テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
2件
わわ…めっちゃ雰囲気?好きです!! 参加ありがとうございます!!✨
#《夏色に染まる夕陽に飲まれた私》
#夏色物語. #小説コンテスト・ノベコン.
私の唯一の楽しみは, 学校の帰り道に寄り道して"夕陽"を見る事だった____.
彩.
誰にも相手をされない私.
学校に行く理由は勉学を学ぶ為だけ. 唯,それ以外には何にも無い筈だった.
けれども最近見付けた. 夏色に染まって行くこの頃には夕陽が見える.
とても綺麗だ. ずっとずっと見ていたい. ずっと永遠に見て過ごしたい. なんて叶わない事を願うばかりだな.
ぁ~ぁ…神様私の願いはいつ叶うのでしょうか??
もぶ.
彩.
私を利用したいと欲望の丸出しすぎるな.
もぶ.
彩.
もぶ.
(( お~い!!!!行けたぞ!!!!
(( おいwまじかよお前w
(( やっべめっちゃちょろい!!!! やっぱ俺がイケメンだからだなっ!!!!
(( いや其れはないわ.唯空気読んだだけだろ.
(( 直ぐに否定すんのやめてもろて???
なんて会話が此方まで響き渡る. 馬鹿なんだろうか. 私に聴こえてたら意味が無いだろうに. まぁ聴こえてても私は何も言えない. 唯,聴こえないフリをするだけ. そうやって平和に過ごすだけで私は充分だ.
彩.
少しでも息を吸うと溜息しか出なくなってしまった. いつもはこの時間帯は海の夕陽を眺めている. 其れが無くなってしまった. 折角の私の楽しみが……と私には絶望するしか無かった.
彩.
窓の外を見ると夕陽が真ん中に空に留まっていた. 案外,学校の夕陽も悪くは無い気がした. 私はこんな風に他の場所で, 紛らわさないと心が落ち着かない気がした.
彩.
彩.
なんて軽い気持ちで私は掃除をサボった. 急に独りで掃除しているのも虚しくなったからだ.
私は海までに急ぎ足で向かっている途中に, 空を見上げると夕陽は下がっていた.
もう之じゃあ海の夕陽を見れないと二度目の絶望をした.
諦めてとぼとぼと歩くかと思ったが… 私は逆に気になった. 今どんな風に海に映っているのだろうか.
夕陽は映るのだろうかと小学生みたいな事を考えた. 少し考えれば分かる筈なのに無性に気になってしまった.
私が着いた頃はもうそろそろ海へと戻る瞬間だった.
元々体力が無い癖に走ると息切れをしてしまった.
唯,私にとってはそんな事はどうでも良い. 少しでもこの夕陽を眺めてたい. 海へと戻るまでずっと眺めてたい.
ガシャンッと不思議な音がした.
何故か私は海へと向かっていた.
何故か.海が私を連れ込んだのか?? 其れとも夕陽が…??
丁度私が海へと落ちた瞬間は夕陽が海へと戻る所だった.
夕陽と私は一緒に戻った. まぁ人間は元々海で育ったと言われているし. 戻っただけな…筈でッ……
息が苦しくなった. 私の周りには泡だらけだった.
先程の景色とは違く,
夏色と混ぜ合わった青色だった.
唯,どんどんと夏色では無く濃い青色と変わっていった.
息苦しくて仕方が無い. 之が私の人生の終わり方らしい.
私の人生の癖に呆気無かったと思った. 誰も私を助けてくれない. もう誰も私には気付いてくれない. 存在事私は消えてしまったのだろう.
私の目には夕陽に飲まれた私が見えた.
哀した夕陽に飲まれた私は不幸だろうね.