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桐人
玄関を勢いよく開けて、外に飛び出す。 俺の名前は、八雲 朝陽。高校一年生だ。 俺は今学校___ではなく、昔からの幼馴染の家に向かっている。 それが俺の日課だ。
そして、真っ白な肌の家に着いた。 汚れひとつもない、まるで新品な家だ。 俺もいつかはこんな家に住んでみたい。 そんなことを思いながら、チャイムを押す。ピンポンと軽快な音を鳴らすが、やはり返事はない。
桐人
バックから鍵を取り出し、ダークブラウンの立派な扉の鍵穴に鍵を差し込む。 不法侵入ではない。ちゃんと許可はもらっている。 ガチャリと音がして、簡単に鍵が回った。 中に入り、俺はすぐ2階に向かう。
桐人
寝室のドアを思いっきり開けて、そう叫んだ。 ベッドにはパジャマ着姿の幼馴染__平井 朝陽がいた。 朝陽はうーん、と少し声を上げただけで両手で抱きしめている枕に顔を埋めて、寝息を立て始めた。 俺は朝陽から枕を奪い取り、朝陽の肩を思い切り揺すった。
桐人
朝陽
眠そうな黄緑色の目をこすりながら、朝陽は驚いた顔をしていた。 俺はそんなのをお構いなしにまだ眠そうな朝陽をベッドから引き摺り下ろした。
朝陽
桐人
朝陽
桐人
朝陽
桐人
朝陽は眠気さが吹っ飛んだのか、最速で身支度をし始めた。 俺が、朝陽の家に行くのはこのせい。 高校一年生になってまだ、一人で起きれないのだ。そのせいで、俺が朝陽をなぜか起こしに行く係になったのだ。 でも、遅刻しそうになって焦っている朝陽を見るのは楽しいから俺は不満を覚えてはいない。
朝陽
制服姿に着替えた朝陽が俺の元にやってきて、声をかけてくる。 でも、よほど急いだのかシャツはヨレヨレで第一ボタンは閉まってなく、髪もまだ寝癖がある。
桐人
俺は慣れた手つきで寝癖を直し、シャツとボタンを直していく。 そこで、やっと家から出れた。
朝陽
桐人
俺は、朝陽の言葉を適当に促して、学校に向かって走った。
そこで事件は起きた。 遠くから悲鳴が聞こえ、悲鳴の方向から暴走したトラックが俺たちを目掛けて、突っ込んできた。
ドゴーン、と音がして、俺たちは宙に投げ出された。
桐人
朝陽
朝陽はまだ意識があるらしく、俺の名前を仕切に呼んでいた。 でも、俺は呼吸するのが精一杯で朝陽に答えれなかった。 体の力がどんどんなくなっていき、俺は意識を失った。
朝陽
俺は、息絶えた桐人を抱きしめながら祈った。
お願いだ、神様。 俺と桐人を助けてくれ。 異世界でもなんでもいい、地獄でも天国でもどこでもいい。 俺たちを生まれ変わらせてくれ。
朝陽
俺が口を手で押さえて咳をすると、手に血がついていた。多分、もう限界が近い。 俺は桐人を抱きしめながら息絶えた。