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大学の図書室で見付けた1冊の本

咄嗟に惹き込まれた

其の素敵な響きの名前と 聴き憶えのある題名に

 

  ﹃   地 梶 味 原 な 湊 華   ﹄

 

表紙に映された景色は

何時か彼と見た灯台だった

表紙を捲る

想いを確かめる様に

今も此の大学の何処かで パソコンと睨み合う彼を想う様に

一頁目の文章に眼を通した

 

捧 此 げ れ る は 可 地 憐 味 な な 恋 華 の の 物 君 語 に

 

梶 原 湊

中々良い感じだろ?

梶 原 湊

俺が書く文章

榊 美 月

わあ!?み、湊!

榊 美 月

急に来ないでよ

梶 原 湊

悪ぃ 笑

榊 美 月

やっと見付けられて嬉しい

榊 美 月

今度本屋で買って読むね

梶 原 湊

感想待ってるわ!

 

まさか貴方は想いもしないだろう

私が入学式当日に

気怠げに立つ貴方を後ろから眺めては 夢中になっていたなんて

まさか

最初から両想いだったなんて

此の本は

ただ只管に美しい恋の物語だなんて

信じやしないだろう

図書室の一角で微笑む彼に 此の恋の全てを明かすなんて

地味で在れ、可憐で在れ、

華である限りする訳が無いでしょう?

なんて

全て喉奥に留めて

美しさに溢れる文章を見つめながら

本の中に、そっと綴じ込めた。

 

『 地 味 な 華 』

梶 原 湊

 

此れは地味な華の君に 捧げる可憐な恋の物語

 

失恋した

たったそれだけだった。

でも

俺は思ってたより本気だったらしくて

アイツに負けた事、結構悔しかった

 

『 地味な華は見つけて貰えないの 』

 

儚く笑った君は誰よりも煌めいていた

 

 

あ と が き

 

まず此の本を手に取って頂けた事、 とても幸いに思います。

此れは私、梶原湊の実話で在り 此のあとがきは彼女へ向けたものです。

 

拝啓、地味な華の君へ

 

‘ 地味な華との可憐な恋 ’

 

如何にも綺麗で美しい言葉を 連ねただけの物語。

其れに価値は有るのか考えました。

彼女目線の文章は勘違いに 過ぎないかもしれない。

こんなものを読んだら嫌われるかもしれない。

其れでも彼女は言ったはず。

「 なーに書いてんのっ? 」 「 何かの作文? 」 「 見えなかった 」

「 見 せ て よ 」

一行読む毎に頬を赤らめているのなら 過去の自分に忠告してあげて下さい。

長くなるので、最後にひとつだけ。

今も私の瞳に映るのは、 隣で可憐に笑う華だけです。

 

君に捧げる恋文

𝐹𝑖𝑛.

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