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古いアパート。 薄暗い廊下。 黄の部屋の前。
インターフォン。 反応なし。
電話。 出ない。
桃
声が震える。 嫌だ。 嫌だ嫌だ嫌だ。
赫が扉を叩く。
赫
返事はない。 その時。
緑
緑が小さく言った。 全員が凍る。
ゆっくり扉を開ける。 暗い部屋。 冷たい空気。 静かすぎる。
そして。
床に倒れている、 黄を見つけた。
桃
桃が駆け寄る。
顔色が白い。 呼吸が浅い。 手首には、
赤い傷。
桃
揺らす。 反応が薄い。 水が震える声で叫ぶ。
水
紫はスマホを落としそうになりながら電話をかける。
赫は、 黄の手を握った。
冷たい。 怖いくらい。
赫
掠れた声。 初めてだった。 赫が泣いたのは。
緑は、 ただ黙っていた。 でも。
拳から血が出るほど、 強く握りしめていた。
桃
桃の声が、 狭い部屋に響く。
黄は床に倒れたまま、 ほとんど動かない。
呼吸が浅い。 顔色は真っ白。 冷たい。
水
水
水の声も震えていた。
紫も必死に説明している。
紫
赫は、 黄の手を握っていた。
細い。 軽い。 折れそうなくらい。
こんな身体で、 ずっと耐えてたのか。
赫
赫
返事はない。
桃は黄の肩を抱く。
桃
涙が止まらない。 怖い。 本当に。 このまま、 いなくなる気がした。
その時。
黄の指先が、 微かに動いた。
桃
桃
ゆっくり。 本当にゆっくり。 黄の瞼が開く。
視点が合わない。 ぼんやりと、 天井を見つめている。
桃
黄の視線が、 少しだけ動く。
ピンクの前髪。 涙でぐしゃぐしゃの顔。
黄
掠れた声。 小さい。 今にも消えそう。
桃の涙が溢れる。
桃
黄は、 ぼんやり周囲を見る。
紫。 水。 赫。 緑。 みんな、 酷い顔をしていた。
泣きそうで。 苦しそうで。
黄は、 少し困ったように笑う。 その笑顔が、 あまりにも弱々しくて。 全員の胸が痛くなる。
黄
赫
黄は震える声で続けた。
黄
赫
でも。 黄は止まらない。
黄
息が苦しそうだった。 言葉が途切れる。 でも。 それでも笑おうとする。
黄
その瞬間。 空気が止まった。
桃の目が見開かれる。 紫の拳が震える。 水が息を呑む。
”卒業まで” その言葉。
つまり。 その先は。
黄は、 ぼんやり天井を見ながら呟く。
黄
涙が、 静かに零れた。
黄
黄
黄
呼吸が乱れる。 でも。 止まらない。
今まで溜め込んできたものが、 全部崩れていく。
黄
桃は泣き崩れる。
黄は、 苦しそうに笑った。
黄
赫は、 黄の手を強く握った。
赫
声が震えていた。 怒りじゃない。 悲しみだった。
黄の目から、 涙が落ちる
黄
小さな子供みたいな声。 その瞬間。
全員、 理解してしまった。
この子はずっと。
本当にずっと。
一人だった。
黄
黄がそう言った瞬間。 緑が、 初めて感情を露わにした。
緑
静かな声。 でも。 震えていた。
黄の手をそっと握る。
緑
その言葉。 黄の瞳が揺れる。
緑
緑
その瞬間。 遠くから、 救急車のサイレンが聞こえた。
黄は、 薄く目を閉じる。
意識が落ちていく。 最後に見えたのは。 泣いている5人の顔だった。
そして。 小さく。 本当に小さく。
黄
そう呟いて。 再び意識を失った。