時は100年以上も前…
あるところに木造建築の小学校があった。
ある日の午後のことである。
学校の校庭の大きな木の下で男の子が2人何かを話していた。
トシユキ
今日さ、あることしたいなぁ、って思っててさ。
テツオ
お-、なにすんだ?
トシユキ
俺たちの思い出が詰まったタイムカプセルみたいなものを埋めておこうと思って。
テツオ
タイムカプセル?
トシユキ
そう、これから先何があるか分からない。思い出の物が焼けて消えてしまうかも…。だから、もし、俺たちが生きていたら堀り起こしてあの時の思い出をまた語り合いたい。埋めれば守られるだろ?
テツオ
それはいいとして語り合う前に俺らが死んだとしたらどうするの?
トシユキ
そしたら…そうだな。
未来の誰かに読んでもらえれば…それはそれで嬉しいかな。誰かがもしかしたら掘り起こすかも。
テツオ
そうだな。
トシユキ
よし、じゃあ、早速やろうか。家に行って思い出の物を持ってきて。
こうして2人は生き伸びてタイムカプセルを掘り起こして昔を語り合うという期待を抱き、大切な物を持って再び集まった。
テツオ
おーい、持ってきたぞ!それとトキコも連れてきた。話したらやりたい、って言うんでね。
トキコ
こんにちは!
私も混ぜてください!
トシユキ
お、いいよー!
3人でやろう!
トシユキ
写真か、いいね。
トキコ
トキコは作文持ってきました!後、家族写真も持ってきました!
それぞれが大切な物を箱に入れていく…。
手紙、作文、写真、賞状…
それぞれの大切な物を。
トシユキ
よし、これでオーケーと。
トシユキ
じゃあ、入れるぞ。
テツオ
うん。
トキコ
はい。
トシユキ
よし、後はお楽しみだ。
何年も先になって俺らが大人になり…生きていたら語り合おう!それまで生きるんだ!
テツオ
戦争なんか起こらないでほしいな。
トキコ
そうだね!
こうして3人は未来への期待を抱き、帰っていくのだった。