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外に出ると、予想以上に多くの人々が通りを行き交っていた。

空を見上げると、色とりどりのタペストリーが風に揺れている。

アストレス

何かの祭りなのだろうかと僕は思った。

隣を歩くリサも同じように上を見上げている。周囲は楽しげな雰囲気で満たされていた。

勇者や悪魔の仮装をした人々が溢れ、通りを賑わせている。

アストレス

出店の店主も赤と白のストライプ色をしたピエロの格好をしていたので、僕は少し興味を引かれ、声をかけてみた。

アストレス

今日は賑やかですね。何かの祭りですか?

出店の店主

ああ、そうさ。年に一度の収穫祭だ。皆が好きな格好をして、思いっきり騒ぐ日さ。あんたは旅人かい? だったら運がいいな。今日は一年で一番星が綺麗に見える日なんだ。これも天体の魔法使い様のおかげだよ

アストレス

そうなんですね

店主は僕がその「天体の魔法使い」だとは知らないまま、続けた。

出店の店主

天体の魔法使い様は、夜空を照らす光を与えてくださる偉大なお方だ。ちゃんと祈りを捧げるんだぞ

アストレス

はい。わかりました

すると、隣でリサがクスクスと笑い声を漏らしていた。何かおかしいのだろうか、僕は不思議に思いながら、彼女の笑顔に目を留めた。

リサ

ふふっ、面白いですね

リサは、店主からメンチカツを二つ受け取った後、少し離れたところで、笑いを堪えきれずにいたようだ。彼女の表情には、楽しげな様子がありありと浮かんでいる。

アストレス

こら、面白くないぞ。誰にも知られてはいけないのだからな

リサ

はいっ。わかっています、師匠

「天体の魔法使い」と呼ばれる者がいる。

僕たちは夜になると星を創り出し、空へと打ち上げ、

夜空を美しく照らす。それが僕らの使命であり、

人々に安心を与える役割を担う。

しかし、

その存在は裏方に徹しており、誰もその正体を知らない。

人々に知られることなく、ひっそりと星を生み出し、夜空に散りばめる――

それが「天体の魔法使い」の本当の姿だ。

この役割には、決して破ってはならない掟がある。

「天体の魔法使い」として名を馳せ、天狗のように名前を使ってちやほやされることは厳禁だ。

それは、代々受け継がれてきた鉄則であり、先代たちが守り続けてきた誇りでもある。

先代が「夜が暗く、何もないのは寂しい。だからこそ、美しいものを空に飾ろう」

と考えたことが、「天体の魔法使い」の起源とされている。

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