背後から腕を回される
その年の秋
群生している桜の木へふたりだけで連れ立った
ひらひら
1本の桜の木だけが花を咲かせていた
季節はずれの満開の桜に目を見張る
ぎゅっ
抱きよせられた
俺の言うことを聞く
唇を耳元に寄せる
陽炎
陽炎
陽炎
ゆっくりと上半身を起こす
陽炎
炳紅楼
炳紅楼
のぞき込むように見つめてくる
陽炎
萌葱
陽炎の隣で萌葱は寝息を立てていた
陽炎
炳紅楼
陽炎
陽炎
炳紅楼
陽炎
炳紅楼
炳紅楼
陽炎
陽炎
陽炎
なんで、俺の前から姿を消した?
どうして、一緒に連れていってくれなかったんだ?
お前が何者であろうとも、そばにさえいてくれたら────
それだけでよかった
炳紅楼
炳紅楼
炳紅楼
炳紅楼
陽炎
炳紅楼
炳紅楼
陽炎
炳紅楼
炳紅楼
炳紅楼
陽炎
炳紅楼
陽炎
──たとえ、何年かかろうとも必ず見つけ出し連れ戻す
お前は誰にも渡さない
コメント
9件
はじめまして、素敵なストーリーですね…! Follow失礼しますm(_ _)m