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彼氏

別れよう

三木麻里奈

えっ…?

同棲半年、付き合い始めて1年。

私達は喧嘩もないし、順調だと思っていた。

このまま結婚、なんて事も考えていたのに…。

三木麻里奈

なんで…?

三木麻里奈

何か不満があるなら話し合いたい

彼氏

…とにかく、もう無理なんだ

三木麻里奈

私に納得のいくように話して

彼氏

…………

彼氏

…お前、全然甘えたりしないだろ?

三木麻里奈

甘える?

彼氏

なんだかすげー真面目だし

彼氏

それに…

三木麻里奈

それに、なに?

彼氏

セックスだって、なんつーか機械的で

彼氏

反応薄くて全然感じてくれないし

三木麻里奈

彼氏

…まぁ、とりあえず

彼氏

俺、もう他に好きな子いてさ

彼氏

向こうも俺のこと好きなんだって

三木麻里奈

──は?

三木麻里奈

え、何それ

三木麻里奈

それって浮気じゃ…

彼氏

される方にも問題があるだろ

彼氏

正直、もうお前の不感症には付き合いきれない

──彼と別れてから1週間。

三木麻里奈

(昨日も眠れなかった)

三木麻里奈

(仕事、集中できない…)

三木麻里奈

(まさか、またこんなことになるなんて)

私は、これまで恋人と長続きしたことがなかった。

毎回理由は同じ。

セックスでの、私の不感症が原因だ。

三木麻里奈

(けど、今回初めて同棲までいって)

三木麻里奈

(私のことを受け入れてくれてるって)

三木麻里奈

(信じてたのに…)

考えないようにすればするほど、上手くいかない。

全部全部、私の身体がおかしいせいだ。

加賀屋利典

三木、今いいか?

三木麻里奈

っ、はい

三木麻里奈

(加賀屋課長だ…今日もかっこいい…)

三木麻里奈

(直属の上司ではあるけど)

三木麻里奈

(仕事のこと以外で話したこともない)

三木麻里奈

(一体、なんだろう)

加賀屋利典

この書類なんだが

無表情で資料を手渡され、思わず身構える。

三木麻里奈

…どうされましたか?

加賀屋利典

この前、三木が出したこの書類

加賀屋利典

入力が1つずつズレてる

三木麻里奈

えっ

三木麻里奈

そ、そんな…

書類を見ると、確かにズレている。

今までこんなミス、したことないのに。

三木麻里奈

申し訳ありません

三木麻里奈

すぐに作り直します…!

加賀屋利典

…あと、取引先への発注書

加賀屋利典

まだきてないって連絡があった

三木麻里奈

三木麻里奈

本当に、申し訳ありません

加賀屋利典

どうした、三木

加賀屋利典

らしくないミスが多すぎる

加賀屋利典

仕事中は集中しろ

三木麻里奈

はい…

三木麻里奈

(怒られて当然のミスだ、私が悪い)

三木麻里奈

(何もかも上手くいかない)

加賀屋利典

…これ

三木麻里奈

えっ?

加賀屋課長は、私のデスクに缶コーヒーを置く。

加賀屋利典

疲れている時は遠慮せずに言え

三木麻里奈

あ、ありがとうございます…

加賀屋課長の口角が、柔らかく上がっている。

それがあまりにカッコよくて、赤面してしまった。

加賀屋利典

無理はするなよ

三木麻里奈

はいっ

三木麻里奈

(クールでカッコよくて優しい)

三木麻里奈

(あんな人と付き合える子は、幸せなんだろうな)

三木麻里奈

(まさか、私だけ残業になるなんて)

三木麻里奈

(あれから他にもミスが見つかって)

三木麻里奈

(その修正に時間が掛かっちゃった)

三木麻里奈

はぁ…

三木麻里奈

…もう一生、恋愛なんてできない気がする

そう呟いた時、誰もいないと思っていたオフィスのドアが開いた。

三木麻里奈

加賀屋利典

三木、終わったか

三木麻里奈

課長、帰ったんじゃ…

加賀屋利典

直属の部下が残業しているのに

加賀屋利典

1人残して帰るわけないだろ

三木麻里奈

…ありがとうございます

加賀屋課長は、真面目で無表情なことが多いが

スタイルも良く、端正な顔立ちをしていて、尚且つ部下思い。

だから、隠れファンも実は多い。

三木麻里奈

すぐに帰る準備をします

加賀屋利典

いや、待て

加賀屋利典

聞きたいことがある

三木麻里奈

えっ?

加賀屋利典

最近仕事に集中できてないだろ

加賀屋利典

三木らしくない

加賀屋利典

…何かあったのか?

きっと聞く人が聞けば、くだらない理由だと言われるだろう。

言うべきじゃない。けど、加賀屋課長の真面目な表情を見たら

本当に私のことを心配してくれているんだと思えて──

三木麻里奈

半年同棲していた彼に、浮気されてフラれて

三木麻里奈

…どんな人と付き合っても私、上手くいかないんです

加賀屋利典

…………

三木麻里奈

──私が、不感症だから

ここまで言うつもりはなかったのに。

加賀屋課長の真剣な瞳に見つめられ、思わず打ち明けてしまった。

なんだか自分がとても惨めに思えて、涙が出そうになる。

加賀屋利典

──だったら、不感症じゃなくなればいい

三木麻里奈

…課長?

加賀屋利典

三木が恋人と長続きしない理由が不感症なら

加賀屋利典

それを克服すればいいんだろう

加賀屋利典

仕事にも影響が出ているんだ

加賀屋利典

その問題は、俺にも無関係ではない

三木麻里奈

…あの、課長

三木麻里奈

すみません。理解が追い付きません

加賀屋利典

不感症の克服

加賀屋利典

俺で良ければ協力するが

三木麻里奈

…はい?

不感症の克服に…?加賀屋課長が…?

──それって、つまり、加賀屋課長と私が…。

加賀屋利典

勿論無理強いはしない

加賀屋利典

生理的に無理というなら断っても良い

三木麻里奈

…せ、生理的に無理なんて

三木麻里奈

課長のことをそう思う人なんてなかなかいませんよ?

加賀屋利典

そうなのか?

三木麻里奈

…課長は、私に欲情できるんですか?

加賀屋利典

…できる

三木麻里奈

そ、そうですか…

加賀屋利典

で、俺で良いということか?

課長はさっきから、ずっと私から視線を外さない。

こんなに真剣に異性から見つめられたことがなくて、胸が高鳴る。

けど、きっとこの発言も、加賀屋課長は部下を想ってのことだ。

──だったら。

三木麻里奈

よろしくお願いします

加賀屋利典

…分かった

加賀屋課長が私に手を差し出す。

指先が触れ合い、そこから甘い痺れを感じた。

頬を赤く染めた私に、課長は低く艶のある声で囁く。

加賀屋利典

それじゃあ、三木がどの程度の不感症なのか

加賀屋利典

今から、俺に教えてくれ

不感症恋愛。―ちゃんとシたいだけ―

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コメント

13

ユーザー

元彼が♡♡♡下手だったんだよ

ユーザー

すすごい!❣️

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