大橋和也
…………
あの日から一週間。
声をかけた方がいいのは分かっていた
でも、
また、あんなことを言われるのが怖くて
逃げるようになった。
愛梨
…………
あれから一週間。
少し落ち着いてきたけど、まだ、
◯◯に囚われている自分がいた。
大橋和也
…………
あの日から一か月。
まだ怖くて、全然進めない。
でも逆に一か月も経ったら、
もうどうしたらいいかわかんなくなって
自分の焦りに囚われていった。
愛梨
…………
あの日から一か月。
だいぶ落ち着きはしたけど
同時にあることに気づいた。
愛梨
大橋になんて、謝ろう……
今じゃもう、このことで頭いっぱいだ
大橋和也
……………
あの日から数えられないほど経った。
そして今日は卒業式。
数えられないほど経ったのに、
まだ、距離はあのままで、
混乱に襲われながら
学校生活の幕を閉じた。
愛梨
……………
あの日から……何日経っただろう。
もう覚えてない。
でも、あの事はまだ覚えてる。
もう◯◯には囚われてはいないけど
大橋に謝らないとって、焦ってる。
気づけばもう卒業式。
言わなければいけない。分かってても
時間の魔法が切れたみたいに、
前の距離感がわかんなくなっちゃって
結局言えずに終わった。







