戦争末期、大日本帝国は欧米陸橋と対立を深め独立していた。
独立してもなお大日本帝国の火種が消えることはなく東南アジアに以前と進行していた。
そして昭和16年(1941年)12月16日、大日本帝国海軍最大級の戦艦大和が建造。
しかし、大和は1945年4月7日 米空軍の弾幕魔と攻撃により撃沈。
この物語りは、1人の若い大日本帝国海軍兵が愛する母国 愛する人を守るために戦場へ狩りでる話である。
昭和16年 12月17日
大日本帝国の国民は大和の建造に大きく期待を抱いていた。
春
長代 春。今年16歳になり国から徴兵を受けた若き兵士である。
春
春は大日本帝国国民でありながら戦争には強い反発感を持っていた。
春
武
春
日雀紫 武。春の同期で国から徴兵を受けたもう1人の青年
武
春
武
武も春同様に戦争に強い反発感を感じている青年だった。
春
武
春
コトコト…
げたの足音が近づいてくる。春が横を見ると、そこには花柄の美しい着物をきた少女が歩いていた。
武
春
武
春
武
春
武は春の手を引いて走っていく。
武
結衣
少女は武と春を見た瞬間、地面に伏せて頭を下げる。
結衣
武
春
結衣
武
少女は武の声にゆっくり頭を上げ立ち上がる。
武
結衣
春は結衣を見て赤面し固まっていた。
武
結衣
武
結衣
武
武は固まっている春の手を引いて結衣についていく。商店街は賑わっており結衣は商店街の隅の和菓子屋に入る。
武
結衣
武は春と一緒に椅子に押しかける。
結衣
武
春
結衣は頭を下げ、ふたつの羊羹を持ってくる。
結衣
武
春
2人は商店街を眺めながら羊羹を口に運ぶ。
武
春
結衣
武
結衣
武
結衣
春
武
結衣
春
武
結衣
武
春
2人は立ち上がり店の引き戸を開ける。
春
武
結衣
結衣は丁寧に2人に頭を下げる。2人は外に出て引き戸を閉める。
武
春
武
春
武は頷きその場から走っていく。
春
春
春は机に置かれた速達を手に取る。
春
春は少し周りを見渡し封筒を丁寧に開封する。
手紙にはこう書かれていた。
長代 春。 貴官は戦艦大和の対空機銃兵として判別された。乗艦日は明日だ。この書類と封筒は当日に携帯し、親族以外の者以外の者には公表するな。 大日本帝国海軍 海軍省
春
春は少し慌てる。
春
その時、家の引き戸が開く。
父親
春は生まれてまもなく空襲に襲われ、庇った母親が命を落とした。春は父親と共に生活していた。
春
春は封筒を父親に見せる。
父親
春
父親
春
父親
春
父親
春
父親
春
乗艦日当日
春はセーラー服と帽子を被り身だしなみを整え、海軍港に整列していた。
港には戦艦大和が停泊している。
春
武
春
武
春
武
春
2人は少し笑を浮かべる。
上官
上官に支持され、判別された若き兵士たちがボートに乗る。
ボートは動き出し、大和に向かう。
武
春
ボートは大和の側面に取り付けられた階段に停止する。
上官
ボートから階段を伝って大和に乗り込む。
大和の甲板に整列する。
春
上官
上官に連れられ春たちはついていく。上官に案外されたのは、主砲の横に取り付けられていたいくつもの対空機銃の持ち場だ。
上官
上官
上官が武を指さし武は上官の言われた通り、対空機銃の横の椅子に座る。
上官
武
上官
上官は整列していた新兵を次々と呼び、対空機銃の持ち場につかせる。
上官
上官が春を呼ぶ。
上官
春
そして午後には訓練が始まる。
春たちは、持ち場の対空機銃の場所まで走り準備をする。
春は木箱から弾倉を取り出し対空機銃の後方に装填する。
慶
春
令
武
大和の対空機銃は弾倉交換3名、標準2名で行う。弾倉は春、令、慶。標準が武と雅で編成されている。
雅
武
雅
武
そして午後の訓練が終わる。5人は食堂に来ていた。
春
慶
令
雅
武
令
武
春
慶
武
令
慶
雅
春
慶
春
武
春
3人は、食堂で新た仲間との会話を楽しんでいた…のもつかの間…
大和は最初の戦争に向かうこととなる。
あたりは地獄化していた。
5人は米軍の航空機に向かって機関銃を撃つ。
雅
米軍航空機が、弾倉がきれた春たちを狙い機関銃を乱射してくる。
ドドドドドドドドッ!!!
ブシュッ!
春
春の頬に血が飛びつく。
春
弾倉の右側を持っていた令の頭が吹き飛んでいた。令の体は後ろに倒れる。
慶
春
春は2つの弾倉を手に持ち機関銃にセットする。慶も泣きながら弾倉をセットする。
春
慶
雅
ドンドンドンドンドンッ
その時、一発が米軍航空機の主翼にあたり航空機は海面に叩き落ちる。
武
雅
やがて、米軍航空機は撤退していく。この戦いで大日本帝国は武蔵を初め空母2隻、駆逐艦3隻を失った。
戦闘が終わり、大和は呉のドックに入った。大和に乗っていた乗組員たちは一時的に大和からおろされる。
慶
武
慶
雅
武
春
武
春
武
雅
4人は海軍港の前で解散する。武と春はあの商店街にむかう。
商店街の隅には、あの和菓子屋があった。春は引き戸を開けて中に入る。
春
結衣
春
結衣
結衣は頭を下げ奥の部屋にいく。
武
春
武
春
春は赤面する。
武
春
結衣
結衣はお盆に羊羹を2つのせ2つのもとにくる。
武
武は羊羹を受け取り近くの椅子に座る。
結衣
春も羊羹を受け取り武の横に座る。
結衣
結衣がモジモジしながら呟く。
春
結衣
春は立ち上がり結衣の手を掴む。
春
結衣
春は笑みを作り結衣を見つめていた。
しかし、1945年 3月26日。アメリカ軍が沖縄に上陸し沖縄を占領する。
大日本帝国は沖縄奪還の為に、戦艦大和を派遣することに。
しかし、大和には航空機の援助はなく燃料も片道というまさに”特攻”そのものだった。
これが俗に言う坊ノ岬沖海戦である。
4人は、機銃の周りに集まり雑談していた。
春
武
慶
雅
慶
武
慶
雅
慶
武
雅
慶
春
慶
春
武
春
慶
武
春
1945年 4月7日 坊ノ岬沖海戦
大和は呉を出港し鹿児島県の南部付近に来ていた。
3人は鉄棒を被り、機銃の周りでおにぎりを食べていた。
春
武
春
武
武は懐から風呂敷にくるまれた箱を春に渡す。
春
春は風呂敷を解き、木箱を開ける。中には羊羹が4つ入っていた。
武
春
春は2つの羊羹を慶と雅に渡す。
雅
慶
春
慶
雅
4人は、羊羹を口に運びながら雑談する。
そして運命の時…12時30分。
春
ブォーン
遠くの方から、アメリカ軍の雷撃機が向かってくる。
大和は、戦闘態勢に入る。主砲が動き出し展開する。
雷撃隊は大和の上空を飛行し機関銃を撃ってくる。
春
武
ドンドンドンッ!
激しい銃撃戦が始まる。
雅
春は機関銃の弾倉を取り新しい弾倉を入れる。
最初は大和が有利に立っていたと思われたが、少しづつ米軍の攻撃が激しくなっていく。
ドドドドドドドドッ
慶
ビジュッ!!
春
慶の腕が吹き飛び、慶が倒れる。
春
慶
春
雅
春
ドドドドドドドドッ
ドドドドドドドドッ
雅
ドンッ
機関銃の横に座っていた雅が、吹き飛ばされ大和の船体に叩きつけられる。
春
春が雅に駆け寄るが、雅は息をしていなかった。
春
武
春
武
グォォォオ
大和が少しずつ傾き始める
武が春の肩に手を置く。
武
春
春は木箱から弾倉を取り出し、機関銃の弾倉を変える。
ドンドンドンッ!!!
その時、一発の弾が雷撃機に命中する。
春
武
その時、1機の雷撃機が敵討ちかのように春たちに突っ込んでくる。
ドドドドドドドドッ
ブシュッ!!
バタッ
春
弾が胸に当たる。武は椅子から倒れる。
春は武に駆け寄る。
春
武
春
武はゆっくりと目を閉じる。
春
ドドドドドドドドッ
春
春は逃げるかのように機関銃から離れる。
春
ゴゴゴゴッ!
大和が傾き始める。
春
春も傾くにつれて滑りっていく。
春
やがて大和はひっくり返り、巨大な爆発がおこる。
春は海上を浮かんでいた。
春
春が周りを見渡すと、大和から滑りおち生き残った兵士たちと残骸が浮かんでいた。同時に、雷撃隊は撤退していく。
春
やがて、春たちのもとに駆逐艦が近ずいてくる。春たちは駆逐艦の全員らに救助される。
1945年 8月15日
あの後、アメリカにより広島と長崎に原子爆弾が落とされる。
やがて日本は連合国に無条件で降伏することとなる。
軍が設置した総合病院。
春
総合病院の外には、桜を眺める結衣がいた。彼女も原子爆弾による被害を受けたのだ。
結衣
春
結衣
春
結衣
春
結衣
春は桜の木に手を置く。
結衣
春
結衣
春
結衣
結衣
春は結衣の言葉に目に涙が浮かびその場に座り込む。
春
風がふき、桜の花が散り出す。
桜の花は空高く舞い上がり、やがて風に吹かれて飛んでいくのであった。
大日本帝国の”春” 〜完〜
コメント
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戦争の悲惨な現実を改めて知ることが出来ました。私達が今すべきことは何か、考え直す機会をくださった作者様にはとても感謝しています。有難う御座います。