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LOST MITHに祝福を

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第三話「イヴァン・トルストイという魔術師」

♥

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2022年01月06日

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???

イヴァン・トルストイ……?

???

あはは、そうだ、そうだね

???

僕の名前は、イヴァン・トルストイだったね

幽霊がそう呟くと、今までモヤのかかっていた部分が一気に晴れ

イヴァン・トルストイという人物に限りなく近い姿を見ることが出来た

イヴァン

そうだ、全部思い出した

イヴァン

僕の家は僕らの兵器研究の失敗で没落して、張本人だった僕は家から追放されたんだ!

イヴァン

悲しいよね、辛いよねこんな人生

イヴァン

だから君たちでいいから返してよ!

イヴァン

僕の全てを返すんだ!

ジャンヌ

うっ…熱い!

フリッツ

魔力の放出だ

フリッツ

ジャンヌ、頼む

ジャンヌ

はい!

ジャンヌは、魔術武器である白い旗を振る

ジャンヌ

魔力を均等化します!

なんとか当たりの魔力量を増やし、熱を和らげる

ジャンヌ

どうですか?

フリッツ

うん、いけそう

イヴァン

あーあ、邪魔だなあ

イヴァン

でもいいや、まずは君からだね

フリッツ

そうだね

イヴァン

ソ連軍魔術兵器開発部門部長にして、ソ連魔術協会最上級太陽魔術師

イヴァン

イヴァン・トルストイの名において

イヴァン

魔術師のフリッツを、討伐します

フリッツ

流石魔術師、そういうところ分かってるんだね

イヴァン

一応これは正々堂々とした戦い

イヴァン

早く君も何か言ってよ

フリッツ

はー、仕方ない

フリッツ

魔術師フリードリヒ・サスピアーの名において

フリッツ

ソ連魔術協会最上級太陽魔術師、イヴァン・トルストイを

フリッツ

討伐する

イヴァン

いいね、やっぱこういう闘いの方が好みかな

フリッツ

夜の闇に囚われし者は、二度して光を見る事はできない

フリッツ

これは罪深き者への罰

イヴァン

真実と正義の名において

イヴァン

我が道に仇なす者は、

フリッツ

永遠の闇よ、悪しきを捕らえよ!

イヴァン

一人残らず罰せよ!

フリッツ

ジャンヌ!

ジャンヌ

はい!

ジャンヌが旗を回し、防御結界を作り出す

しかしそれではイヴァンの魔術を防ぎきれず

フリッツ

おっと危ない

フリッツが咄嗟に威力の低くなった火球を交わした

ジャンヌ

すみません!

フリッツ

いや大丈夫、気にしないで

イヴァン

ふーん、なかなかやるじゃん君たち

イヴァン

ねぇそこの旗の子

ジャンヌ

あ、はい!何でしょう

イヴァン

所属は?

ジャンヌ

イングランド時計塔初級魔術師、太陽魔術専攻

ジャンヌ

ジャンヌ・アントワーズです

イヴァン

イングランドの時計塔かー……

イヴァン

じゃあ、君も討伐対象だね

イヴァン

そこで魔術師フリッツの補助だけしてる子なら、見逃しても良かったけど

イヴァン

僕らは対時計塔の部隊

イヴァン

君たちは一人残らず根絶しないとね

フリッツ

ジャンヌ、その旗をどんな風に使ってもいい

フリッツ

だから絶対に自分の身を守れ

ジャンヌ

分かりました

フリッツ

そいつは短い年月でかなりの高等霊になっている

イヴァン

ユピテル、サターンの光の加護よ

フリッツ

惑星加護を同時に利用した魔術か

フリッツ

ジャンヌ、後ろに下がれ!

ジャンヌ

はい!

イヴァン

僕の道を邪魔する者は、全て殺してよ

イヴァン

そして、イヴァン・トルストイの行く道に

イヴァン

栄光あれ!

フリッツ

防御結界!

フリッツがルーンを素早く書き、地面に叩きつける

ジャンヌ

わーすごい

結界がドーム状に広がり、上からの無数の光線を防いだ

イヴァン

フリッツさん、かなりの魔術師みたいだね

イヴァン

でもこれで終わりにしてあげる

フリッツ

じゃあ、僕も一気に決めてあげる

イヴァン

数多の星々の記憶を辿り、

イヴァン

知りしは我が世界の終焉

イヴァン

トルストイの裁きは

イヴァン

日の光によりて全てを焼き付くさん

フリッツ

黒鷲の帝国、人工消滅せし国

フリッツ

その力永遠に廃れることなく

フリッツ

人々の心の中に遺り続けるものなり

『さぁ!目の前の敵を打ち破れ!』

2人の声が重なった瞬間

まるでプロミネンスの様な炎と、黒い光で出来た大斧がぶつかり合う

フリッツ

ジャンヌ…危ない!

ジャンヌ

あ、すみません!

ジャンヌは急いで詠唱をすると、辺りに結界を作り出す

それでも赤と黒の光は消え去ることなく

視界一面にひろがり続けた

フリッツ

倉庫…何も入ってなくて良かったあ

ジャンヌ

見事に全壊しましたからねー

イヴァン

君…凄いよ

イヴァン

時代が時代なら、宮廷魔術師になれたかもね

イヴァン

残念、僕の夢はここまでみたい

イヴァン

このマフラーの持ち主には謝っといて

イヴァン

怖がらせてごめんねって

イヴァン

それじゃあね

魔術師、イヴァン・トルストイはそのまま黒いモヤとなり

辺りへと溶け込んでいった

フリッツ

それじゃあ、このマフラー送り返そっか

ジャンヌ

この依頼人さんは取りに来ないんですねー

フリッツ

遠方の人だし、仕方ない

フリッツ

調査によって、このマフラーには前の持ち主の幽霊が取り憑いていた事が判明

フリッツ

除霊には成功し、もう問題はございません

フリッツ

こんな感じでいいかな?

ジャンヌ

良いんじゃないですか?

フリッツ

これをダンボールに入れて、コンビニに出しに行ってくるねー

ジャンヌ

はーい

フリッツ

魔術的なものは一応見ます

フリッツ

ヤバいやつなら武力行使です

ジャンヌ

そのキャッチコピーやめません?

フリッツ

えー、いいじゃないか

フリッツ

じゃ、行ってきまーす

ジャンヌ

寄り道しないで下さいねー!

もしもあなたの家にも魔術遺物があったら是非持ってきてくださいね

魔術遺物研究所はそういうの専門の組織ですから!

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