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間に合わなかった

全部雨のせいだ

陽向

すぐに助けてくれれば花音は助かったかもしれないのに

陽向

あなた達は何をしてたんですか

陽向

おかしいでしょ

警察

すみませんが落ち着いてください

警察

花音さんは病院に運ばれた時点でもう・・・

陽向

事故ってなんだよ

陽向

なんでなんで花音なんだよ

警察

それが事故当時の様子は誰にも分からず事故相手は逃げてしまい

陽向

ふざけんな!

陽向

こっちは嫁の命が・・・

陽向

・・・

陽向

すみません
取り乱してしまいました

警察

いえ、かまいません

警察

取り乱して当然です

警察

事故現場に向かった時すでに事故相手はおらず

警察

隣で幼稚園児の小さな女の子が泣いていました

警察

その子はかすり傷程度だったのですが

警察

何を聞いても答えられるような状態ではなく・・・

陽向

女の子?

警察

ええ
母親の話だと習い事の帰りだったそうです

陽向

事故現場には他には?

警察

自転車のブレーキ痕が残っていました

警察

雨が降っていて視界が悪く、おそらく滑ったのではないかと

警察

どちらにしても相手の捜索に全力を尽くします

陽向

自転車
ブレーキ痕

陽向

とにかく相手を見つけてください

陽向

お願いします

陽向

ただいま

陽向

花音・・・

陽向

おかえりが聞こえないってこんなにも寂しいのか

陽向

あまりに突然すぎて

陽向

これは?

陽向へ おめでとう 陽向はいつも覚えていないけど

今日は結婚記念日だったんだよ いつもありがとう

これからもよろしくね 花音

陽向

結婚記念日・・・

陽向

だから良いレストランに行こうって

陽向

花音、ごめんな

陽向

ごめん

陽向

俺は何も分かってなかった

陽向

君のことも君の想いも・・・

陽向

涙って枯れないのか

こんなにも流れるものかというほど 俺は泣いた

泣いても泣いても 止まらなかった

花音がいない現実は あまりにも辛すぎた

あれからどのくらい 経ったのだろう

泣いて泣いて 自分も床もびっしょりだった

陽向

泣きすぎて頭が痛い

陽向

服は良いとしても床はやばいな

陽向

小さな水溜まりになってる

陽向

・・・

陽向

水溜まり・・・

陽向

確か花音は

陽向

水は記憶を残すって

陽向

あの日は・・・

陽向

雨だった

陽向

泣き疲れて何日か経ってしまったが今日は晴れか・・・

陽向

水溜まり・・・

陽向

そうだ
水溜まりだ

陽向

あの日の雨ならまだ水溜まりは残っているはず

陽向

ここか

陽向

道は二又に別れていて

陽向

あの日は視界が悪かった

陽向

花音の傘は坂の下にあった

陽向

坂の下か

陽向

もしかしたら坂の上から自転車のブレーキが効かなかったとしたら

陽向

ここでぶつかったのか

陽向

だとしたら・・・

陽向

あ!水たまり

陽向

それにしても水が記憶を残すって言ってもな

陽向

その記憶の呼び起こし方を聞いてなかったよ

陽向

もっと花音とたくさん話しておくんだった

陽向

もっと花音を愛せたのに

陽向

花音はいつも俺のことばかりで

陽向

俺は花音の何を見ていたんだろう

陽向

花音こんな時どうすれば良い?

陽向

どうすれば真実を見つけられる?

花音の祖母

陽向さん?

陽向

どうもお久しぶりです
おばあさん

花音の祖母

花音が事故にあった場所はここかな

陽向

そうみたいです

花音の祖母

お花を差し上げに来たんだよ

陽向

そうですか
ありがとうございます

花音の祖母

水溜まりなんて見つめてどうしたの?

陽向

いや、なんでもないです

花音の祖母

そう?

花音の祖母

それにしても事故当時の花音はどんな想いだったんだろう

花音の祖母

真実は誰も知らないんだね

陽向

そうですね・・・

花音の祖母

花音と一緒に居てくれてありがとね

花音の祖母

あの子は陽向さんと居る時が本当に幸せそうだった

陽向

いえ、そんな

陽向

僕の方こそ

花音の祖母

さてお花を置いたことだし私は帰るね

花音の祖母

あまり思い詰めないでね

陽向

ありがとうございます

陽向

おばあさん・・・

陽向

悲しいはずなのに気丈に振る舞ってくれてる

陽向

花音はおばあさんっ子だったもんな

陽向

おばあさんからの話よく聞いてたな

陽向

おばあさんからの話・・・

陽向

あ!水の記憶!?

陽向

おばあさん
ちょっと待ってください!

花音の祖母

水の記憶か

花音の祖母

花音から聞いたのかい?

陽向

そうなんです

陽向

だからもしかしたらと思いまして

花音の祖母

そうか

花音の祖母

あの日は雨だったからね

陽向

その水の記憶を呼び起こすと言いますか

陽向

その時のことを見る方法を知りたくて

花音の祖母

陽向さん

花音の祖母

ひとつ忠告しておくよ

花音の祖母

水の記憶は確かに存在する

花音の祖母

そこに人の気持ちが写る限り

花音の祖母

だけどもそこに写るのは

花音の祖母

嘘偽りのない真実だけ

花音の祖母

知って辛い思いをするかもしれない

花音の祖母

それでも知る覚悟はあるの?

陽向

はい

陽向

花音がいなくなった今

陽向

花音のためならどんなことでもする覚悟があります

陽向

事故相手が逃げたのならそれ相応の償いをしてもらいます

陽向

それが花音にできる僕の全てです

花音の祖母

そうかい

花音の祖母

花音はそれで喜ぶかな?

花音の祖母

確かに真実を知ることと犯人を知ることは大事だろう

花音の祖母

人として償ってもらうこともね

花音の祖母

だけども花音の命はもう戻らない

花音の祖母

だとしたら報復の気持ちで真実を知ることは危険だよ

陽向

報復の気持ち・・・

陽向

確かにそうかもしれません

陽向

でも・・・

花音の祖母

でももだってもないよ

花音の祖母

花音は何を望むだろう?

陽向

花音の望むことか

花音の祖母

いつだってそれを忘れないで

花音の祖母

さて、話を戻そう

花音の祖母

水の記憶

花音の祖母

水たまりの記憶を呼び起こす方法は

花音の祖母

水を制すこと

陽向

水を制すこと?

花音の祖母

水たまりには水をってこと

花音の祖母

人の持つ水と言えば

陽向

涙ですか?

花音の祖母

その通り

花音の祖母

涙は感情を持っている

花音の祖母

辛い感情も嬉しい感情もね

花音の祖母

記憶に感情を足した時

花音の祖母

真実が動き出す

花音の祖母

見たい時を思って涙を流せばそこに水面ができる

花音の祖母

水面は真実を写すよ

陽向

そうか

陽向

見たい時の感情を写すんですね

陽向

それが記憶と相まってそこに写る

陽向

おばあさん
ありがとうございました

陽向

あの日の花音に会いに行ってきます

この作品はいかがでしたか?

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コメント

2

ユーザー

夜遅くにコメント失礼します。真実がどうなるのか楽しみです

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