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日差しの暑い日の午後、日差しの暑さがもうすぐ夏が来ることを予感させる。 主とミライは薬草を採るために森の中にいた。

ミライ

主、仕事や研究で忙しいのにごめんなさいね

いや全然大丈夫だ。むしろ誘ってくれてサンキュー

ところでどんな薬草採るんだ?

ミライ

“ケムリグサ”と“センコウバナ”…コレを使って
煙幕や閃光弾を作ろうと思っているの

名前そのままだな…どのくらい採ればいい?

ミライ

そうね…採り過ぎもあまり良くないから…様子見で5本ずつかしら?

了解〜…ん?

その時ふと主の足が止まる。

ミライ

…?主どうかしたの?

ミライのその問いに主は何も答えない。森の中は静寂で支配されている。 二人の間を穏やかな風が吹き、木の葉が一枚、ひらりと舞った。

…ミライッッ!!

主が名前を呼ぶと同時にミライと自身の体を伏せる。 その瞬間、主達の後ろにあった木が真っ二つに切り落とされ 大きな音を立てて倒れる。

???

…今のを避けるか

そこに立っていたのは自分達と同じ年齢であろう少女が立っていた。 黒と白が混じる髪、光のない赤と黒のオッドアイ、顔には包帯が巻かれている。 黒い袴のような服に季節外れの赤いマフラーが静かに揺れている。 彼女の手には刀が握られており、異常なまでに刀身が白かった。

…誰だ…お前…

主は鉄パイプを手に持ち、その少女を紙越しで睨みつける。 主の声には警戒と焦りの感情が滲み出ていた。

???

…名前を教える必要があるのか?

少女は刀を軽く持ち直す。それを見たミライが 詠唱をして魔法を発動させようとした時___。

ミライ

ぐッ⁉︎

ミライが何者かによって吹き飛ばされ、それを追いかけるように 二つの黒い影がミライの飛ばされた方向に行く。

ミライッッ!!

???

よそ見をしている暇があるのか?

少女が一瞬で距離を詰め、刀が振り下ろされる。 主は咄嗟に鉄パイプを盾にして受け止める。

ギィィン!!

金属が火花を散らし、主の手に衝撃が響く。

ッ…クソッ!

主は後方に跳び距離を取る。 少女は追ってこず、ただ静かに刀を構えている。

???

…お前の“能力”…全て私がもらう

ドォォン!!

ミライ

ケホッケホッ…なんなのよ、ここは…

ミライはさっきまでいた場所とは違う 日差しが届かない鬱蒼とした場所まで飛ばされた。 辺りはぶつかった衝撃で砂埃が舞っている。

ミライは魔法で衝撃を和らげたものの、微かに身体に痛みが走る。 その時、砂埃の中から二人の声が聞こえてくる。

???

結構本気で蹴ったつもりだったけど…
あんまり効いてない感じ?

???

…木に当たる直前、魔法で衝撃を吸収したのか

やがて砂埃が晴れ、はっきりと姿が見えてくる。

一人は黒い瞳に黒髪のチャイナ風のお団子ヘア、赤いチャイナ服を着ている。 もう一人の方は茶髪に水色の瞳、迷彩柄の服に狙撃銃を持っている。

ミライ

…貴方達は誰?あの女の仲間なのかしら?

???

名前を教える必要が…

鈴華

私は鈴華(リンファ)!こっちはカインだよッ!
私達、“ロスト”の仲間なのッ!!

ミライ

…ロスト?

カイン

…オイ

その瞬間、カインが鈴華に近づく。 表情は変わらないがカインの声はほんの少し怒気を含んでいる。

カイン

なぜ敵に名前を言う?

鈴華

え、でも名前聞かれたら答えないとでしょ?

カイン

…もういい、後でシメられても知らない

鈴華

え、ちょッ!?それは助けてよ!

ミライ

(よくわからないけれど…話してる今がチャンス…)

ミライが詠唱を唱え、魔法が鈴華とカインの元に凄まじい勢いで放たれる。 だが次の瞬間___

鈴華

《無極返し》!!

ミライ

なッ…

鈴華達に向けて放ったはずの魔法が反転し、勢いよくミライの元に戻ってくる。 ミライは間一髪でそれを回避するも銃声が響き、ミライの頬を掠める。

カイン

…外したか

鈴華

いいねッ!楽しくなってきたッ!

ミライ

(…まさか素手で魔法を跳ね返すなんて…いやそれよりも一番に
警戒すべきはカインの方…判断も射撃精度も半端じゃない)

ミライ

(主の方も心配…あまり時間はかけれない…)

ミライは再び詠唱して魔法を発動させようとする。

鈴華

させないよッ!

鈴華

《五行崩拳》!!

だが鈴華が一瞬で距離を詰め、詠唱する前に攻撃する。 連続して放たれる攻撃をなんとか回避するも銃声が響き、 今度は銃弾が腕を掠める。

ミライ

ッ…面倒ね…

カイン

鈴華、その調子で攻撃しろ。詠唱する暇を与えるな

鈴華

OKッ!!

ミライ

…なぜ貴方達はこんな事をするの?ロストの目的は何?

カイン

ロストに頼まれたからだ。正直アイツの考えてる事は理解できないし
アイツが何をしようとしてるかなんて俺は興味ない

カイン

ただ、仲間として頼まれたから実行する…それだけだ

そう言うカインの瞳には決意が宿っていた。

キィィン!!

森の中に金属音が鳴り響く。少女_ロストの攻撃を主が鉄パイプで捌く。 だがロストの攻撃は激しさを増し、捌ききれなくなってきている。

チッ!…痛ぇなこの野郎!

(…刀の扱いも技の精度も半端じゃねぇ…攻撃も予測しづらい…)

(一体どういう訓練したらこんなになんだよ…)

ロスト

…考える暇があるのか?

するとロストは主の腹に蹴りを入れる。その速さはまさに閃光___。

ドォォン!!

ゲホッゲホッ…テメェ…ふざけんなこっち昼飯食べた後なんだわ!
テメェのせいで気分悪くなったらどうすんだよッ!

ロスト

そんなの私には関係ない。それより一つ聞かせろ

あ?

ロスト

“何故能力を使わない?”

その言葉を聞いた主の動きが止まる。

ロスト

お前の能力…使えば私を一瞬で倒せるはず…
なのに何故使わない?

…呪いだからだよ。あの能力は私にとって…だから使わない

それよりこっちの質問にも答えろ…
お前は何者だ?何の目的で私らを襲った?

ロスト

…いいだろう、教えてやる。私はロスト…
虚無の世界の住民…そして…

ロスト

“別世界線のお前だ”

 

…は?…私?

ロスト

そうだ、私はここよりも強くなくちゃ生きていけない世界線のお前…

ロスト

そして…クソ野郎と戦闘してたった一回の油断で大敗北をかまして
仲間も親友も全員タヒなせて自分の世界を壊した…愚か者だよ

カイン

ロスト、それ以上はやめとけ

ロスト

…カインか、そっちは終わったか?

カイン

鈴華が一人で戦いたいとか言ったからこっちに来た
恐らくすぐに戻ってくる

…ミライに何した

カイン

…他人より自分の心配をしたらどうだ?

カインは一瞬で主の頭に銃口を突きつける。

カイン

…ずっと思ってたがこの世界は本当に平和だったんだな

カイン

折角の能力もまともに戦える相手のいない
平和なこの世界じゃ仕事や研究で満足出来る

カイン

それに途中から話を聞いていたが呪いだからとかいう理由で
能力を使わないのは随分と甘い考えをしているな

カイン

戦場じゃ使えるモノは全て使う。そうしないと生きていけないからだ

カイン

お前が能力を使わないせいで今こうして
追い込まれてる事を自覚しろ

…説教どうも…確かに、お前の言う通りだ…

だが能力は使わない…これはずっと決めてる事なんでね

カイン

…そうか、それじゃその選択をずっと後悔しろ

カインが引き金に指をかけた次の瞬間___。

ドォォン!!

轟音が鳴り、衝撃で地面が揺れ砂埃が舞う。 そして視界が晴れそこにいたのは___。

ソフィア

見ない間にボロボロになったじゃんッ!主ッッ!!

カイン

面倒なのが来たな、撃ち抜いてやる

そして森の静寂が再び突き破られる

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中人)はぇー……ロスト……強そ……ウッ頭が(※クトゥルフ神話TRPGではキャラクターのSAN値かHPが0になる、すなわち死亡した場合ロストしたと言います)

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