入学した頃からずっと
ふらっと校門にでてきて
手足をバタバタと振り回す
変な踊りをするおじさんがいた
みんなはそのおじさんのことを
「あきちん」と呼んでいた
最初はみんなも楽しんで見ていた
でもいつしかみんな慣れてきて
誰も気にする人はいなくなった
そして6年生になったころだった
私は学校に宿題を忘れてしまった
もう夜だったが仕方なく取りに行った
校舎には先生1人しかいなかったので
その先生と取りに行った
先生
私
私
私
先生
先生
私
その時なんとなく
外を見た
なぜか校庭にあきちんがいた
いつもとは違って突っ立っている
なぜかわからず見つめていたら
目が合ってしまった
顔を見て鳥肌がたった
あきちんの首は90度に曲がっていた
私
あきちんはこちらへ向かって すごい形相で走ってきた
最悪なことに昇降口は開いていた
私
先生
私
私
私
先生
先生も異常なことを察知したのか
大きな三角定規を持って
先生
といい教室を出て行った
私は教室に隠れて物音を聞いていた
しばらくして足音が聞こえなくなった
それからいつまで経っても先生の OKがでないので
するとあきちんが少しノイズの かかったような声で
あきちん
あきちん
あきちん
あきちん
とせきたててきた
このままではいられないと思い 教室を走って出た
私
あきちんは無言でおいかけてきた
そこからなんとか校舎を出た
もうあきちんが追いかけてこないことを 確認してさっきの教室を見ると
首が90度曲がったあきちんと 先生がこちらをじっと見ていた
それから私はあきちんをみていない
先生は急にいなくなってしまった
あれはなんだったのだろうか
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