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雪華月夜に見た光彩色の花

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雪華月夜に見た光彩色の花

3 - 3.枯れた才能と蘭の花

♥

20

2024年02月13日

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蘭奈

話さなければいけないわね

蘭奈

蘭奈

玉響才華と、私の関係

蘭奈

玉響才華と私は、元々親友だった

蘭奈

才華ちゃん!

才華

どうしたの?蘭奈ちゃん

蘭奈

ふふっ、楽しいね

12歳の頃、夜桜蘭奈と玉響才華は死に場を探す旅に出ていた。

蘭奈

みんな酷いんだもん

蘭奈

私を見えない振りして

才華

大丈夫だよ

才華

私はそんなことしない

才華

全部全部、壊してきたわ

才華

家族も、人間関係も

才華

もう私たちは自由だよ

才華

これからも気に入らないものは全部壊そう?

蘭奈

…うん!

何も怖いものなんてなかった。

守るものも何もないのだから、何かに怯えることもない。

12歳の怖いもの知らずで純粋な心。

このどこまでも続いている青い空には何があるのか、見てみたかった。

蘭奈

…もう、怖いものはない、かぁ…

才華

どうしたの?

蘭奈

…ううん、なんでもない!

…だが、その旅は失敗に終わってしまった。

才華父

才華!!

才華

…あ…

しばらく旅をしてから、 才華の 父親が才華を探しに来た。

才華父

ふざけるな、こんなことして許されると思うな!!

才華父

いい加減自分の立場を理解しろ!!

才華父

お前は本当に何もわかっていないな

才華

…いい

才華父

はっきり言え!!

才華

許されなくていいよ!

才華

私はもうあんな家にいたくない!

才華

あんたなんて知らない!

才華

もう死にたいの…!!

「死にたい」

その言葉が変に強く蘭奈の頭に残った。

才華

ダッ

才華は蘭奈を置いて走っていった。

才華の父と二人、取り残されていた。

才華父

全く…

才華父

君もやめるんだ、こんな無駄なこと

才華父

時間の無駄だ

才華父

才華も才華だ

才華父

名前の通りにならないじゃないか

才華父

何がはなやかな才能だ

才華父

何がすぐれた才能だ

蘭奈

…あなたに、才華ちゃんの何がわかるんですか

蘭奈

何もわかっていないのはあなたの方ですよ!!

蘭奈

才華ちゃんに責任を全て押し付けて…!!

蘭奈は走って才華を追いかけた。

蘭奈

才華ちゃん…

才華

…蘭奈ちゃん

蘭奈

才華ちゃん…あのね、私…

才華

もういいよ

才華

もういいんだよ、私は

蘭奈

才華ちゃん、私、才華ちゃんに生きててほしくて、

焦りでうまく言葉を紡ぐことができなかった。

才華

蘭奈ちゃん

才華

生きててほしいなんて、言わないでよ

才華

私だってね、本当は生きたいんだよ

才華

でもね

才華

あんな家じゃ、私はきっと生きていけない

蘭奈

じゃあ私が…

才華

…大丈夫…

才華

…なんかじゃないかもね

才華

私だって生きたい!

才華

自由になりたい!

才華

幸せになりたいよ…

その才華の言葉の一つ一つが、蘭奈の頭の中で繰り返される。

才華

…“蘭奈”

才華

最初から私はね

才華

あんたを死なせる気なんてなかったんだ

才華

…あんたは幸せになってね

蘭奈

…という感じかしら

蘭奈

それから私は気を失ってね

蘭奈

それ以来、もう才華には会っていないの

氷翠

蘭奈

ごめんなさい、こんな話して

蘭奈

蘭奈

少し、出かけてくるわね

氷翠

あ、はい…

ガラッ

蘭奈と入れ違いに莉佳が現れる。

莉佳

氷翠…?

莉佳

師範、どんな話をしていたの…?

氷翠

…なんでもないよ

蘭奈

???

…夜桜蘭奈

蘭奈

…才華…

才華

久しぶりね

蘭奈が歩いていると、後ろに 才華が現れた。

蘭奈

…何の用かしら

蘭奈

あなたには、もう会わないはずだったのだけれど

才華

そうね

才華

…一体どこで、私たちの道が交わったのかしらね

蘭奈

氷翠に会ったらしいわね

才華

…やっぱり、あの子はあんたが教えてたのね

蘭奈

そうよ

才華

…蘭奈

才華

私たちは、戦わなければならない

才華

剣を抜きなさい

蘭奈

…そうね

蘭奈

もう私たちは、前みたいに仲良く
することは許されない…のかしらね

才華

そうよ

才華

例え神やあの方が許そうと

才華

私が許さない

才華

…運命に見放されたのかしら。私たち

蘭奈

運命だけじゃない

蘭奈

世界に見放されてるんだから

蘭奈

本当はあの夏、消えてなくなるはずだったのだから

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