ──────────────────
数ヶ月前、ある生徒に一目惚れしたのを覚えている。 おそらく3年生、先輩、そんな雰囲気だったのも覚えている。
足音や話し声が耳をつんざく、廊下は響きやすい、だからこそ昼休み等に歩くとうるさい。きっとバレー部員の皆は購買に行っているんだろう。 財布を手に取って階段へと向かう、廊下は騒がしく人が多い、昼休みは特に。
同級生たちを避けて曲がり角を曲がろうとした時、誰かにぶつかりそうになった、間一髪で足を止めてその人物を見下ろす。
目の前の人物が顔を上げて俺と目が合った時、途端に顔が熱くなった、緊張で心臓がうるさくなる。無理もないだろう、自分が片想いしている先輩と会えば誰だろうがそうなるはず。
「『あ…』」
声が被って思わず口を きゅっと閉じた、お互い少しだけ気まずそうな雰囲気になって、今すぐ逃げ出したい気分。 いや、彼女だって本当はもう行きたいのだろう、でも俺にジッと見られているから動けない。
先に口を開いたのは俺だった、声が掠れそうになって、また顔が熱くなる。
赤葦京治
YOU
赤葦京治
YOU
初めて本人と話したかもしれない、お互い名前も知らないし、今初めて声も聞いたのに、俺だけが一方的に彼女に矢印を向けている。 そう考えるとなんだか切なくなった。
赤葦京治
やばい、なんて言おう、何話そう。 そもそもぶつかっただけなのに。
赤葦京治
ふと、彼女の手元に視線が落ちた、一つのファイルを両手で抱えている。そしてなぜ3年生であるはずの彼女がわざわざ2年生の階まで来たのか。
赤葦京治
YOU
そうなんですね、と返そうとした時、俺の制服のポケットが震えた、スマホだ。 スマホを取り出して軽く画面を確認してみる、通知で明るくなったホーム画面に映し出される<木兎 光太郎>の名前。
<木兎 光太郎> バレー部のやつらで集まって昼食ってっけど、赤葦は!?
赤葦京治
小さく呟いて返信を打とうとしたとき、目の前の彼女が木兎さんの名前に僅かに反応した気がした。彼女の視線が俺に突き刺さるからスマホ画面のキーボードが打ちづらい。
赤葦京治
YOU
YOU
その言葉を聞いた途端、木兎さんに感謝したくなった。二人共通の話題がやっと出てきて心が楽になるのを感じる。
赤葦京治
YOU
赤葦京治
YOU
YOU
YOU
間違いなく、俺の事。 っていうか木兎さん、俺本人がいない場でも名前出してるのか…、ともかく徐々に話題がつくられていくのが心底安心する。
赤葦京治
YOU
ばっ、と彼女は自身の口元に手を当てた、手の上からでも分かる、ほんのり赤くなっている彼女の頬。 照れるように笑いながら彼女が口元の手を退けて目を細めた。
YOU
赤葦京治
YOU
本当に偶然ってすごい。 一目惚れした子に会えて、今こうやって話してる。
ふと俺が近くの教室の壁掛け時計を一瞥した時、あと少しで昼休みが終わってしまうところだった、彼女の手元へと視線が移る。 「2年生の先生に用事があって渡す」と言っていたファイル、このまま話していたら遅れてしまう、あるいは渡せなくなってしまうのではないか、と思った。
赤葦京治
赤葦京治
YOU
近くの教室の壁掛け時計を彼女が確認する、肩を落とすのを見て、内心 わかりやすいな、と小さく笑った。
YOU
YOU
赤葦京治
彼女の素直な言葉に思わず頬が緩んだ、本当は引き止めたい気持ちだって完全に無いわけではない、でも彼女の邪魔をしてはいけない。 こちらに手を振りながら廊下を歩く彼女、それに対して俺も小さく手をひらりと振った。
遠ざかっていく背中をしばらく見てから、やっと階段を下りていく。 「(時間無いな、)」 「(購買行けるかどうか分からない)」
赤葦京治
赤葦京治
俺の一方的な矢印。 報われるかは分からないけど、きっと諦めることはない、広い校内の中で次に会えたら、次はちゃんと話せますように。
コメント
1件
ああ、第3話、すごく良かったです…! 赤葦くんの一方的な片想いが、偶然の出会いから少しだけ交差する瞬間が、もう本当に甘酸っぱくて。木兎さんが架け橋になって「あ、赤葦さんってあの人か!」って向こうも気づく流れ、自然で胸がきゅっとなりました。最後の「次はちゃんと話せますように」って願いが、また次のエピソードを読まずにはいられなくさせますね。続き、楽しみにしてます🌷