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息を切らしながら冬の夜空の下を少女は走る。まるで何かから逃げるかのように。
騎士1
騎士2
冷たい空気が張り詰める夜の空の下。 ここヴォルローゼ国の王城では夜になると静けさ漂ういつもの城の雰囲気が嘘のように、衛兵と騎士達の慌てた声が複数入り混じり只事ではない雰囲気を匂わせていた。
そんな中、怒りと憎しみを露わにした金髪の男は己の近くにいた騎士と衛兵達に不気味な程の笑みを含ませ告げる。
リヴィアス
そんな金髪の男から命令を受けた数人の騎士と衛兵達は強く頷き、消息不明となった少女を再度、探し始める。
リヴィアス
男の憎悪に満ちた声が夜の空気に溶け込み消えていく。 夜の空に浮かぶ丸い金色の満月だけがその場にいた者達を静かに照らし続けていた。
額から汗が流れ、足がもつれそうになっても、逃げなければならない。命がかかっているのだから。
そんな強い思いを胸に少女は見慣れた景色を背にして走り続けた。